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| 日産自動車、世界で2万人削減へ|経営危機が深刻化 |
やるべきことはあまりに多く、しかし残された時間はあまりに短い
日産が再び大規模な人員削減を発表。
その内容によれば、これまでに発表された9,000人の削減に加え、さらに1万人以上の追加リストラを実施する見込みであり、総計2万人、全世界従業員の約15%が対象となるもよう。
この発表は通期決算発表を目前に控えてなされたもので、厳しい業績悪化を裏付けるものとして大きな注目を集めています。
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日産の業績悪化が止まらない:5,000億円超の赤字も
日産はすでに、2024年度(2025年3月期)において約7,700億円におよぶ純損失を計上すると見込まれていますが、その主な原因は以下の通り。
- 販売台数の低迷
- 米国での関税やコスト上昇
- リストラ関連費用
- 設備の減損損失
これまでにも生産能力の20%削減、工場閉鎖などを含む再建計画が進められてきましたが、十分な効果は出ていないのが現状です。
新日産CEOに重くのしかかる再建の重圧
ホンダとの統合交渉が暗礁に乗り上げた後、2024年3月には前CEOの内田誠氏が退任し、新CEOとしてイヴァン・エスピノーザ氏が就任したところではあるものの、今回は経営戦略の行き詰まりが表面化した形となっており、エンジニア出身であるイバン・エスピノーサCEOの「今後は新型車の投入を通じて販売回復を目指す」という計画にも暗雲が立ち込めています。
カルロス・ゴーン氏、痛烈な批判「私は予見していた」
そして興味深いのは、元日産自動車会長で現在レバノンに逃亡中のカルロス・ゴーン氏が今回の事態に対してコメントを発表したことで、フランスのBFM Businessとのインタビューにて以下のように述べています。
「私は日産の没落と、ルノー・日産アライアンスの終焉を予見していた。」
さらには経営陣を強く非難し「判断が遅すぎ、リーダーシップが欠如している」と断言。
また、ホンダとの提携交渉についても「トヨタとホンダが組むようなもので無理がある」と切り捨てることに。
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ルノーも「もはやローカルメーカー」
ゴーン氏はまた、ルノーに関しても辛辣なコメントを残し、古巣に対してはなにかと否定的な見解を持っているようですね。
- 「ルノーはグローバルブランドから小規模な欧州メーカーに戻った」
- 「中国・米国市場からの撤退は致命的」
- 「今後はジーリー(中国・吉利汽車)との関係深化がカギを握る」
今後の注目点:分裂か、再起か?
日産は現在、新型EVやSUVの投入を計画しており、北米市場での再建を急ぐ方針です。
しかし、アライアンス維持の不透明さ、国内競合との関係、グローバル戦略の欠如など多くの課題が残されており、しかしそれらを解決してゆくには「時間が不足している」というのもまた事実であり、今後の日産の動向に注目が集まります。
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まとめ:危機に直面する日産、その行方は?
- グローバルで2万人の削減を実施
- 元CEOゴーン氏が「破綻寸前」と指摘
- ルノーとの関係も岐路に立つ
- 新経営陣に残された時間はわずか
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