
| 高性能・高機能EVは中国勢の独壇場である |
この記事のポイント
- BYDがトップ3独占:1,000km超えを達成したのはBYD傘下の高級ブランドのみ
- 首位は「Denza Z9」:122.5kWhの巨大バッテリーを搭載し、驚異の1,068kmをマーク
- テスラ・シャオミとの差:航続距離の差は「バッテリー容量の規模」が最大の要因に
- 中国独自のCLTC基準:街乗り中心の測定サイクルによってEVの長所が最大限に引き出された統計結果
「航続距離1,000km」はもはや夢ではない
これまで「1,000km走るEV」は、一部のプロトタイプやコンセプトカーの話だと思われてきましたが、2026年の最新データによると、BYDがこれを市販レベルで現実のものとしたことが明らかに。
Image:Denza
中国の最新EV航続距離ランキングにおいて、1,000kmの大台を超えたEVは3車種にのぼり、しかもそのすべてがBYDの技術を結集したプレミアムモデルとなっています。
テスラやシャオミなどの強力なライバルが900km以下の層に集中する中、BYDだけが「別次元」のステージへと足を踏み入れており、ここで「上位ランカー」の顔ぶれを見てみましょう。
中国EV航続距離(CLTC)ランキング:BYDの圧倒的スペック
最新の調査結果から作成した「航続距離」上位モデルの一覧は以下のとおりですが、注意を要するのは「CLTC」つまり中国国内の表記にて集計していること。
このCLTCは一般に「甘め」の数字が出ると言われており、WLTCではもう少し低めの数字になるものと思われます。
中国EV 航続距離TOP10比較表(CLTC基準)
| 順位 | ブランド・モデル | バッテリー容量 (kWh) | 航続距離 (km) | 電費 (kWh/100km) |
| 1位 | Denza Z9 EV | 122.5 | 1,068 | 11.47 |
| 2位 | Denza Z9 GT EV | 122.5 | 1,036 | 11.82 |
| 3位 | Yangwang U7 EV | 150.0 | 1,006 | 14.91 |
| 4位 | Xiaomi SU7 | 96.3 | 902 | 10.68 |
| 5位 | Zeekr 007 | 100.0 | 870 | 11.50 |
| 6位 | Mercedes-Benz CLA EV | 89.0 | 866 | 10.28 |
| 7位 | Luxeed S7 | 100 | 855 | 11.70 |
| 8位 | 紅旗 Tiangong 05 | 98 | 850 | 11.53 |
| 9位 | Mercedes-Benz EQS | 122.0 | 840 | 14.52 |
| 10位 | Tesla Model 3 | 78.4 | 830 | 9.45 |
Image:Zeekr
なぜBYDだけが1,000kmを超えられたのか?
- 圧倒的なバッテリー搭載量:1,000km超えの3車種はいずれも120kWh〜150kWhという超巨大なバッテリーを搭載しており、これは「バッテリーメーカー」のBYDだからこそなしえたものだと思われる(バッテリー調達コストが安価)
- 「電費」と「物量」のバランス:表を見ると、テスラModel 3の電費(9.45)は非常に優秀ではあるが、BYDは電費を維持しつつ「バッテリーを大量に積む」ことで航続距離を稼いでいる
- セグメントの選定:この超長距離性能は、車体が大きくコスト許容度が高い「高級セダン・GT」クラスに優先投入されており、まさにフラッグシップとしての象徴となっている
-
-
中国のEV/PHEV専業メーカー、BYDの成長が止まらない!自社でバッテリーの生産を行うことからEVの量産ができ利益も高く、生産台数ではすでにテスラを抜いたもよう
| 現在の状況では「バッテリーを持つものが」もっとも強いようだ | さすがはウォーレン・バフェットが投資を行うだけのことはある さて、中国のBYD(比亜迪股份有限公司)の躍進ぶりが恐ろしいと話題に。こ ...
続きを見る
関連知識:中国の測定基準「CLTC」とは?
今回のランキングで使われている「CLTC(China Light-Duty Vehicle Test Cycle)」は、上述の通り中国独自の測定基準です。
- 日本のWLTCとの違い:WLTCよりも低速走行や停車(信号待ち)の時間が長く設定されている
- EVに有利な理由:電気自動車は低速走行時の効率が良く、停車中の電力消費も少ないため、CLTCでは航続距離が長めに出る傾向がある(日本の基準に換算すると、概ね7〜8割程度の距離になると予測されている)。
それでも、同じ条件下でBYDはテスラやメルセデス・ベンツを200km以上引き離していることは紛れもない事実であり、BYDのシステム統合能力の高さを示していることに変わりはありません。
結論:EVの「航続距離不安」は過去のものへ
BYDが示した1,000kmという数字は、単なるスペック競争以上の意味を持ち、それは「EVは長距離に弱い」という最後にして最大のネガティブイメージを”物量と技術でねじ伏せた”歴史的な瞬間だから。
もちろん、120kWhを超えるバッテリーは重量やコストの課題を抱えていますが、トップエンドのモデルがこの基準を達成したことによって、数年後には大衆車クラスでも「実用航続距離600km〜700km」が当たり前になる未来が見えており、EVの進化は「ぼくらの想定を超え」着々と進んでいるようですね。
Image:Zeekr
合わせて読みたい、関連投稿
-
-
ポルシェ911の「電動」ライバル登場?BYDのプレミアムブランド、デンツァから”Denza Z”登場、最新テクノロジーをもって伝統に挑む
Image:Denza(BYD) | 今でこそ「格下」に見られる中国車ではあるが、そのうち無視できない存在となるのかも | 「自動車業界の常識」を持たないのが中国の自動車メーカーだけに、その「発想」が ...
続きを見る
-
-
中国Zeekr(ジーカー)よりロールスロイス・カリナン級のラグジュアリーSUV「9X」発表。ただしお値段はカリナンの約1/4、現地富裕層に刺さりそう
Image:Zeekr | ブランドバリューを考慮しなければ、現在の中国車は「かなり魅力的」な存在である | ジーカーは日本進出直前、その展開に注目が集まる 中国のジーリー(吉利汽車)傘下のプレミアム ...
続きを見る
-
-
「真似されるのは王者の証」BYD幹部が放った衝撃の宣言:「我々が革新を止めれば、自動車業界におけるコピー対象がなくなる」
| たしかにBYDは「独自性」を追求する、中国では珍しい自動車メーカーではあるが | 【この記事の要約】 BYD幹部の李雲飛氏が「他社がBYDを模倣するのは、業界の健全な競争の結果」と余裕のコメント ...
続きを見る
参照:CarNewsChina
















