| 昨今の自動車業界では非常に珍しい「本社売却」という事態を迎える |
さて、コロナ禍において急速に業績が悪化したと言われるマクラーレン。
一時はそのコレクションを売却して資金を得ようとするも「すでにコレクションが抵当に入っている」ためにそれができなかったと言われ、なんとか追加での融資を得てしのいでいた状態です。
さらにその後は「本社を売却せざるを得ない」状態となってしまい、そして今回、ついにその本社を売却したと報じられています。
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ただしすぐに本社を失うわけではない
なお、今回売却したのは「マクラーレン・テクノロジーセンター」「マクラーレン・プロダクションセンター」「マクラーレン・ソートリーダシップセンター」含む土地と社屋一式だと報じられていますが、購入したのは米グローバル・ネットリース。
同社は1億7000万ポンド(日本円にして約250億円)にて土地と社屋を購入し、今後20年にわたってマクラーレンに「リースする」とのこと。
出てゆかないのであれば売らなくても良かったのではという見方もありそうですが、マクラーレンとしては「今後、毎月の賃料を払うことになったとしても」当面の現金が欲しかったということになりそうです。
そして、グローバル・ネットリース社のように、お金がある会社は、こういった物件を購入し、それを「リースする」ことで大きな収入を得ることができるので、やはりお金を持っている人や会社は強いということになりますね。
マクラーレンはこれまでも多額の融資を受けてきたが
なお、マクラーレンはこれまでにも(直近のコロナ禍のもと)融資を受けており、2020年3月には2億9100万ポンドぶんの株式調達、2020年6月にはバーレーン国立銀行から1億5000万ポンドを借り入れていますが、もちろんそれでも足りなかったということで、となると今回の1億7000万ポンドで足りるのかという気も(すぐに別の対策が必要となりそうだ)。
グローバル・ネットリース社CEO、ジェームズ・ネルソン氏いわく「この世界的に有名な施設が、我社のポートフォリオの一部になることを発表できて嬉しく思う。"我々は、マクラーレンとの長期的なパートナーシップと、この取引がグローバル・ネットリースにもたらす利益を楽しみにしている」とのこと。
現在は売却に向けて最終調整を行っているといい、5月中にはすべての手続が完了するようですが、再びマクラーレンが栄光を取り戻し、自らの力で本社を買い戻せるようになってほしいと願ってやまない今日このごろです。
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