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マツダの考え方は世間一般と乖離?「EVの航続距離を追求することには興味がない。消費者にとって航続距離の長さは重要ではなくなると考えている」

2023/02/06

マツダ

| 一方、消費者がEVに対して抱く懸念は「充電」「航続距離」であるということが調査から明らかになっている |

さらにマツダは充電施設の拡充も「他人がやってくれるもの」と考えているようだ

さて、現在MX-30を除くとEVを持たないマツダですが、マツダUSAの社長兼CEOであるジェフリー・ガイトン氏はによれば「電気自動車の航続距離競争には乗り気ではない」。

これは先日発表されたCX-90の発表会での発言だとして報じられていて、要点をまとめると「EVの普及とともに、消費者も賢くなり、それほど長い航続距離を必要としなくなるから」なのだそう。

マツダはEVに対してこう考える

なお、マツダMX-30の一回の満充電あたりの航続距離は米国だと100マイル(約160キロ)だと表示されており、これは「かなり少ない」と言われています(実際のところ、同じ価格帯ではもっと長い距離を走るEVもたくさんある)。

ちなみにですが、こういった指摘に対してマツダは「航続距離に満足できないのであれば、もう一台ガソリン車を購入するといい」とコメントしたことがあり、正直これははちょっと一般的な消費者の考え方とは乖離した発言だと考えざるをえません。

マツダMX-30
マツダ初のEV、MX-30 EV Modelが売れてないもよう。原因はおそらく航続距離の短さ、しかしマツダは「その解決策として、ガソリン車をもう一台買い増せばOK」とコメント

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そして今回、マツダは「EVユーザー、とくにEVを乗り継いだユーザーであればEVの特性をよく理解できているので、賢い使い方ができるようになる」と主張し、これはつまり電欠になる前に充電したり、自宅でこまめに充電するようになるだろうということを考えているもよう。

マツダMX-30

さらには「そのうち充電インフラが整備されれば、チョコチョコと充電できるようになるため、実はさほど長い航続距離を求めていなかったということに消費者は気づくはず」だとも。

実際のところ、統計によれば、平均的なアメリカ人は1日に約40マイルしか走行しておらず、よってマツダMX-30の「100マイル」というわずかな航続距離であってもほとんどのドライバーの日々のニーズを満たすことができるはずです。

ただし実際には多くの消費者が「250マイル以上の航続可能距離を求めている」というデータもあり、ここにマツダの考えと消費者のニーズとの乖離があるのかもしれません。

マツダの考え方は世間とは乖離している

確かにマツダの言うこともわからないもないのですが、それは「毎日充電するという前提」であり、しかし毎日ガソリンスタンドに行くのが面倒なのと同様、毎日充電するのもそう簡単ではなく(とくに自宅で充電できない場合)ここもマツダの認識が現実と異なるところだとも考えています。

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なお、ぼくが思うにマツダの(トヨタもですが)課題はそもそもEVにさほど真剣ではないということで、そのマツダが「EV購入者は、さほど長い航続距離を必要としない」と発言することにはちょっと違和感を感じます。

これがもし、大量にEVを販売しており、その経験上、そして販売現場からの意見をもっての発言ならば理解でき、かつ「(宏光ミニEVのように)航続距離を抑えて安価なEVを販売している立場からのコメント」のであればこれも理解できるのですが、EVが(数量限定で)1車種のみ、かつ航続距離が短く価格が高いことに起因して自社のEVが売れていない状況下での発言であれば説得力に欠けるというもの。

加えて、マツダは自社でチャージングポイントを建設する計画を公表しておらず、そのマツダが「将来は充電箇所が増え、あちこちで充電できるので便利になり、よって航続距離が短くても問題はない」というのも「え?」という感じです。

つまりは、自社の努力不足を消費者に転嫁しようとしている、もしくは都合のいいように解釈しているかのように思われるわけですね。

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参照:Green Car Reports

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