
Image:NISSAN
| 日産が直面する深刻な財務危機:横浜本社ビルを売却か? |
日産は「収入を劇的に増やせない」以上、現在の売上でも維持できる大勢を構築するしかない
日産自動車が今まさに経営危機の瀬戸際に立たされていることは周知の通りですが、今回は複数メディアにて「日産が横浜にある本社ビルを2026年3月までに売却する計画を進めている」と報じられています。
もちろんその背景にあるのは深刻な財務状況で、今回売却対象として報じられているのは2009年に東京から移転して以来、日産の中枢を担ってきた「横浜本社ビル」。
JR横浜駅に近接する好立地にあり、不動産価値は1000億円にのぼるとされています。
-
-
日産、世界で2万人削減へ|元CEOカルロス・ゴーン「破綻は時間の問題」
Image:NISSAN | 日産自動車、世界で2万人削減へ|経営危機が深刻化 | やるべきことはあまりに多く、しかし残された時間はあまりに短い 日産が再び大規模な人員削減を発表。 その内容によれば、 ...
続きを見る
売却の目的は?世界17工場のうち7工場を閉鎖へ
報道によると、この本社の売却資金は「世界中にある17の工場のうち7つを閉鎖するための資源」確保に充てられるものとされ、日産の現状はまさに「現金確保」が最優先。
実際、他社も同様の手法をとっており、マクラーレンは本社売却後、20年契約で同地に残留するというリースバック形式を採用していますが、日産も同様に、本社売却後も同地に残るための賃貸契約を結ぶ可能性が高いとみられています。
-
-
マクラーレンがついに本社を売却!今後20年間は「買い主から借りる」ことで本社を存続させる模様。なお、その後については「白紙」
| 昨今の自動車業界では非常に珍しい「本社売却」という事態を迎える | さて、コロナ禍において急速に業績が悪化したと言われるマクラーレン。一時はそのコレクションを売却して資金を得ようとするも「すでにコ ...
続きを見る
米国関税が追い打ち:トランプ政権による政策の影響
今回の危機に拍車をかけているのが、2025年4月に米国が発動した対日関税措置。
トランプ前大統領によるこの関税強化により、日本の自動車メーカー全体が打撃を受けており、日産も例外ではありません。
日本政府と米国政府の間では、現在も関税緩和をめぐる交渉が続けられ、そして日産の現状は、まさにその行方に大きく左右される状況だということに(関税の影響はほか自動車メーカーも等しく受けるが、日産にはその影響を吸収するだけの体力が残っていない)。

日本自動車工業会の声明:「我々は同じ船に乗っている」
日本自動車工業会の会長、片山正則氏は次のようにコメントし、しかし関税の負担割合についても明確な方向性は出ておらず、部品メーカーと完成車メーカーのどちらがどれだけ負担するかは未定とのこと。
「可能な限り早く関税回避を求め続けていく方針です。しかし交渉の性質上、先行きは不透明です。“トランプ関税”への対応についてはまだ明確な議論を行っていません。部品メーカーも我々も、同じ船に乗っているのです。」
まとめ:日産の「生き残り戦略」に注目
今回の横浜本社売却報道は日産がいかに厳しい状況にあるかを如実に物語っていて、1000億円もの資産を手放してでも事業再建を優先せざるを得ない日産の姿は、多くの業界関係者に衝撃を与えています。
関税問題の行方も含めて今後数ヶ月間における日産の動向からは目が離せない状態でもあり、続報を待ちたいところでもありますね。
あわせて読みたい、日産関連投稿
-
-
日産「次期GT-Rのためのプロジェクトが存在し、実際にそこで働く人がいます」。しかしこの状況で日産はGT-Rに多くのリソースを割くことはできないであろう
Image:Nissan | 日産幹部は口々に「次期GT-R」について語っているが | これらは「期待をつなぐだけ」であって実際にはなんら計画が進行していないのかもしれない さて、現在の苦境と同じくら ...
続きを見る
-
-
トヨタが日産を救う?ホンダとの統合破談後、「トヨタが日産に救済の手を差し伸べた」。浮上する新たな提携の可能性とは
| 日産とホンダの統合交渉が破綻、その後の展開は? | 以前、トヨタは「日産のほうからは声がかからなかった」とコメントしているが 2024年末、日産とホンダは統合に向けた協議を開始すると発表しましたが ...
続きを見る
-
-
日産「Re:Nissan」再建計画の全貌:20,000人削減とプラットフォーム半減の真意
| 【冒頭】日産、崖っぷちの再スタート | かつて世界トップクラスの販売台数と技術力を誇った日産。 しかし2025年3月期には約6,700億円の純損失を計上し、来期の業績見通しすら出せない異常事態とな ...
続きを見る