HAMILTON
| 今や安価な腕時計の代名詞「デジタル時計」ではあるが、当時は恐ろしく高価なシロモノであった |
復刻モデル「PSR 74」は可能な限り当時と同じ仕様を維持
さて、元祖セレブウォッチともいえる「ハミルトン パルサー」が復刻販売されることに。
このパルサーは1970年に初代「P1」が発売され、その後1973年に「P2」そして1974年には「パルサークッション」へと発展しますが、今回復刻の対象となるのが「パルサークション」。
このパルサークッションはP2譲りにクッション型ケースに加え、それとデザイン的にマッチしたリッター的なベルトを持つことが特徴で、それまでのP2に比較すると(こちらは普通のかまぼこ型のコマを連結したブレスレットを採用していた)塊感が強く、よりファッショナブルといった印象です。
ハミルトン パルサーは「世界初のデジタル腕時計」であった
このパルサーは(1970年当時)世界初のデジタル腕時計として発売され、「時刻合わせが不要」ということをアピールするため時刻合わせのためのボタンを持たず(P1ではケースの下、P2では右サイドのみにLED点灯用ボタンがある)、時刻合わせはケース裏面に(付属の)マグネットを当てて時間と分を調整するという仕組みを持っています。
当時は非常に高価な腕時計であったといい、キース・リチャーズ、エルヴィス・プレスリー、エルトン・ジョンなどの大物が愛用し、かつティファニーブティックでも販売されたことから「セレブ御用達」となったわけですが、当時はジェット機による海外旅行、人類の宇宙到達など活動領域が一気に広がり、その他様々なガジェットが毎日のように誕生していた時代だとされ、「発明で溢れていた」と表現される時代でもあったわけですね。
よってこのパルサーも大きな衝撃をもって、そしてテクノロジーの象徴として世間に迎えられることとなりますが、今回の復刻はパルサークッションのちょうど「50周年」。※これまでにもP2の50周年の折など、なんどかパルサーの復刻がなされ、現在も「PSR Digital Quartz」としてラインアップされている
なお製品名は「PSR 74」となっており、これは「パルサー、1974年」だと解釈できますが、ケース表面(右下)の刻印も当時の「PULSER」ではなく「HAMILTON」へと変更されているので、「PULSER」の名を(商標権の問題などで)使用することができないのかもしれませんね(2022年に発表された復刻モデルにもPULSERの刻印はなかった)。
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ハミルトン PSR 74はこんな腕時計
そしてこのPSR 74はハミルトンのサブブランド「アメリカンクラシック」より発売されており、ケース/ブレスレット素材はステンレススティール、カラーはシルバー(121,000円)とゴールド(135,300円)の2種類です。
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ケースサイズは30.9ミリというコンパクトなサイジングで・・・。
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ケース左には「セコンドボタン」が追加されています。
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ねお、初代パルサー同様のLED表示が感涙モノですが、当時のパルサーと異なるのは「常時点灯」となっていること。
正確に言うならば、常時点灯となるのは反射型LCD、そしてケース右のボタンを押すことでOLEDが点灯し「当時のようなつぶつぶのLEDが発光している」レトロな状態を再現できます。
参考までに、当時のパルサーは電池の消耗を防ぐために「通常は非点灯、ボタンを押したときだけLEDが発光する」という仕様。
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ケースバックにはクォーツを視覚化した刻印がなされ(これは直近で発売された復刻版パルサー同様である)、これはオリジナルと異なるところですね(当時のモデルはツルっとした表面に”マグネットを当てるための”凹みがある)。
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参照:HAMILTON