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【動画】ケーニグセグはもともとスバル製F1用エンジンにあわせて設計されていた!スバルがF1参戦していたという事実、そしてなぜその後採用されなかったのか

2019/06/29

| ケーニグセグは実際にスバル製の水平対向12気筒F1エンジンの使用権を購入していた |

ケーニグセグは現在自社製のV8ターボエンジンを使用しているものの、創業初期にはフォードのV8エンジンを改造して使用していたことも。

今回Drivetribeがケーニグセグに関する動画を公開していますが、その内容は「ケーニグセグはスバルのF1用エンジンを使用する可能性があった」。

え?スバルがF1?という驚きもありますが、ここでその内容を見てみましょう。

当時はバブル真っ盛りだった

スバルがF1用エンジンを製造していたのは1989年から1990年で、これは先日紹介した「ヤマハがエンジンサプライヤーとしてF1参戦していた」のと同じ時期。
つまり日本はそれくらいバブル景気に浮かれていたということで、現在中国から雨後の筍のごとくハイパーカーメーカーがニョキニョキ出てくるのと大差なかったのかもしれません。

そしてスバル用のF1エンジンは排気量3.5リッター水平対向12気筒という構成を持ち、コードネームは「1235」。
モトーリ・モデルニと共同開発された後にミナルディがこれをテストするも、性能に満足行かずに採用に至ることはなく(信頼性が低く、F1用エンジンとしては幅が広すぎたと言われる)、結局はコローニへと供給することに。

たしかに画像を見ると、あまりに幅が広く、V型エンジンに比べるとロールセンターが曖昧になりそうでもありますね(なぜ水平対向にした・・・)。

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1990年、実際にコローニのマシンに積まれてF1へと参戦を果たすものの、8戦連続で予選落ちとなり、スバルはそのシーズン限りでF1から撤退。
もちろん0戦0勝0ポイントという結果で、ヤマハ同様に「黒歴史」として葬りたい過去なのだと思われます。

画像を見るとマシンのサイドにはたしかに「SUBARU」の文字も。
このエンジンはF1史上、「2番めに」結果を残せなかったエンジンだとされていますが、コローニ(車体)自体の信頼性も高くなかったのかもしれませんね。※ヤマハはワースト4

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そして時を同じくしてケーニグセグはプロトタイプ第一号を完成させ(ケーニグセグの設立は1993年なので、設立前の出来事だと思われる)、創立者のクリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏は実際にこのスバル製「F1エンジン」の使用権を購入したとされています。

そしてこのエンジンはケーニグセグの試作車「CC」に搭載され、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏も「スバル製F1エンジンはリアアクスルの中心よりも低い位置にあり、低重心化を達成できた」とコメント(これは逆に、水平対向でしかなし得なかった)。

しかしながらそのエンジンには供給数の制限(生産能力の問題?)があり、出力も750馬力までしかサポートできず、それではリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏の求める要件に見合わず、それでこのエンジンの使用を中止した、とのこと。

ただし、ケーニグセグ最初の試作車は「スバルのエンジンにあわせて設計され、ケーニグセグの車体に最初に載ったエンジンもまたスバルだった」とも語っていて、これはこれでひとつの「歴史」でもありますね。

なお、低重心を評価していた割に、ケーニグセグが自社でエンジンを設計した際に「水平対向」8気筒ではなく「V」8としたのは謎。
もしかするとターボ装着が前提であり、水平対向エンジンだとターボの位置、そしてエキゾーストパイプの取り回しに難があったのかも。

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なお、同じようなハイパーカーメーカーであってもパガーニはエンジンやトランスミッションは「他社製」。
しかしケーニグセグの場合はエンジンやトランスミッション、カーボンホイールに至るまで「自社製」。
これとは別の機会に、クリスチャン・フォン・ケーニグセグ氏は「他社製品を使うことも出来たが、それでは満足の行く性能を得られない。だから自分で作ることにした」とも語っていますが、それで”作れてしまう”のがケーニグセグの凄いところ。

つまるところ、当時ケーニグセグが、スバルのF1エンジンを使用することを決定していたら、現在の「1600」という途方もない出力は達成できず、ケーニグセグは「中途半端な」メーカーの一つになって、現在のような名声を得られていなかったかもしれませんね。


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