| スバルは「WRX STI」とは異なる方向で「WRX S4」を進化させてきた |
スバルが本日5月26日より、500台のみの限定生産となるWRX S4 STI Sport #(スポーツシャープ)の先行予約を開始。
10月22日までは受注するとのことですが、当然のことながらそれまで受注枠が残っているとは考えにくく、おそらくは一瞬で完売してしまうものと思われます。
このWRX S4 STI Sport #はWRX S4 STI Sportをベースにした”STIによるコンプリートカー”であり、価格はWRX S4 STI Sportの4,169,000円に比較して4,741,000円に設定されているものの、その装備を見ると「割安」と言えるほど。
ここでその内容を見てみましょう。
現在購入できる「WRX」ではもっともパフォーマンスの高いモデル
スバルはWRXについて「STI」と「S4」というラインアップを持っていますが、STIのほうは搭載されるエンジン「EJ20」の生産終了にあわせて現在は車両そのものが販売終了。
よって現在購入できるWRXは「S4」のみとなり、両者の相違について、S4だと「トランスミッションがCVTのみ」「エンジンが(レヴォーグと同じ)直噴型のFA20」ということ。
なお、出力はWRX STIが308馬力、WRX S4が300馬力。
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WRX S4 STI Sport #は「引き締まった」エクステリアが特徴
今回のWRX S4 STI Sport #は、上述の通りSTIによるコンプリートカーかつ限定モデルで、スバルいわく「コンプリートカーだからこそ踏み込める領域へと昇華させることができた」。
特別装備として、外観だとダークグレーシリカ塗装のフロントグリル、グロスブラック塗装のSTI製大型フロントアンダースポイラー、やはりブラック塗装の18インチアルミホイールが挙げられます。
ボディカラーには特別仕様色となるセラミックホワイト、そしてアイスシルバーメタリック、クリスタルブラックシリカ、WRブルーパールの合計4色が用意されていますが、ブラックパーツの採用によって通常のWRX S4とは大きく異る雰囲気を持っています。
WRX S4 STI Sport #は走りの「質」を徹底追及
もちろんパフォーマンスの追求にも抜かりはなく、ボディ剛性向上を狙い、STI製フレキシブルタワーバーフロント、STI製フレキシブルドロースティフナーフロント、STI製低背圧パフォーマンスマフラー&エキゾーストパイプ、STI製低圧損エアクリーナーエレメント、CVTオイルクーラーに加え、国内初装備となる「STI製フレキシブルドロースティフナーリヤ&ガードバー」が与えられています。
出力向上についてはアナウンスされていないものの、給排気系の変更で「加速中のエンジントルクが10%向上した」と紹介されており、実用域での体感加速が鋭くなっているものと思われます。
ただ、装備内容を見ても分かる通り、手が加えられたのは主にボディ剛性に関わる部分であり、これによって操縦安定性や応答性、コントロール性向上を狙ったのは間違いなさそう。
WRX S4はもともと(トランスミッションがCVTということもあり、WRX STIに比して)上質なパフォーマンスセダンを標榜していますが、さらにその性格を強めたとも考えられ、実際のところ、制振や吸音を強化することでノイズやバイブレーションの低減も行われ(前席で-0.6dB)、快適性すらもアップさせるた、とされています。
WRX S4 STI Sport #のインテリアは「大人のスポーツ」
WRX S4 STI Sport #のインテリアカラーはブラックのみで、本革とウルトラスェードがメインに使用され、ステッチは(チェリーレッドではなく)シルバー。
こういったところにも「落ち着き」が演出されているように思われ、スバルはWRX S4 STI Sport #につき、WRX STIに設定された限定モデルとは異なる(S4の性格を伸長させるような)方向性でチューニングを行っているということがわかります。
特別装備の内容としては以下の通り。
・RECAROフロントシート(ウルトラスエード/本革、ブラック、シルバーステッチ+STIロゴ入り) ・ウルトラスエード巻ステアリングホイール(シルバーステッチ、STIロゴ入りハイグロスブラックベゼル) ・本革巻シフトレバー(シルバーステッチ、高触感革+ハイグロスブラック加飾パネル) |
もともと、ベース車となるWRX STI Sportは「動的質感」「静的質感」を高めたクルマではありますが、WRX S4 STI Sport ♯開発担当者である高津益夫氏によれば、”これまでとは違うSTIの新しいコンプリートカー”であり、”あくまでもSTI Sportの延長線上にある走り”を追求した、としています。
つまり、サーキットでコンマ一秒を削るような方向性とは異なり、”フレキシブルパーツ”を使用することで、むやみに足回りを固めることなく、クルマ全体に伝わる力の流れをスムーズにした、とのこと(このあたりはニュルブルクリンクでの開発経験が生きているらしい)。
全体的に「ドライブフィール」を重視したチューニングだと言えそうですが、快適性も残っておらず、むしろ「より快適に」進化させたのは面白いところ。
スバルとしては、「人生にスポーツマインドを持ち続けている人」に乗って欲しい、としています。
VIA:SUBARU