
| 日産とホンダの統合交渉が破綻、その後の展開は? |
以前、トヨタは「日産のほうからは声がかからなかった」とコメントしているが
2024年末、日産とホンダは統合に向けた協議を開始すると発表しましたが、交渉がわずか数ヶ月で頓挫したのは記憶に新しいところ。
その理由は”経営権を巡る意見の相違”で、日産はより大きな意思決定権を求めていたものの、ホンダがそれに難色を示したことが最大の障壁であったと言われます。
この交渉決裂によって日産の将来に対する懸念が一気に広まり、特に2月中旬以降、「日産は単独で生き残れるのか?」という声が高まりを見せているわけですね。
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トヨタが“救世主”になる可能性も浮上
そんな中、世界最大の自動車メーカーであるトヨタが、日産への支援を打診していたと『Automotive News』が報じており、まだ正式な発表はないものの、トヨタ側の幹部が日産に接触したとされています。
トヨタが他の国内メーカーと資本・業務提携するのは珍しくなく、過去にはスバル、マツダ、スズキ、いすゞに少額出資しており、日野自動車には過半数出資、ダイハツに至っては完全子会社化しているという状況です。※国内ではないが、テスラと提携していたこともあり、現在は特定分野においてBMWとの協業も行っている
よって今回も同様に、トヨタが日産の少数株を取得することで提携関係を築く可能性がある、と見られているわけですね。
日産の新CEOが進める“生き残り”の大改革
一方、日産は2025年4月1日、日産はCEOを内田誠氏からイヴァン・エスピノーサ氏へと交代させ、新体制のもと、(単独で生き残ることを前提に)大胆な再建プランを打ち出すことに。
- 全世界で20,000人以上の人員削減
- 17工場のうち7拠点を閉鎖
- 三菱やルノーとの提携を活かした新型車の展開
これらの施策は痛みを伴うものの、「日産を内部から立て直す」ための必要なステップだと見られています。
「今すぐに新しい提携相手を探すつもりはない」──新日産CEOの言葉
さらにイヴァン・エスピノーサ氏は記者会見で次のように述べて、理想のパートナー像としては、「米国と日本という日産の主要市場における相乗効果」「先進技術への貢献」を挙げています。
「今行っているのは非常にオープンなレビューであり、日産に企業価値をもたらすパートナーを評価しています。」
再びホンダとの提携はあるのか?
将来的にホンダとの提携が復活する可能性も完全には否定されていませんが、現時点では現実味は低いと見られ、しかしイヴァン・エスピノーサ氏はさまざまな提携の形を想定していると語っており、
- 統合
- 資本投資
- 特定事業のスピンオフ(分社化)
といった柔軟な選択肢を模索しているようですね。
トヨタと日産の提携は現実味を帯びるか?
現在、日産は大胆な内部改革を進める一方で、将来的な提携の可能性にも備えている状況だとも考えられ、ホンダとの破談を経て、次に浮上したのが「トヨタ」というのは、まさに日本自動車業界のダイナミズムを象徴する動きと言えるのかもしれません。
今後の再建計画とパートナー選定の行方に引き続き注目が集まり、続報を待ちたいと思います。
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参照:Jalopnik