ホンダが新型レーシングカー「アキュラARX-05」をついにアンヴェール。
すでに先月ティーザー画像が公開されていたものの、その全容がついに明らかに。
このレーシングカーはIMSAウェザーテック・スポーツカー・チャンピオンシップを戦うためのものですが、ベースとなるシャシーは「PRCEA 07」。
そのシャシーにアキュラのジュエルアイ・ヘッドライトを装着し「アキュラっぽく」仕上げたのが今回のアキュラARX-05となります。
エンジンは3.5リッターツインターボV6でアキュラMDX、TLX、RLXに搭載されるものがベース。
デビューは来年1月のロレックス・デイトナ24時間耐久レースで、ドライバーの一人はファン・パブロ・モントーヤだと報じられています。
このロレックス・デイトナ24時間耐久レースはル・マン24時間、スパ・フランコルシャン24時間と合わせて「世界三大耐久レース」に数えられ、現在はその名称の通り「ロレックス」がタイトルスポンサー。
詳細はロレックスのページにありますが、優勝者には「デイトナ・ウィナーズ・モデル」と呼ばれるデイトナが贈られるようですね。
加えてロレックスはF1など他のモータースポーツとの関係も深く、ジャッキー・スチュワート卿、マーク・ウェーバーにも個人スポンサーとしての提供を行なっており、デイトナ=モータースポーツ、のイメージもすっかり定着。
(ロレックスとモータースポーツ〜ロレックスのサイトより)
ロレックスがモータースポーツに力を入れるようになったのは1960年代初頭からですが、これには「オメガ・スピードマスターとの関係」が大きく影響。
ロレックスは当時からアメリカ市場を強く意識していて(ロレックス、という名称自体が英語圏を意識したもので、他の腕時計メーカーが読みにくいドイツ語/フランス語のブランド名を冠しているのとは異なる)、当時アメリカで盛んだった「宇宙計画」に乗っかる予定でデイトナの前身である「コスモグラフ」を発表した、と言われます。
コスモグラフはロレックスの造語で、「コスモ」=宇宙、「グラフ」=クロノグラフと思われますが、NASAでの採用を目指すもオメガ・スピードマスターにその座を奪われ、「じゃあアメリカで他にアメリカで人気のある自動車レースに」と方向を転換し、デイトナ・スピードウェイで行われる「デイトナ24時間」のサポートを行うとともに「デイトナ」の表記が文字盤に追加されるようになった、とされています(このあたりのくだりはオフィシャルでは公表されておらず、多くの腕時計ファンの考察による主力説)。
オメガ、ロレックス共にそのバックグラウンドを活かしたプロモーションがなされており、70年が経過しようという時を経てもその「生い立ち」が全面に押し出されている腕時計は非常に珍しいといえ、その意味でも「スピードマスター」「デイトナ」は特別なのでしょうね(もしロレックスがNASAに採用され宇宙に行っていたならば「ロレックス・デイトナ24時間」という名称のレースは現在なく、オメガも他に活路を見い出せなければマイナーメーカーに成り下がっていたかも)。