| 中国の自動車業界はあまりにその成り立ちや変遷が複雑すぎる |
どうやら「ジープに似ている」のもちゃんとした理由がありそうだ
さて、ずいぶんオリジナリティが出てきたものの、まだまだパクリというかコピーの多い中国の自動車メーカー。
今回はBAW(北京汽車製造公司)の次期オフロード車、BJ212のスケッチと詳細が公開されており、これは1960年代後半から生産されている北京BJ212の後継モデルなのだそう(後継モデルであるが名称は同じなので、フルモデルチェンジ版と捉えたほうが良さそう)。
これを見るに、ジープ・ラングラーとトヨタ・FJクルーザーを合体させたようなルックスを持っていて、ハードトップ(硬頂)、ソフトトップ(軟頂)、ピックアップ(皮卡)がラインアップされていますが、ハードトップだと全長4,325ミリ、全幅1,830ミリ、全高は1,910mmというサイズを持っています。
ちなみにこちらが初代BJ212。
車体サイズに比較して重量は軽く、最高速度は130km/h
BAW(新型)BJ212の外観は、LEDデイタイムランニングライトを組み込んだシンプルな丸型ヘッドライトが大きな特徴ではありますが、やっぱりどう見てもジープとFJクルーザーとのマッシュアップのようにも見え、「本当にこれを作る気なのか・・・」という印象。
タイヤはかなり大きく、最低地上高がかなり高く見えるものの、生産時には常識的なサイズへと改められることになりそうです。
搭載されるエンジンは2リッター自然吸気、2リッターターボ、2.4リッターターボの3種類で、馬力やトルクの数値は不明ではあるものの、3モデルともトランスミッションにつき5速MTと8速ATのいずれかを選択でき、車体重量は1,550kgから1,650kg(かなり軽い)、最高速度は時速130キロ。
デリバリーは2023年12月、ピックアップトラックのみ2024年7月を予定しているようですね。
BAWはこんな会社
なお、このBAWはBAIC(北京汽車工業公司)のグループ傘下にあったそうですが、現在は独立して別会社になっている、とのこと。
ただ、北京汽車もメルセデス・ベンツGクラスやジープ・ラングラーのコピーっぽいクルマを作っており、よってBAWの「コピー癖」はBAIC時代から健在であったのかもしれません。
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参考までに、CarNewsChinaによると、中国のモータリゼーションは人民解放軍と密接に結びついており、最初はドイツのバイクやクルマ(当時はビートル)のコピーを作る国営企業から始まった、とのこと。
ただ、1960年代に入っても思うようにクルマを作ることができず、政府の方針によって第一汽車は高級官僚向けの「紅旗」ブランドの展開を行い、北京汽車は軍用車両の製造、上海汽車は中間管理職向けの普及型セダンを作るようにという指示がなされたようですね。
そしてBAWは北京汽車傘下ではあったものの、中国の自動車ブランドとしてははじめて外国の自動車ブランドと提携に成功したとされ、1983年にはAMC(アメリカン・モーターズ・コーポレーション・当時ジープブランドを所有していた)との共同にて北京ジープ有限公司を設立しており、よって「ジープに似ている」というのは「他人の空似」ではないようです。※ただし提携前からジープっぽいクルマも作っている
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参照:CarNewsChina