| RX-7の形をしているが、実際は「自作のレーシングカー」だと言っていい |
もともとのRX-7の構成パーツが残っているのは感覚値で20%くらい
さて、何年もかけて自身のマツダRX-7を進化させ続け、「4ローター、4WD」化したエンジニア、ロブ・ダーム氏。
同氏は運転免許を取得してすぐにRX-7を購入し、そこからずっとこのクルマを改造し続けていますが、最終的な目標は「ボンネビルで(クラス)最速を達成すること」。
理論上の最大出力は2,000馬力にも達し、しかし現在では(まだ完全に仕上がっていないため)信頼性を考慮して1,330馬力~1,000馬力に抑えているといいます。
そして今回、その「4ローター、4WD」RX-7とジープ・チェロキー・トラックホークとの家族レース動画が公開されており、ロータリーエンジンの「歯医者で使用されるローターの音を増幅した」かのようなロータリーサウンド、そしてビートの効いたアメリカンV8サウンドを楽しめる内容となっています。
「4ローター、4WD」RX-7とジープ・チェロキー・トラックホークのスペックはこうなっている
上述の通りこのRX-7は1,000馬力という仕様ですが、対するジープ・チェロキー・トラックホークはSUVだからといって侮ることはできず、というのもノーマル状態で0-100km/h加速3.5秒を誇り、ランボルギーニ・ウルス・ペルフォルマンテ、フェラーリ・プロサングエといったガソリンエンジン搭載SUV最速クラス(3.3秒)と同等の加速力を持っているため。
さらにこの個体は850馬力にまで出力が高められた上にローダウン+ハイグリップタイヤの装着がなされています。
ロブ・ダーム氏のRX-7についてもう少し掘り下げておくと、RX-7といえども、ほぼその原型をとどめておらず、残っているのはフロントバルクヘッドとサイドシル、シート後方の一部の骨組みくらい。
前後ストラットやルーフ、フロアもカットされ、車体前後はオリジナルのフレームが接続されるという構造です。
そのため全長と全幅はもともとのRX-7に比較して大きく拡大され、外板だと(残っている)オリジナルのパーツはランプ類やドア、ピラーくらい。
エキゾーストパイプはサイド出しで・・・。
リアには巨大なウイングとディフューザー(リアフェンダーの張り出しがスゴい)。
ちなみに室内はトランスミッションむき出し(シーケンシャル)。
まだまだ未完成なのでフロアはスカスカ、そして地面が見えているという状態。
4ローター、4WDのRX-7とジープ・チェロキー・トラックホークとがレースを走ったらこうなった
そしてここからはこのRX-7とジープ・チェロキー・トラックホークとが走った結果。
レースは3本勝負で行われ、1本目(1000フィート)のスタートは両者ほぼ互角ではあるものの・・・。
そこからズバっとRX-7が前に出てゴール。
ただし車両にちょっとした異常があり、空気圧センサーが外れてホイールとの摩擦を起こしていたようですね。
その後走った2本目(500フィート)だと計測に問題があってRX-7がアクセルを途中で緩め、結果的にチェロキー・トラックホークの勝利に終わります。
そして3本目では、直前に発見されたフロントドライブシャフトの問題に起因し、RX-7はやむなく「FR化」して勝負に臨むことに(もともと前後のトルク配分は調整式となっている)。
フロントの駆動力を失ったことでスタートこそはチェロキー・トラックホークに先行されるものの、その後怒涛の加速でこれを逆転して引き離しにかかります。
ちなみにロブ・ダーム氏はレーシングスーツにグローブ、ヘルメットという重武装で戦いに挑んでいますが、これはまだまだマシンが「仕上がったばかり」でトラブルの可能性を否定できず、最悪の事態に備えてのことだと思われます(クラッシュはもちろん、火災や爆発、パーツ破損による飛散の可能性もある)。
結果としては「FR化」した3本目のほうがもっとも速く走れたようで、上から見るとそのコークボトルっぷりがよくわかりますね。
1,000馬力のRX-7とジープ・チェロキー・トラックホークとがレースを走った動画はこちら
ちなみにこちらは完成直後のパワーチェック動画。
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