| 当然ながら同年式の「普通に走る」カウンタックよりも高額にて落札されており、ひとつの芸術作品だと認識されたと考えていい |
撮影に使用された2台のカウンタックのうち「もう一台」は12月の競売に登場予定
さて、先日は映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で使用された2台のランボルギーニ・カウンタックのうちの「破壊された」1台がボナムズ主催のオークションへと出品されるということで大きな話題を呼びましたが、アブダビGPの開催に合わせて競売が開催され、最終的には135万ドル(現在の為替レートにて約2億万円)という高額にて落札されることに。
予想落札価格の「200万ドル」には届かなかったものの、それでも「全く走行できない」カウンタックの価格としては法外だと言っていいかもしれません。※参考までに、ちゃんと走る同年式のカウンタックの相場は70万ドルくらいだとされている
-
ベコベコなのに予想落札価格3.5億円。映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」で使用されたランボルギーニ・カウンタックが当時の姿のまま、はじめて売りに出される
| ある意味では、もっとも価値の高いランボルギーニ・カウンタックなのかもしれない | そして映画史上「もっとも印象的な」カウンタックが登場するシーンに使用された一台でもある さて、先日はマーティン・ス ...
続きを見る
いったいなぜこんなに高額で落札されたのか
上述のとおり、このカウンタックは「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の撮影に使用されたもので、劇中では(アカデミー賞受賞者レオナルド・ディカプリオ演じる)ジョーダン・ベルフォートがドラッグにてトリップした状態にて運転し、自宅に戻る途中であちこちにヒットして損傷してしまった個体です。
監督であるマーチン・スコセッシは「演出」のため、スタッフに命じてさらなる損傷を与えさせたと言われますが、その結果として見るも無惨な姿となっています。
なお、ウルフ・オブ・ウォールストリート自体は2013年に公開されており、撮影がその1~2年前に終了していたと考えると、10年以上もこの姿のまま保管されていたということになりますが、いったいなぜ今になって売りに出されたのかはちょっと謎(そもそも、この状態でずっと保存されていたことも不思議である)。
実際に映画に登場したのはわずか3分ほどのシーンですが、たしかにこの映画のハイライトのひとつであったとも記憶しており、そしてこのシーンのインパクトは多くの人の脳裏に焼き付いていると見え、それが今回の高額落札に結びついたのでしょうね。
もはやこれはクルマではなく芸術作品である
そしてここで留意する必要があるのは、これはランボルギーニ・カウンタックというよりも、巨匠マーチン・スコセッシが生み出した「世界にひとつの芸術作品」であり、もちろん落札者はそこに大金を投じたのだと思われ、その観点からの希少性を考慮するに、今後このカウンタックの価値が下がることはないのかもしれません。
なお、このカウンタックはランボルギーニの創立25周年の際に発売された「カウンタック25thアニバーサリー」で、のちにパガーニを設立するオラチオ・パガーニ氏がそのスタイリングを手掛けたことで知られます。
それまでのカウンタックに比較すると、コンポジット素材を導入したこと、そしてエアロダイナミクスを重視した外観を持つことが特徴となっていますが、搭載されるエンジンは(カウンタック5000QVと同じ)5.2リッターV12、出力は455馬力、0-60マイル加速は4.7秒、最高速は295km/h。
1998年~1999年にかけて658台が生産され、最後の一台はランボルギーニ・ミュージアム(MUDETEC)に保管されていますね。
ちなみに撮影に使用された「もう一台の」壊れていない方のランボルギーニ・カウンタックは12月8日に開催されるオークションにて登場の予定です。
-
映画「ウルフ・オブ・ウォールストリート」の撮影に使用されたカウンタックが競売に。「スコセッシ、ディカプリオ、ランボルギーニ」の相乗効果にて2.8億円の落札予想
| ランボルギーニ・カウンタックはいつでも映画で重要な役割を果たしてきた | この「ビアンコ外装、ビアンコ内装」のカウンタックは全米でも12台しか納車されていない さて、マーティン・スコセッシ監督の映 ...
続きを見る
あわせて読みたい、ランボルギーニ・カウンタック関連投稿
-
ランボルギーニが「失われたと考えられていた」現存する最古のカウンタックを展示。隣に並ぶのは日本人エンスージアストが所有する「レストア中のエスパーダ」
| 過去のランボルギーニには色々な「逸話」があって面白い | おそらくはこれからも驚きの発見が出てくることだろう さて、ランボルギーニが今回で40回目を迎えるクラシックカーショー、オート・エ・モト・デ ...
続きを見る
-
ロッド・スチュワートが所有していたランボルギーニ・カウンタックLP400が競売に!豪州ツアー中に購入し2002年まで所有、予想落札価格は最高で1.4億円
| 一度はワイドボディ、さらにオープンに改造されるも現在は「新車時の姿」に | このカウンタックLP400ペリスコピオの持つ歴史的価値は非常に高い さて、フェラーリ好きの著名人はさほど珍しくはありませ ...
続きを見る
-
ランボルギーニ・カウンタック「LP5S」?希少な500Sの初期モデルが「20年間倉庫に眠っていた」ところを発見される。クワイエット・ライオットのメンバーが35年間所有していた個体
| 現在のコンディション詳細はわからないものの、レストアベースとしてはこれ以上の個体はないかもしれない | カウンタックLP500S/5000S初期生産5台のうちの1台、ジュネーブ・モーターショーにも ...
続きを見る
参照:ESPN F1