| トヨタはなんとかGRの名を北米にて押し上げたく、そのためにはカムリをGRモデルへと仕立て上げるのが手っ取り早そう |
ただし北米における「TRD」とのバランスはうまく取る必要がありそうだ
さて、トヨタは現在スポーツモデルのラインアップとして「GR」を強化しており、GRスープラ、GR86、GRヤリス、そしてGRカローラを投入していますが、さらに「セダン」をここに追加するもよう。
たしかにこれまでにも「カローラセダンにGRを設定する」というウワサがあったものの、すでにハッチバック版のカローラにGRが設定されていて、今後GRが「幅広い顧客を獲得する」ということを目的としていると考えた場合、ここに(GRカローラと被るところがある)カローラセダンが追加される可能性は低いのかもしれません。
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最有力候補は「カムリ」か
なお、この「GRにセダンを追加」というウワサについて、モータートレンド誌が北米トヨタの販売担当副社長ボブ・カーター氏に対して行ったインタビューに端を発しており、そこで”GRセダン”の可能性について問われた同氏が「stay tuned」と答えたもよう。
ちなみにトヨタは「カムリTRD」を設定済みとなっていますが、すでにここスポーティーなチューンのノウハウがある程度確立されていること、北米ではカムリをもってモータースポーツ(NASCAR)に参戦戦しているため「GR」とのイメージ的相性が良いこと、そしてなによりカムリはトヨタにとって「最も売れている」セダンであることからも「GRカムリ」を投入するにあたって十分な動機があると考えられます。
なぜ「TRD」カムリ?
ちなみにトヨタは「GR」ブランドについていくつかのヒエラルキーを設定しており、トップレンジは「GRMN」、その下にモータースポーツ直系の「GR」、さらにその下に「モータースポーツのエッセンスを視覚的に表現した」GR Sport。※この意味でもGRとカムリとはマッチングがいい
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カムリTRDは日本でいうGR Sportのような位置づけですが、なぜこのカムリがGR SportでなくTRDなのかは一考の余地があるところで、それは日本と北米でのTRDのポジションが全く違うことから理解する必要があるかと思います。
もともと日本と北米とのTRD(トヨタ・レーシング・デペロップメント)は異なる組織ではあったものの、ともにモータースポーツ活動を担う組織であり、しかし日本だと組織改正によってGR(Gazoo Racing)が正式にトヨタのモータースポーツ活動を引き受けることとなったため、TRDはモデリスタ等と一緒になって新会社に併合され、今では「アクセサリーブランド」といったポジションへと追いやられています。※豊田章男社長が、自身がスタートさせたGazoo Racingをひとつのブランドにしたかったからだと思われる
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一方北米だと、今でもレーシングカーの開発はTRDが担当しており、むしろGRの知名度があまり高くなく、そしてトヨタとしては「北米でGRの名を知らしめる」ためにカムリを活用するというのは非常に理にかなっているとも考えられますね(それによって、世界規模でGR=トヨタのレーシングブランドという認識を高めたいはずだと思われる)。
なお、ラリー人気の高い欧州だと「GRヤリス」がその役割を果たしているものの、GRヤリスは北米では販売されておらず、その観点からも、アメリカのトヨタディーラーとしては「アメリカのモータースポーツとの関連性が高いGRモデル」を欲している可能性が高そうです。
トヨタ・カムリTRDはこんなクルマ
そこでカムリTRDをちょっとおさらいしてみたいと思いますが、これは「カムリ史上もっともアグレッシブな仕様」を持つことでその名を知られ、搭載されるエンジンこそ3.5リッターV6(350PS)と標準モデルと変わらないものの、フロントスプリッター、サイドスカート、リアディフューザー、リアウイングといったボディキットを装着し、キャタバックエキゾーストシステム、アンダーボディブレース、容量アップされたフロントブレーキ、さらには専用にチューニングされたショックアブソーバーとハードなコイルスプリングを持つスポーツチューンサスペンション(車高が15mmダウン)といった専用装備を持つクルマ。
もちろん「GRカムリ」が登場するとなれば、これに加えてGRの名にふさわしい改装が加えられることになり、ワイドボディキットの装着やパワーアップ、さらにはもっと固められた足回りなどが投入されることになりそうですね。
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参照:MotorTrend