| 腕時計の中古相場は、もともとの定価や機能・性能・品質と関係なく、単に「人気」だけで形成される |
高くても「買っていい」腕時計、安くても「買うべきではない」腕時計が存在する
さて、「リセールの高い」腕時計、そして腕時計ブランドを「5つのカテゴリー」に分類した動画が公開。
腕時計は非常にお金のかかる趣味であり、無限にお金がある人でなければ、新しい腕時計を手に入れる際に「買い替え」を考慮することになると思います。
そこで重要なのがリセールバリューであり、下取りや買取りに出そうと考えた時、それが思うような売れなければ前に進めなくなったりするわけですね。
そして腕時計の中古市場というのは常に需要と供給で動いており、その腕時計の品質の高低ではなく「人気の高低」がその価格(相場)に反映されることとなりますが、ここで動画の内容を見つつ、ぼくの経験上からくる意見も述べてみたいと思います。
カテゴリー1〜これから価値が上がる腕時計
まずは「これから価値が上がる」腕時計。
もうこれはロレックスしかなく、デイトナやサブマリーナー、GMTマスターIIのようなスポーツモデルからデイデイトのような通常モデル、さらにステンレスはもちろんゴールドやプラチナなどの貴金属系、そして宝飾時計まで「まず損をしない」グループです。
とくにステンレス製スポーツモデルは異常とも言えるプレミアが常態化しているというのが現状ですが、ぼくとしては「プレミア価格でも買い」だと考えていて、その価格で購入したとしても、1〜2年所有した後に売ればモトが取れるから。
よって、本当に欲しいのであれば、ロレックスマラソンに参加せず、プレミア価格でスパっと買ってしまい、即日身につけるのも一つの手だと考えています(今は金利ゼロでローンを組める腕時計店もたくさんある)。
そのほか、動画ではロイヤルオーク・エクストラシンのようなブティック限定モデル(これもまたとんでもない価格になっている)、オメガ・スピードマスター・プロフェッショナルの一部限定モデルも今後価値が上昇すると述べています(ぼくもこれに異論はない)。
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そしてもちろん、パテック・フィリップ ノーチラス / アクアノートもカテゴリー1ですね。
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カテゴリー2〜まあまあ価値を維持する腕時計
そしてカテゴリー2は「まあまあ価値を維持する」グループ。
チューダー・ブラックベイクロノや・・・。
オメガ・スピードマスター・プロフェッショナルも。
ぼくとしては、ここに同じくオメガの「007系」シリーズを加えたいところです(実際のところ、かなり高い相場を維持している)。
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そのほかはオーデマ・ピゲ・ロイヤルオーク・オフショアクロノグラフ(とくにブティック限定モデルの価値が高く、これはカテゴリー1に入れてもいいと思う)にヴァシュロン・コンスタンタン・オーバーシーズ。
パテックフィリップ・カラトラバに、かなり意外ですがH.モーザー ストリームライナー(興味がないので相場を見ていなかった)。
カテゴリー3〜まだ損失は小さい
そしてカテゴリー3は「売却益は出ないが、それほどお金を失わないだろう」というグループ。
ブランドとしては「ウブロ」「ゼニス」「パネライ」「ジャガールクルト」「IWC」。
ぼくとしてはここに「シャネル」「カルティエ」「ブライトリング」も加えていいのではと考えていますが、このカテゴリーの腕時計は「中古を購入し、しばらく所有して売却してもさほど損が出ない」と認識しており、かつ「(中古だと)まだ買いやすい」価格の個体が多く、よって機械式高級腕時計初心者にはオススメのグループです(くれぐれも新品では買わないほうがいい、と主張しておきたい)。
なお、中古の機械式腕時計について、初めて購入する人は「大丈夫なの?」と思うかもしれませんが、機械式腕時計はデジタル式腕時計やスマートウォッチと異なって「イキナリ」壊れることは少なく、壊れる場合はなんらかの前兆がある場合がほとんど。
そしてまず、中古の機械式腕時計にに問題があれば、前オーナーが修理している可能性が高く、まともな腕時計店でオーバーホール済みとして販売されており、かつ腕時計店の1年なり半年保証がついていれば問題はないと思います(しばらく身につけてみて、なんらかの予兆があれば保証期間内に修理を依頼すればいい)。
