| 動画自体は以前に撮影されたもののように見えるが |
マツダが突如として「ロータリー生誕50周年」という動画を公開(メルマガ配信比率も上がっているようで、最近色々と送られてくる)。
ただ、ちょっと奇妙なのは、マツダが最初のロータリーエンジンを搭載したクルマ「コスモスポーツ」を発売したのは1967年。
よって「ロータリー50周年」は2017年ということになります。
加えて、動画のメインに据えられている「RX-VISION」は2015年の発表。
さらに動画の「画質」が低いことを考えると、2016年前後に撮影された動画をなんらかの理由にて現在アップした、と考えるのが妥当なのかもしれません。
なぜ今になってロータリーをアピール?
そしてこの動画にて注目に値するのはそのキャプション。
その内容は下記のとおりですが、「マツダとロータリーのストーリーはまだ終わっていない」と記されていることに要注目。
動画自体は以前のものだとしても、それを今改めて公開していること、そして公開するにあたってはキャプションを調整しているであろうことを考えるに、マツダは「ロータリースポーツを発表するつもりなのかもしれない」と期待してしまいます。
ロータリーエンジンが搭載されたコスモスポーツが世界に発表され、自動車の歴史に新たな1ページを刻んでから半世紀経ったが、マツダとロータリーのストーリーはまだ終わっていない。ロータリーエンジン無くしてマツダは存在しなかっただろうし、マツダ無くしてロータリーエンジンが50年近くも生産されることはなかった。50年前、フェリックス・バンケル考案のユニークなエンジン設計のコンセプトを実用化し、商業的な成功に導いたのはマツダの技術者たちだった。
MAZDA
マツダは2020年に100周年を迎える
そして現在マツダを語る上で外せないのが「2020年1月に100周年を迎える」ということ。
トヨタが創業から82年、ホンダでは71年しか経過していないことを考えると、マツダの「すでに99年、来年で100年」というのはかなり長い歴史。
そしてマツダはこの100周年を盛大に祝いたいと考えているはずで、「この機に、マツダを象徴する”ロータリーエンジン”を積んだスポーツカーが発表されるであろう」という希望的観測が存在しています。
ロータリーエンジンは環境規制に対応させることが非常に難しく、よって現段階では「レンジエクステンダーとしての役割が精一杯」。
しかしマツダはロータリーエンジンを諦めているわけではなく、なんらかの研究を進めている、というコメントが社内から聞こえてくるのもまた事実。
加えてマツダはここ最近、ナゾのRX-8をニュルブルクリンクに持ち込んだり、いくつかの(ロータリーエンジン搭載スポーツカーに関するものと思われる)特許を出願していることも報じられています。
マツダはこっそりロータリーエンジンとその搭載車を開発していた!特許が公開され、その存在が明らかに。2020年1月30日の”マツダ100周年”に発表あるか
【動画】マツダはいったいニュルで何を?複数のマツダRX-8が目撃され「ロータリーエンジンのテスト」「新型スポーツカーの開発」がウワサされる
とくにその車体構造を示したものだと、スペースフレームを用いた「スーパーカー的な」設計を持つものも。
マツダからスーパースポーツ登場?ランボルギーニやマクラーレン同様のスペースフレームを持つ特許図面が公開に。もしかすると電動ターボ+トランスアクスル
よってマツダは「着々と」100周年そしてロータリーエンジン搭載スーパースポーツ発表に向けて準備を進めているという印象も受けますが、ちょっと気になるのはマツダの販売不振。
日本ではまだ「好調」であるように見えるものの、北米市場での大幅減速が報じられており、これがニューモデル開発に暗い影を落とす可能性もありそうですね。
マツダ社長「ロータリースポーツ実現はマツダ全員の夢だが、今は余力がない」。マツダの利益は43%減、営業利益率も4.2%から2.3%と業界最低レベルへ
マツダは世界で唯一、ロータリーエンジンを実用化した自動車メーカー
ただ、今回の動画が示すように、ロータリーエンジンはマツダの「核」。
ロータリーエンジンなくしてマツダがここまで来ることはなかっただろうということですが、その意味でも100周年記念という歴史的瞬間にこれをスルーするとは考えにくい、と思います。
現在様々な憶測が流れるものの、100周年に向け、マツダの動向には注目したいところですね。
VIA: Mazda Official Web