
Image:KIA
| たしかに「白黒グレー」が北米市場の新車販売では74%を占めているが |
2026年スポルテッジ「カラー問題」の要約
- 無彩色の圧倒的支配: 全設定色のうち、グレー、白、黒だけで「11種類」ものバリエーションを展開
- 有彩色の少なさ: 一般的なグレードで選べる「色」は、実質的にブルーとレッドの2色のみ
- エントリーモデルの悲劇: ベースグレード(LX/EX等)では、有彩色が選択肢から排除されているケースも
- 市場の現実: 新車購入者の約80%が無彩色を選ぶというデータに基づいた、極めて合理的な(しかし退屈な)戦略
なぜこれほど「グレー」が必要なのか?全11色のグレースケールリスト
先日、「北米市場ではじつに新車の74%がブラック、グレー、ホワイトで占められる」という統計結果をお伝えしましたが、今回発売されたキアの新型スポルテッジのボディカラーが「まさにそのとおり」だとして話題に。
具体的には「ボディカラー15パターンのうち、11パターン(73.3%)がブラック、グレー、ホワイト」となっており、文字通りこれは「新車市場の今」を表しています。
【白・黒・銀・灰】全11色の内訳
「グレーなんてどれも同じ」と思うかもしれませんが、Kiaは2026年モデルで驚くほど細分化された無彩色を用意しており、その内訳は以下の通り。
ちなみにこの記事に使用している画像は「どれも違う色」なのですが、実際には「どれも同じ色」に見え、つまるところ「それくらい微妙な違いのボディカラーを用意している」ということに。
- スノーホワイトパール(Snow White Pearl)
- グラシアルホワイトパール(Glacial White Pearl)
- スティールグレー(Steel Gray)
- グラビティグレー(Gravity Gray)
- パンテラメタル(Panthera Metal)
- ウルフグレー(Wolf Gray)
- シャドーマットグレー(Shadow Matte Gray)※ハイブリッド/PHEV等
- フュージョンブラック(Fusion Black)
- エボニーブラック(Ebony Black)
- グラシアルホワイトパール / ブラックルーフ(2トーン)
- ウルフグレー / ブラックルーフ(2トーン)
これに加え、一部市場やグレードではさらに細かなシルバー系のバリエーションが存在します。
消えゆく「鮮やかな車」たち
Kiaの2026年ラインナップ(スポーテージ、ソレント、テルライド等)を見ると、かつてあったような鮮やかなオレンジやイエローは姿を消し、代わりに「アースカラー」や「暗い青」といった、一見するとグレーに近い色が採用されており、「無彩色に近い色味への移行」はキア全体に共通する傾向だとも考えられます。
- Nebular Blue(ネブラーブルー): 深みのある落ち着いた青
- Runway Red(ランウェイレッド): 唯一の鮮やかな選択肢
- Jungle Green(ジャングルグリーン): X-Line等の上位グレード限定の土色に近い緑
特にエントリーグレードの「EX」ではボディカラーが5色に制限され、黒・グレーがそのうち4色を占めていて、つまり「ほかのボディカラーを選びたければ高いグレードを買うか、他社へ行くか」という厳しい二択を迫られています。
なぜメーカーは「無難な色」ばかりを作るのか?
そこで「なぜこういった現象が起きるのか」を考えてみると以下の通りで、つまるところ「売れ筋に集約する(コストの節約)」ということになりそうですが、コストのことを考えるならば、「そこまで似たような色を揃えなくてもいいんじゃないか」と思ったり。
| 理由 | 内容 |
| リセールバリュー | 中古車市場で白・黒・グレーは圧倒的に値落ちしにくいため。 |
| 在庫リスクの軽減 | ディーラーにとって、売れ残るリスクが低い無彩色は仕入れやすい。 |
| 生産効率の向上 | 塗料の種類を絞ることで、工場の生産ラインの複雑さを解消できる。 |
| 消費者の保守化 | 2004年に60%だった無彩色シェアは、現在74%にまで上昇している※2024年だと80%オーバー |
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「グレー」はもはや「安全策」ではなく「トレンド」
ただ、もっと(キアがここまでグレーを用意することについて)踏み込んで考えてみるならば、かつてシルバーやグレーは「地味な車」の代名詞であったものの、最近の「ウルフグレー」に代表されるような、メタリック感のない「ソリッド調のグレー」は、若者の間で「都会的でクール」な最先端カラーとして受け入れられているという事実につき、キアが11色ものグレースケールを用意するのは単なる手抜きではなく、「グレーの中でのこだわり」を求める層に応えた結果(消極的な理由ではなく積極的な理由)なのかもしれません。
そう考えるならば、この「白黒グレーばかり」のラインアップにもキアの真意が見え隠れし、「奥が深い」戦略が隠されていることもわかりますね。
The right color can make an SUV look like it already knows where it’s going. #KiaTelluride Hybrid pic.twitter.com/zeyGNAffVk
— Kia America (@Kia) December 10, 2025
参考までに、この「白黒グレー」ブームは2024年がピークだったと見え、統計上これらが「新車市場の80%」を占めており、しかし2025年だとこの状況が少し代わって「74%」に。
そしてこの「減った分」は有彩色へと流れている(特にブルー)と言われていて、実際のところキアはブルーを取り入れており(エントリーグレードではブルーが唯一の有彩色である)、ここを見ても「キアは流行に敏感」な自動車メーカーであるとも考えられます。
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