| シャオミにとってまだまだ「スポーツ走行」は未知の領域であると思われる |
そしておそらく、シャオミだけではなく他の中国の自動車メーカーにも当てはまりそうだ
さて、現在「非常に好調な」生産と納車が伝えられるシャオミSU7。
ただし一部では大きな問題も封じられており、それは「ハードな走行を行った際、車体のコントロールができなくなること」。
シャオミは先日「SU7ウルトラ」を発売し、プロトタイプながらもニュルブルクリンクを7秒以下で走行したと主張しており、そして現在デリバリーがなされている「通常の(ウルトラではない)」SU7であっても673馬力を誇ります。
しかしながら最近の報道によると、シャオミはこの”673馬力の”SU7に搭載されるブレーキが「日常走行向け」に設計されており、サーキット走行には適さないことを認め、ちょっとした波紋を呼んでいる、とのこと。
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すでに複数台のシャオミSU7がサーキットに「犠牲」に
そしてこの問題が明らかになったのは「複数台のシャオミSU7がサーキットにてクラッシュした」ためで、いくつか公開されている動画ではSU7が盛大に事故を起こしている様子を見ることができますが、検証の結果として「ブレーキパッドがホンダCR-Vよりも小さい」ことも示されています。
たしかにSU7は「セダン」ではあるものの、「637馬力」「0-100km/h加速2.8秒」というスペックを持っており、かつSU7ウルトラがニュルブルクリンクでのタイムを主張している以上、このクルマが「スポーツ走行向けに設計されていない」と捉えることは難しいかもしれません。
何周もサーキットを周回することは難しくとも、この出力や加速性能に見合ったブレーキは「当然」備えるべきであると考えられ、しかし発売以降4月、そして6月と相次ぎサーキットにてSU7が制御不能に陥り、クラッシュのうえ大破する様子が動画にて拡散されているわけですね。
シャオミが直々に「SU7はサーキット走行に適していない」と発表
そしてシャオミはこれらの事態を受けて声明を発表するに至り、要約すると「SU7はサーキット走行向けではない」。
「シャオミSU7は道路走行用の高性能ラグジュアリーカーであり、プロのレーシングサーキットなどでの極端な運転は避けてください。SU7ブレーキシステムには、日常走行に適したNAOフリクションパッドを使用しています。これらは、ブレーキノイズと性能をバランスよく調整し、公道走行に適した製品です。サーキット条件下では、スピードやエネルギーの蓄積、急ブレーキ、そして高温下でのコンポーネントの急速な摩耗が発生します。」
NAOとは非アスベスト有機素材(Non-Asbestos Organic)の略で、日常的な走行には問題なく機能するものの、サーキット走行では問題が顕著になる場合が多いとされています。
さらには上述の通りこのブレーキシステムに採用されるブレーキパッドが「CR-Vよりも小さなサイズ」ということが現地メディアによって検証されており、しかしCR-VとSU7との差異は「ピュアEVかどうか」。
SU7はピュアEVなので強力な回生ブレーキを有しているということにはなるものの、回生ブレーキにも限界はあり、シャオミはこのあたり「経験不足であった」ということなのかもしれません。
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