
| この六連星」を外してほしいと訴えるオーナーも少なくないとは聞いているが |
スバルは実に「語るべき歴史」が多い自動車メーカーである
さて、スバル車のフロントに燦然と輝くのが6連星(むつらぼし)。
この六連星は単なるデザインではなく、1953年の企業合併や日本文化と深い関わりを持つ象徴で、さらにここではSTIバッジに隠された「桜色」の由来、WRブルーの変遷についても見てみたいと思います。
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六連星に込められたスバルの原点
スバルのロゴは、グラフィックデザイナーが「かっこよさ」だけを狙って描いたものではなく、実はブランドの誕生と歩みを象徴するビジュアルガイドとなっています。
まず「スバル」という社名自体が日本語で「統べる(ひとつにまとめる)」という意味を持っていて、これがロゴの第1のヒント。
1953年、5つの会社が合併して「富士重工業(現スバル株式会社)」が誕生したのですが、その自動車部門としてスタートしたのがスバルであり、この合併がロゴに描かれた5つの小さな星として表現されています。
そしてひときわ大きく輝く星は、スバルそのものを表している、というわけですね。
プレアデス星団「六連星」との結びつき
このモチーフは、古来から「昴(すばる)」と呼ばれるプレアデス星団(日本語では六連星、英語ではSeven Sisters)をモデルにしていますが、さらに星々はよく見ると“S”の字を描いており(ただしわかりにくい)、ブランド名「Subaru」ともリンクしています。
- 七つ星のうち肉眼で見えるのは6つ → ロゴでも6つを採用
- 「統べる」という社名の意味と星団の名称が重なる
スバルのエンブレムにて色が象徴するもの
加えて、プレアデス星団は季節や成長の象徴とされていて、スバルが掲げる「常に進化し続ける姿勢」とも重なりますが、こうやって見ると「5つの会社」「ひとつの会社としてのスバル」「プレアデス星団」「肉眼で見える7つのうちの6つ」といった様々な意味を持つ”奥深い”」エンブレムがこの6連星ということになりますね。
なお、エンブレムに用いられるカラーが意味するのは以下の通り。
- ブルー:信頼性、安心感、そしてスバルのこだわる堅牢性
- シルバー:品質、先進技術、精密さ
STIバッジと「桜色」の秘密
スバルのモータースポーツ部門 「スバル・テクニカ・インターナショナル(STI)」 では、通常のスバルエンブレムに用いられる「ブルー×シルバー」ではなく、鮮やかな桜色を使ったバッジを採用してきたという歴史も。
この色は 「チェリーブロッサム・レッド(桜色)」 と呼ばれ、日本文化の象徴である桜から着想を得ていますが、一方、米国など海外生産モデルは従来の「ブルー×シルバー」ロゴが用いられたため、この桜色バッジはマニアの間で特別な存在となっているのだそう。
Image:SUBARU
なお、この「チェリーブロッサム」のカラーは年々「濃く」なっていて、その理由は「STIモデルの幅が広がり、より上質で高級なモデルにもSTIバッジが取り付けられるようになったから」だそうで、つまりは「よりシックな」色合いに移り変わっているということに。
- 初代インプレッサWRX STIなどで採用
- ロゴに描かれる「i」はインプレッサを示すものとされる
- 同時期、JDM(日本国内)仕様のフォレスターには「F」バッジも存在
- いずれも日本市場専用のレアアイテム
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スバルの「WRブルー」とは
そして忘れてはならないのが「WRブルー」。
スバルがラリーへと参戦する際に用いられてきた象徴的なブルーを指しているのですが、このカラーについてもスバルの歴史とともに変化しており、まずは2014年に従来型SUBARU WRXが登場した際、それまでのWRブルー・マイカからWRブルー・パールへと色味を変更(ちょっと濃くなっている)。
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もともとWRブルー・マイカは(2008年まで参戦していた)WRCで”映える”色ということで開発された背景を持っており、この色は「1台づつ走るラリー競技において、雪や砂、石畳など様々なステージで目立つ」ことを目的に調合されています。
なお、WRブルー・パールはWRブルー・マイカよりも濃い調合となっているのですが、その理由は「WRC撤退の後の活躍の舞台となった」SUPER GTやニュルブルクリンク24時間レースなど「アスファルトの上で」「しかも他のクルマに混じって」戦うことを考慮し、それまでのWRブルー・マイカに比較すると赤みが入ることで「その戦場でより映えるように」調整されているわけですね。
つまりスバルのブルーは「活躍の場にあわせて」進化しているということになり、こういった「こだわり」が多くのファンを惹きつけてやまない理由なのだと思われます。
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まとめ
- スバルの六連星は、1953年の5社合併を象徴
- モチーフはプレアデス星団「昴」=スバル
- 青と銀は信頼性と技術力を表現
- STIには「桜色」バッジが存在し、日本文化との結びつきも強い
- WRブルーは戦いの場に合わせて進化
ロゴひとつとっても、スバルはそのブランドの歴史と哲学を余すことなく表現していることがわかりますね。
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参照:Jalopnik, SUBARU