｜ マツダはCX-3やMAZDA 3へのエントリーグレード投入で「価格」の重要性を理解したはずだ ｜
さて、9月になぜか648台ものマツダMX-30が登録され、「もうじき発売では」と考えていましたが、ついにマツダが正式にMX-30の発売をアナウンス。
欧州では「EV」として発表されていたものの、日本ではマイルドハイブリッドシステムとガソリンエンジンとを組み合わせた「e-SKYACTIV G」を搭載しています。
なお、MX-30のEV版については、2021年1月に発売するということも正式に発表されており、こちらも期待が持たれますね。
その価格は思ったよりも安かった
そしてぼくが一番気になっていたのはその価格。
実車（プロトタイプ）を見た限りでは相当に質感とプレミアム感が高く、それにあわせて「けっこう値段も高くなりそうだな・・・」と考えていたものの、フタを開けてみればかなり抑えめの242万円～という設定。
なお、マツダはここしばらくの間、CX-3やいくつかのモデルに排気量の小さなエンジンを搭載した「廉価版」を追加しており、登録状況を見る限りでは「廉価版投入後に販売が伸びている」ので、もしかするとマツダは「やはり訴求力のある価格でないと売れないのか・・・」と考えたのかもしれません。
これまでのマツダは「プレミアム路線」を歩んできたが
マツダはこれまで御存知の通りプレミアム路線を歩んできたものの、そのために価格が上がってしまい、正直なところ苦戦中（MAZDA3のSKYAKTIV-Xはメルセデス・ベンツAクラス、BMW 1シリーズと同じくらいの価格設定を持ち、フォルクスワーゲン・ゴルフの値付けを超えている）。
たしかにマツダのクルマのデザインは素晴らしく、その質感も高いものの、デザイン以外の良さがなかなか消費者に伝わっていないことがその原因かもしれません。
ただ、そのデザインについて、広くその素晴らしさが認知されており、CX-3の例のように「求めやすい価格設定になれば売れる」ことも立証されていて、ここはいったん「プレミアム」を棚上げし、装備等を簡略化して廉価版を投入してゆくことで販売台数を確保するより他に道がないんじゃないか、ともぼくは考えているわけですね。
ただ、そうなると「マツダは安い」という昔のイメージに戻ってしまうので、値引きだけは断固行わず、そして利益確保のための「マツダスピード」を復活させ、全モデルにマツダスピードモデルを設定して利益を確保すればいいんじゃないかと思ったり（メルセデスAMG、BMW M、アウディS/RSと同じ商法）。
マツダMX-30はこんなクルマ
それはともかくとしてマツダMX-30ですが、実際に見ると「マツダらしさ」も残しつつ、排他性と未来を感じさせるクルマで、ぼくとしては「現在もっともカッコいいマツダ車」としてとらえています。
とくにA~Cピラーの処理、そこからテールへの処理は秀逸としか言いようがなく、かつインテリアについても例の「コルク（マツダはコルク製造業としてスタートしており、その原点回帰）」の使用や（おそらく）再生素材の仕様など、ほかのマツダ車に比べてメッセージ性が高くなっている、という印象。
マツダによると”魂動デザインの拡がりにチャレンジするデザインコンセプト「Human Modern」””細部にわたる造り込みと環境に配慮した素材によって、心がととのう室内空間””純粋な楽しさをもたらす、ドライビング体験””安心して運転を楽しめるように、進化した安全性能”をその中心的価値として掲げており、計画販売台数は1000台に設定しています。
なお、この1000台というのはかなり控えめな数字で、たとえば2020年9月のマツダ車だと、上からMAZDA2が3,354台、CX-30が2,905台、CX-5が2,606台、MAZDA3が2,279台、CX-8が1,838台、CX-3が1,186台。
よって、これらよりも少ない販売台数になるだろう、とマツダは考えているようですね。
価格については上述の通り2,420,000円からですが、これは2WDの場合で、4WDになると2,566,500円。
100周年特別記念者だと2WDで3,157,000円、4WDでは3,393,500円という設定です。※グレードそのものはシングルグレードで、”e-SKYACTIV G（6速AT）”しかない
ベース価格のみの比較だと、MAZDA 3（221,389円～）/CX-30（2,392,500円～）とCX-5（2,618,000円～）との中間といったイメージですが、マイルドハイブリッド搭載、そして数々の独自装備やデザイン性という点において、MX-30のほうが「割安感がある」という印象を持っています。
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参照：MAZDA