| ここまでの値上がりはだれも予想できなかった |
ここ最近クラシック・マスタングの価格上昇は止まるところを知らず、昨年1月にはフォード・シェルビーGT500スーパースネークがが約2億5000万円で落札されて「マスタング史上最高額」を記録。
さらにその直後には1968年製、そして映画「ブリット」に登場したマスタングが3億7000万円という価格で落札となり記録を更新しています。
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1967年製、ワンオフの「シェルビーGT500スーパースネーク」が2.5億で落札。マスタングの最高価格を更新
フォードはこのマスタングを10台限定で生産する計画を発表済み 1967年にキャロル・シェルビーがワンオフにて製作した「フォード・シェルビーGT500スーパースネーク」がオークションにかけられ、2億50 ...
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世界で最も価値のあるマスタングではあるが
そして今回は1965年製シェルビーGT350Rが約4億2000万円という価格で落札されることとなっていますが、このシェルビーGT350は(フォードVSフェラーリで名を知られることとなった)ケン・マイルズが実際にドライブした車両で、さらにシェルビーではじめて「R」が与えられたそのクルマでもあり、はじめてレースで勝ったシェルビー・マスタングなのだそう(当時、ベースとなったマスタングの価格はわずか43万円だったという)。
そういった付加価値が並ぶと「この価格もやむなし」と思えるものの、それにしても驚くべき価格でもありますね。
そしてこのシェルビーGT350R(コードネーム5R002)は当時「フライング・マスタング」というニックネームで呼ばれてシェルビー・アメリカン・ファクトリーに保管されており、2台目のレーシングカー(コードネーム5R001)、さらには34台のカスタマーレーシングカーを制作するための参考にされた、と報じられています。※しかしながら、なぜかこのシェルビーGT350Rと同じスペックを持つクルマは作られなかったという
そしてこのシェルビーGT350Rをドライブしたのはケン・マイルズのほかボブ・ボンデュラン、チャック・カントウェル、ピーター・ブロック、ジェリー・タイタスといった錚々たるメンバーであり、こういった事実もまた、このクルマの価値を押し上げているのでしょうね。
レーシングカーの開発に使用した後、このシェルビーGT350Rはフォード・パフォーマンスのエンジニアに売却されて2年ほどレースに使用され、その後も数人のオーナーの手を経ながら様々なレースにて活躍した模様。
その後はコロラド州ボウルダーにあるシェルビー・アメリカン博物館へ14年間展示され、2010年にはシェルビーのコレクターであるジョン・アッツバッハ氏へと販売され、「何千時間も」かけてレストアが行われた、とされています。
やはり高騰は映画「フォードVSフェラーリ」の影響?
とにかくアメリカ人のマスタング好きは以上としかいいようがありませんが、今回のシェルビーGT350Rの高騰にはやはり映画「フォードVSフェラーリ」の影響を否定できないのかも。
ちなみに「フォードVSフェラーリ」繋がりだと、実際に舞台となった「1966年のル・マン24時間レース」にて3位に入賞したフォードGT40がオークションに出品されたことがあり、これはおそらく「史上もっとも高価なフォード車。
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そのほかにもル・マンに出走したGT40が直近の競売に登場するとも発表されており、こちらの相場も「うなぎ上り」。
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こういった状況を鑑みるに、今回のシェルビーGT350Rも、数年後には今回の4億2000万円を大きく上回る機会で販売されることになるのかもしれませんね。