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清水草一「マツダファンがマツダに真に望むこと、それは倒産」

2018/06/28

| ロータリーエンジン搭載車を発売したらマツダは潰れる |

WebCGにて清水草一氏の連載記事「カーマニアがマツダに真に望むこと、それは倒産だった!?」が掲載に。
毎回持論かつ極論を展開して楽しませてくれますが、これまた今回は思い切ったな、という内容です。

要約すると、

マツダファンはロータリーエンジン搭載スポーツカーの復活を望んでいる

しかしロータリーエンジンは現代の規制に適合せず、それをクリアしようとするととんでもないコストがかかる

それでもマツダファンは「マツダの技術ならなんとかなる」

本当に発売したら開発コスト負担でマツダは潰れるが、それでもマツダファンはロータリー復活を臨む(それはマツダの倒産を臨むのとイコール)

というもの。

たしかにこれはよく理解できるもので、たとえば「マニュアル・トランスミッション」もよく似ているかもしれません。
世の中の多くのスポーツカーマニアは「マニュアル・トランスミッション」を信奉しますが、メーカーにとってマニュアル・トランスミッションを用意するのはかなり負担。
ほとんどの人がATを選ぶ今、「マニュアル出して」という消費者の声を真に受けて実際にMTを出すと、「結果としてMTは5%しか売れずに赤字だった」という例も。

Porsche-manual-transmission

そのほか、格好良いコンセプトカー、面白いコンセプトカーをメーカーがモーターショーに出展し、それを見た消費者が「ゼッタイに買うから市販して」というラブコールをメーカーに大量に送り、それを信じてメーカーが発売したら「全然売れなかった」という例もありますね。

要は「買う買う詐欺」ですが、仮にマツダがコストをかけてロータリースポーツを開発し、発売したとしても、その価格が「700万円くらい」になってしまったら結局は売れず、開発コストも吸収できず、「消費者の声を取り入れたマツダがバカを見た」ということになるのかもしれません。

ロータリーエンジンはこんな状況

ロータリーエンジンは1957年に「ヴァンケルエンジン」として開発されたもので、その小ささや画期的な構造、構成パーツの少なさなどから注目され、メルセデス・ベンツも研究を重ねたことでも知られます(コンセプトカー、C111に搭載されるも市販までこぎつけることができなかった)。

いくつかの自動車メーカーが夢見ながらも実用化ができなかったロータリーエンジンですが、マツダは1967年に「コスモ」へこのエンジンを搭載し、世界初の量産化に成功しています。
「メルセデス・ベンツやアウディですらなしえなかった」実用化に成功したことでマツダは大きく注目を集め、その後ロータリーエンジンはRX-7、RX-8へと積まれるも「環境規制に適合できずに」惜しまれつつ生産終了。

ただしマツダはロータリーエンジンについて、「マツダブランドを構成する要素の一つ」だと捉えており、現在も様々な研究を重ねているとされ、まずはレンジエクステンダー(発電機)としての復活が明言されています。

ロータリーエンジン搭載スポーツカーの可能性が潰えたわけではないものの、わざわざコストをかけてロータリーエンジンを積まずとも達成できることは現代において多く、やはり「可能性はほぼない」のかもしれません。

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