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| 新世代の「PHEV」ランボルギーニは驚くほど多機能である |
そしておそらくは「驚くほどユーザーフレンドリー」、しかしハイレベルのドライバーにも対応
さて、現在のランボルギーニにおけるラインアップは全てPHEVへと置き換わっていますが、その最新モデルがテメラリオ。
先に登場したレヴエルトと多くを共有していますが、(エンジンを除くと)そのプラグインハイブリッドパワートレーンも非常によく似ており、そして「ドライブモード」も両者ともに「13」とい多様な選択肢を持っています。
この「13」は、4つの基本的なドライビングモード、3つのエネルギーモード、そしてドリフトモードの組み合わせによって実現されることとなりますが、それぞれのモードがどのように機能するのかを見ていきましょう。
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このテメラリオはランボルギーニに多くの革新をもたらしましたが、その中でも特に注目されたのは、(ベイビー)ランボルギーニのトレードマークであったV10エンジンを放棄し、V8ベースのハイブリッドパワートレインを採用したことで、テメラリオでは、3つのエレクトリックモーターと3.8kWhのバッテリーを高性能V8エンジンと組み合わせています。
このV8エンジンは、フラットプレーンクランクデザイン、補助冷却システム、そして「ホットVee」レイアウトのターボチャージャーを採用しており、その結果、800馬力という高出力、そして市販車としてはほぼ例を見ない「許容回転数11,000rpm」を実現しているわけですね。
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テメラリオでは、この強力なエンジンに見合う様々なテクノロジーも備えており、ランボルギーニの「ドライバーをパイロットのように感じさせる」という哲学が随所に反映されています。
スタートボタンは(もはや一つのトレードマークとなった)フリップカバーの下に隠れ、シートやダッシュボードは戦闘機のコックピットを模したものへ。
このデザイン言語はセンターコンソールにも適用されており、全デジタル化にはせず、物理的なボタンやスイッチを残すことで、現代的なテクノロジーと少し古き良き魅力を融合させた”触感のある体験”を提供しています。
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ランボルギーニのドライビングモードはどう機能するのか
そしてここからが「本題」となりますが、テメラリオには、都市部の道路からサーキットまで、さまざまな走行状況に対応するためのドライビングモードが備わっており、これらのモードを組み合わせることで、走行状況に応じた最適なドライブ体験を提供することに。
ドライビングモードは、運転席右側のロータリースイッチで選択でき、12.3インチのデジタルクラスター(メーター)は、選択したモードに応じてグラフィックを表示する、と説明されています。
そこでこのトライビングモードにつき、主だったものを説明すると以下の通り。
Città(シッタ)
「シティ」を意味するこのモードは、都市部でのゆったりとした運転に最適で、パフォーマンスよりもエネルギー効率を重視したもの。
Cittàモードは、2つのエネルギーモード(ハイブリッドとリチャージ)と組み合わせて使用でき、ハイブリッドモードでは、車は完全に電気モーターのみで走行可能で、その出力は187馬力(ただし、ガソリンエンジンは常にバックアップとして利用可能)。
リチャージモードでは、ガソリンエンジンがバッテリーを急速に充電します。
Strada(ストラーダ)
「道路」を意味するこのモードは、高速道路での長距離走行に最適で、燃費とスポーティな特性を兼ね備えています。
ストラーダモードは、必要に応じて四輪駆動を活性化し、このモードでは、高速走行時の安定性が最大化され、e-アクスルがトルクベクタリングをサポートし、アクティブエアロダイナミクスが安定性を向上させます。
Sport(スポーツ)
スポーツモードは、テメラリオの性格を大きく変化させ、よりレスポンシブで楽しい走行性能を提供し、エンジンの出力が増し、サスペンションとエアロダイナミクスが調整され、ドライバーとの一体感を高めまるほか、すべてのエネルギーモード(ハイブリッド、リチャージ、パフォーマンス)と組み合わせて使用できます。
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Corsa(コルサ)
「レース」を意味するこのモードは、サーキットでの最高のパフォーマンスを引き出すためのもので、パフォーマンスエネルギーモードと組み合わせると、エンジンと電動モーターが最大出力を発揮し、ハイブリッドシステムが最適なパフォーマンスを引き出すことに。
このモードでは、エキゾーストノートが最も迫力を増し、ドライバーに感動的な体験を提供します。
Corsa ESC Off(コルサ ESCオフ)
このモードでは、すべての電子制御がオフになり、”ドライバーの技術と勇気が試される”とともに、限界までテメラリオを追い込み走らせることができます。
Drift Mode(ドリフトモード)
ドリフトモードは、ドリフト走行を可能にするためのモードで、3つのレベルが選択でき、レベル1は初心者向けで、レベル3は上級者向け。
ドリフトモードは、メインのドライビングモードセレクターとは別のスイッチで選択します。
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こういった感じでテメラリオはすでに非常に多機能で、あらゆる道路やサーキットなどの運転環境において対応できますが、ランボルギーニはさらに未来の可能性を見据えているのもまた事実。
例えば、ウラカン・ステラートのようなオフロードバージョンの可能性も示唆されていて、ランボルギーニのデザイン部門「チェントロ・スティーレ」責任者のミッチャ・ボルカート氏は(ウラカン・ステラートのような)オフロードバージョンに関する質問に対し、現在は「新しい出発点」の段階であることを強調し、つまり「出発」から「終着」に至るまでは様々な可能性が存在することについても言及しています。
よって、将来的には、テメラリオにさらなるドライビングモードが追加される可能性があり、追加が期待されるハードコアバージョン、そしてオフロードバージョンには新たな選択肢が加わるかもしれません。
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