
| R36 GT-Rの情報が徐々に具体化、つまり開発の方向性が定まってきているのだとも考えられる |
EVスポーツカーの時代はまだ早い?日産が放った衝撃の「アンサー」
世界中のクルマ好きが固唾を飲んで見守る「ゴジラ」こと、日産 GT-Rの次期モデル(R36)の行方。
これまでには様々な噂が出ては消え、しかし根強く囁かれていたのが「(ハイパーフォースコンセプトの存在があっただけに)R36 GT-Rの完全EV化」。
しかし今回、「ついにEVになってしまうのか・・・」というファンの不安を吹き飛ばす、驚きのニュースが横浜の日産本社から飛び込んでくることとなり、報道によれば、日産のグローバル製品戦略責任者、リチャード・キャンドラー氏が次期R36型において「完全電気自動車(BEV)にはしない」と明言したのだそう。
日産があえてEV化の波に抗う道を選んだ裏側には「GT-Rという伝説を守り抜くための熱い信念があった」とされ、ここでその内容を見てみましょう。
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日産幹部がR36 GT-Rを「開発中」と明言。2028年までに発表、2030年の発売を目指し目下計画が進行中、HV化で1,000馬力が期待される
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3分でわかる!本記事の要約
- EV化を完全拒否: 現在のバッテリー技術ではGT-Rの求める性能を実現できないと断言
- ハイブリッド採用へ: 排ガス規制対応のため、電動化技術は導入するが「ガソリンエンジン」は継続
- 開発は進行中: CEOのイヴァン・エスピノーサ氏も、R36がすでに開発段階にあることを認める
- ファンの声が勝利: EVスポーツカーの不人気という市場の現実も今回の決断に影響か

なぜ「エレクトリックGT-R」は生まれないのか?
日産の戦略責任者、リチャード・キャンドラー氏が語った言葉には、GT-Rに対する一切の妥協なき姿勢が表れており・・・。
「現時点でのリチウムイオン電池の化学組成では、GT-Rに相応しい製品を作ることは不可能です。次世代モデルでのバッテリー単体採用(ピュアEV化)は、絶対にありえません」
キャンドラー氏によると、現在のバッテリーは重量や連続走行時のパフォーマンス維持において、GT-Rが目指す「圧倒的なサーキット性能」を担保するには力不足だとしています。
そして以前、日産は「GT-Rは、登場した時代のすべての常識を(R32やR35がそうしたように)書き換える必要がある」とも述べており、それはつまりポルシェやメルセデスAMGツの持つ(具体的にはニュルブルクリンクの)タイムを大きく更新すること。
しかし現在のエレクトリックパワートレインでは「それが不可能」なのだということになりそうですね。

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R36 GT-Rの予想スペックと開発状況
現在判明している情報と日産幹部の発言から予測されるパッケージングをまとめてみると(おおよそ)以下の通り。
| 項目 | 詳細・予測 | 備考 |
| パワートレイン | ハイブリッド(電動化ガソリンエンジン) | 規制対応とパワーの両立 |
| 駆動方式 | 4WD(アテーサE-TSの進化版) | GT-R伝統の走りを継承 |
| 開発状況 | 開発フェーズ進行中 | 横浜本社での取材で判明 |
| 期待されるエンジン | V6ツインターボ継続か | 電機アシストによる加速強化 |
| 今後の展望 | 全固体電池待ち? | 次々世代(R37?)以降で検討か |
EVスポーツカーが直面する「冬の時代」
日産が今回EV化を避けた背景には、世界的な「EVスポーツカー不信」も影響しているようで、キャンドラー氏は「これまでのところ、電気スポーツカーが爆発的な人気を博した例は見当たらない」と分析(これはリマックやケーニグセグ、パガーニ、ランボルギーニ等のスポーツカーメーカーのトップが述べた意見と一致している)。
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多くの愛好家が、「エレクトリックモーターの無機質な加速よりも、エンジンの咆哮やシフトチェンジの感触を求めている」という現実を日産は冷静に見極めており、その一方で(アメリカ以外の地域で)厳格化される排出ガス規制をクリアするためには、何らかの電動化(ハイブリッド化)は「常識的に考えて不可欠」とも述べています。

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結論:R36は「ガソリン好き」が最後に笑える一台になる
今回のコメントにより、次期GT-Rは「エンジンを搭載した史上最強のハイブリッド・モンスター」になることがほぼ確定し、技術の進歩を追い求めつつ、ファンが求める「ゴジラらしさ」を切り捨てない日産の姿勢は近年の過度なEVシフトに疑問を感じていた多くのドライバーにとって最高のギフトとなるはずで、ガソリンの匂いと電気の加速、その両方を併せ持つR36がどんな姿で現れるのか、続報に期待したいと思います。
知っておきたい新知識:なぜ「バッテリー」がスポーツカーの敵になる?
EVスポーツカーが抱える最大の弱点は、熱と重さ」。
- 重さ: バッテリーは非常に重く、コーナリング性能やブレーキへの負担を増大させる。「軽さこそ正義」のスポーツカーにおいて、現行のバッテリーはまだ重すぎるというのが現状で、デメリットがメリットを上回る
- 熱だれ: サーキットで全開走行を続けるとバッテリーとモーターは激しく発熱し、すると保護機能が働いて出力がガクンと落ちてしまう「熱だれ」が発生(保護機能を設けないのもまた問題)

日産が待望しているのは、これらを解決する「全固体電池」だと思われますが、全固体電池は現在の日産が総力を挙げて開発している次世代技術でもあり、これが完成した時、初めて「GT-Rの名に恥じないEV」が登場する日が来るのかもしれませんね。
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参照:Motor1











