| 動画中ではGRスープラが縦横無尽にドリフト走行 |
トヨタはCM作成については相当に苦労しているようだ
さて、トヨタがまたまた放送禁止になりそうなCMを作成。
ただし今回はTVコマーシャルではなくオンラインコンテンツ専用に作成されたものなので、TVCMよりはずいぶん”思い切った”内容となっているようです。
なお、直近にはオーストラリアのトヨタ法人が作成したGRヤリスのCMが放送禁止となったことがありますね。
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【動画】どこが問題なのかわからん!豪州にてGRヤリスのコマーシャルが「危険運転を助長する」として放送禁止に
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この動画は放送禁止へのトヨタの抗議?
今回の動画はトヨタのアメリカ法人によって製作されたものですが、見ようによっては「行き過ぎた規制やコンプライアンス、そしてそれを守ろうとする保守的な広告代理店」に対する皮肉だとも受け止めることができるないようとなっています。
まず、動画ではトヨタ・ガズー・レーシングの男女スタッフが登場。
広告代理店側の男女と、GRスープラのプロモーションについて話し合っているようです。
トヨタ・ガズー・レーシング側は次々と過激な企画を提案し、たとえば高速道路のカーチェイスや・・・。
市街地での、タイヤをバーンアウトさせてのドラッグレースも。
ただ、これに対して広告代理店は「VSC(ビークルスタビリティコントロール)をONにして、タイヤを空転させて煙も出してはいけない」と注意を促します。
これぞまさに現代の「なにをやっても文句を言われる」広告ビジネスの現状を示していると言えるかもしれません。
そのほか、GRスープラのレーシングカーにて都市部を逆走するストリートレースなど。
ただ、広告代理店側は様々な「大人の事情」を考慮し、もっと地味なものにしては?と提案します。
加えて「なぜ逆走する”必要”が?」とその理由にもこだわっているようですね。
参考までに、一部の広告代理店は(日本でも)面白さに理由をつけないと企画が通らないことがあるといい、ソフトバンクの「犬のお父さん」についても、「お父さんが犬である理由とは何か」という説明を求められたものの、孫正義氏がその企画を見たところ、理由も聞かずに「面白いからいいじゃない」として一発OKが出たという話も聞いたことがあります。
つまり面白さは理屈ではないということですね。
そしてほかには「トランク容量の大きさをアピールする」ために、「女性がレーシングスーツを着てGRスープラに乗り、買い物に行く」という企画も登場。
トヨタ・ガズー・レーシング側はさらに悪ノリし、「GRスープラで超快速宅配ピザを行なうのはどうだ?そうだそうだ、それがいい」とも主張。
そしてその案も動画中では実際に再現され、ドリフトにて住宅地を駆け抜けてピザを配達。
スピンターンにてお届け先の家の軒先にピタリ。
そしてにこやかに配達するも・・・。
想像の通り「ピザが偏って」しまい、あれれ・・・。というオチ。
そのほかにもトヨタ・ガズー・レーシングからは「2000年代にネットで流行ったように、夕日を背景にクルマをジャンプさせては?」というマニアックな提案も。
そして動画の最後には「バイ・エンスージアスト・フォー・エンスージアスト」というテロップが流れ、トヨタの「やりにくくなった時代の中で、なんとか情熱を保ちたい」という意気込みが伝わってくる内容に。
これまでにもトヨタはなかなかに面白い動画を作成していますが、今回の「The Pitch」はそれらの中でも珠玉の出来だと思います。
トヨタ・ガズー・レーシングのスタッフがオタクぶりを発揮する動画はこちら
参照:Toyota USA