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かつてテスラ最大のライバルと見られていた中国のEVメーカー「シャオペン」。直近では販売が40%減少するも最新EV「G6」が爆発的にヒットし業績がV字回復

2023/07/20

かつてテスラ最大のライバルと見られていた中国のEVメーカー「シャオペン」。直近では販売が40%減少するも最新EV「G6」が爆発的にヒットし業績がV字回復

| シャオペンのクルマは「発売当初」の人気が長続きしないことが問題である |

それを抜きにしても、米国の自動車メーカーとは異なり「実際に需要を満たすだけのEVを生産できる」のは驚くべきことではある

さて、中国の新興電気自動車メーカー、シャオペン(Xpeng)が発売した新型EV、G6が大人気との報道。

シャオペンはNIOと並んで「テスラのライバル」として祭り上げられたことがあるものの、今年に関してはあまりいいスタートを切ったとは言えず、2023年上半期の販売台数は前年比にて39.8%激減し、売上高は45.9%減少、逆に純損失は37.6%増加したと報じられています。

これはひとえに(昨年末に行われた)テスラの値下げに起因して販売を落とすことになったのだと考えてよく、BYD以外の中国の自動車メーカーはこの状況にうまく対応できなかったのだとも考えられます。

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シャオペンはG6の価格をテスラ・モデルYよりも20%下回るポジションに設定

ただ、上述の通り、シャオペンでは直近で発売したG6の人気が非常に高いといい、正確な台数は明かされていないものの、シャオペンによれば「かなりの数字」。

実際のところ、今年始めに行われたプレ受注会では「72時間で約25,000台もの」受注を獲得したとも報じられているので、たしかに現時点ではシャオペンの言うとおり相当な数にまで受注が膨らんでいる可能性も。

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このシャオペンG6はテスラ・モデルYと真っ向からぶつかるモデルということになりますが、その価格は価格は20万9900元(現在の為替レートにて約406万円)から27万6900元(536万円)に設定されており、これは同等の機能を持つテスラ・モデルYに比較すると約20%安価だとされるので、価格的訴求力は非常に高いと考えていいのかも。

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加えてそのルックスは悪くなく、EVらしいスマートさ、そして未来っぽさも備えており、中国の自動車メーカーだけあって中国の嗜好をしっかり抑えているようにも見えますね。

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シャオペンは今年後半のV字回復を見込む

そしてシャオペンのブライアン・グー社長は現地メディアに対し、第3四半期にはシャオペンの月間販売台数を(直近の)5月と6月のほぼ2倍となる1万5000台にまで伸ばすことができると自信を見せ、さらに最終四半期には2万台まで増加させることができるはずだともコメントしています(中国の自動車メーカーの恐ろしいところは、受注分をちゃんと生産できるところである)。

ちなみにですが、シャオペンのクルマは「発売直後」は相当な人気となるものの、1年もすればその人気が落ち着いて販売が大きくスローダウンすることがあり、よって今後シャオペンが成長できるかどうかはG6の人気が持続するかどうかにかかっているといっても過言ではないのかも。

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ただ、G6についてはテスラのフルセルフドライビング・スイートと同様の機能を含む先進運転支援システムを大々的にアピールしており、この自動運転機能はオプションではあるものの、シャオペンによれば「このクラスでは最も先進的な自動運転」。

中国の消費者が自動運転を好むかどうかはわかりませんが、もしこれが「市場が求めるもの」だとすると、シャオペンG6の販売は今後も伸び続けるのかもしれません。

参考までに、シャオペンは今年最初の5ヶ月間でわずか32,815台しか納車できておらず、この数字はテスラが同期間に中国で販売した219,893台に大きく及ばないものであり、シャオペンとしては「なんとしても」販売を回復させねばならない状況にあるのでしょうね。

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