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むしろ、並行ものの新品を購入した場合のほうが(経験上)問題が出る例が多く、その意味では「国内正規品で、かつ中古で、現在ちゃんと動作している」のであればまず大丈夫という認識。
参考までに、日本の各腕時計ブランドの正規代理店によるチェックは「世界一厳しい」レベルにあるというので、それをクリアした製品は基本的に高い完成度を持っていると考えて良さそうです。
ちなみに、「機械式高級腕時計」ではありませんが、G-SHOCKもこのカテゴリーに入れていいかと思います。
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カテゴリー4~比較的損失が大きい
そしてここは「売るときにある程度の損失を覚悟せねばならない」分類。
動画ではゴールドのブライトリング、パネライを挙げており、というのもこういった実用ブランドの「貴金属製ケース」はもともとのブランドイメージとマッチせず、そのために購入しようとする人が少ないために「人気」がないわけですね。
よって中古相場もかなり安めですが、売却するときのことを考えると、「安価でも手を出すべきではない」部類かと思います。
ただ、「見栄えのするゴールドの腕時計を安く買いたい」場合は逆に狙い目でもありますね(パネライのゴールドケースはかなりインパクトがある)。
そのほか、人気ブランドであっても、そのブランドの「アイコン的ではない」モデルも売却時に泣きを見ることが多々あります。
たとえばウブロ「スピリット・オブ・ビッグバン」がその最たる例として挙げられていますが、ウブロ=船の窓のイメージの通り、同ブランドの腕時計というと丸型ケースのイメージがあるため、こういったトノー型の人気が低いわけですね。
他の例だとベル&ロスのラウンド形(同ブランドは”スクエアケース”がその象徴なので)といった例があるかと考えています。
そのほか、付け加えるならばタグホイヤー(限定モデル除く)、ルイ・ヴィトン、ベル&ロス(限定モデル除く)、フランクミュラーもこのカテゴリーあたりというのがぼくの認識。
とくにフランクミュラーは並行品がかなり安く売られているので、正規の新品を購入すると(売却時に)かなりの損失を覚悟する必要があるかと思います(よって、整備された中古を購入するのがオススメ)。
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ブレゲ、ブレゲ、フレデリック・コンスタント、ロジェデュブイ、ジラール・ペルゴ、ユリス・ナルダンあたりが動画にて紹介されていますが、ぼくのイメージとしては「ショパール」「ボーム&メルシエ」「ブルガリ」「エルメス」もこの区分(エルメス自体は非常に人気だが、腕時計の人気はあまり高くない)。
ただ、これらの中にはブランドイメージが比較的高いものもあるので、逆の視点から見ると、(人気がなく中古相場が安いので)中古で買う分にはお得だとも捉えることができ、売ることを考えなければ比較的オススメのカテゴリーなのかもしれません。
以上、ざっとぼくの意見もまじえて紹介しましたが、ぼくがこれまでに得た教訓は下記の通り。
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- いつでもどこでも定価で買える腕時計は(人気がないので)買ってはいけない
- 人気の腕時計は、中古市場にて多少高くても買って損はない
- ロレックスのスポーツモデルは、プレミア価格で買っても高く売れる
- オメガ、ホイヤーは限定モデルしか買うな
- 腕時計店が整備(オーバーホール)して保証付きで販売する中古腕時計は信頼していい
- 並行輸入の新品は「不具合が出る」可能性が高い
ただ、そうは言っても「売れ筋」ばかり買うのも面白くはなく、そしてぼくはどうやら「一般には人気がない」腕時計を好む傾向が強いと見え、”買ってはいけない”部類の腕時計に強く惹かれ、手を出してしまうことが多々あるのもまた事実。
リセールばかりに気を取られ、本当に好きなものを購入できないのも本末転倒なので、思い切って「カネを捨てる覚悟で」本当にほしい一本を購入してみるのもいいかもしれません(そこから得られる何か、そしてあたらしく開かれる世界もあると思う)。
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参照:Jenni Elle