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マクラーレン720Sを見てきた。多分現時点では最も先進的、そしてコスパに優れる一台

2017/04/18


マクラーレン大阪さんに展示されている720Sを見てきました(いつもありがとうございます)。
展示車のボディカラーはホワイト(パールの入った3層エリート塗装)、カーボンパーツなどオプションがふんだんに盛り込まれたもので車両価格は4600万円くらい、とのこと。

なおマクラーレン720Sは装備の違いによって三種類あり、「スタンダード」、「ラグジュアリー」「コンフォート」。価格はスタンダードで3338万3000円となっています。
展示車は高級な仕上げとシックな内装が与えられた「ラグジュアリー」。
なお各仕様に置いて出力や足回りに変更はなく、単に見た目や内装の仕上げのみが差異となっています。

一見した印象は「すごいもん出してきたな」というもので、正直画像で見るよりも衝撃度大。
簡単に言うと、ランボルギーニとは異なる意味で「自動車の既成概念を超えている」もので、それはボディのデザインとエアフロー改善を目的としたダクト類の造形などに見られ、「ここまでやるか」というほど手の込んだもの。

そこで、ぼくが気づいた点など述べてきます。

まずはフロント。
これは既に述べた通り、「放射線状」のラインで構成されており、「正面から空気の壁に当たればこう空気は流れるんだろうな」ということが容易に想像できる造形ですね。

横から見ると、デイライト部分(多分)とフロントサイドウインカーには連続する流れが設けられているのがわかります。
このヘッドライト部分は非常に入り組んでおり、言うなれば「ダクトの中にヘッドライトがある」ようなもの。

このダクトから入った空気がラジエターの熱をフロントサイドへと放出(画像だと立体感がわからない)。

後方から見るとこんな感じ。

フロントからサイドへとエアを抜くホール。

フロントフードのラインからサイドウインドウした、そしてリアフードへと抜けるラインは一直線に弧を描いています。
これがボディ下半分とキャビンを独立させて見せ、加えてルーフをブラックアウトすることでエキゾチックな雰囲気に。

ちょっと驚いたのは「グリル」。
これはハニカム状メッシュですが、今までに見たどの車よりも細く、これはおそらく軽量化を標榜したものと思われます(ランボルギーニだと、アヴェンタドールSVは軽量化のため、それまで採用されていた立体的なメッシュから平面の薄いメッシュになっている)。

こちらは例の「光るエンジンルーム」。

キャビンは相変わらずコンパクトですが、「カーボンモノケージⅡ」では足元部分が大きく削られ、乗降性が飛躍的に向上しています。

ところどころ見える「カーボンコンポジット素材」。
570GTのリアハッチに採用されていましたが、720Sでは拡大採用されているようですね。

キャビンといえば「視界」が劇的に改善しているのも720Sの大きな特徴。
540C/570S/570GTでもスーパーカーにしては良好な視界を持っていましたが、720Sでは「キャビンが全部ガラス」と言えるくらいグラスエリアが広くなっており、頭上からリアウインドウに至るまでガラス張り(とにかく後方、斜め後方の視認性が高く、フェラーリ488GTB、ランボルギーニ・ウラカンに比べて圧倒的に優れる部分)。
しかもピラーが細く、マクラーレンがこの部分にかなり力を入れたことがわかります。

なお、座席後方は「570GT」のような感じで荷物を置くスペースがあり、やはり居住性や日常性向上は720Sの一つのテーマなのでしょうね。

ディヘドラルドアはルーフからガバっと開くようになりましたが、これも乗降性を確保するためのもので、背の高い人にとっては嬉しい改良点。

もちろんフロントウインドウの左右も拡大し、前方の視界も良くなっています。

内装も大きく進化。
デザイン、造形、質感、仕上げなど申し分なし。
各種スイッチにもメタル調のトリムが設けられ、その質感も他メーカーを大きく超えていると思います(同日にレクサスLC500を見てきたのですが、レクサスを超える質感)。
センターコンソールが極端にコンパクトなのは左右座席を近づけてロールセンターを最適化するため。

内装に使用されるカーボン(オプション)はマット仕上げ、外装に使用されるカーボンはグロス仕上げとなっていますね。

全体的に「流れ」「ねじり」「絞り」が強く感じられるデザイン。
非常に独特で、しかも完成度の高いデザインであり、機能性と美しさを兼ね備えたものと言えそうです。

トランスミッション?

テールパイプ上下に遮熱板のようなもの。
こういった部分も随分完成度が高くなりましたね。
なおテールパイプそのものも切れ目と折り返しが入っています。

全体的に見るとマクラーレンらしさが貫かれており、「最小限の構成で最大限の効果」を発揮することを考えられていると思われる構造多数。
排気量拡大、パワーアップに伴い熱量も増大しているはずですが、その熱量を処理するだけの風量を確保するための構造を持たせることで(ラジエター増加に頼らず)冷却を行い、かつそのエアフローもスタビリティ向上に役立てるなど、とにかくシンプルに、しかし最大効率を追求した車と言えます。

もちろんこれはF1コンストラクターならではの考え方であり、マクラーレンにとって「最大の武器」と言えそうです。
つまりはマクラーレン最大の武器はエンジンや駆動システムではなく、「考え方」ということになり、これも非常にユニークな部分ではありますね。

なお、マクラーレンらしい考え方はベアシャシーにこそ現れていると思われ、過去にマクラーレン大阪さんで展示されていたMP4-12Cのローリングシャシーについては下記に画像をまとめています。

そして、その考え方を「形にした」のが720Sということになりますが、これは見れば見るほど「よくできているなあ」と思わざるをえません。
同時に「そう来たか」と思わせるところもあり、見ていて全く飽きない車ですね。

さらに驚きなのは、これだけの構造や素材を持っていながらも価格が3338万3000円ということで、これはフェラーリ812スーパーファスト、ランボルギーニ・アヴェンタドールSに比べても割安。
ウラカン・ペルフォルマンテの3180万円よりは高価ですが、カーボンモノケージを持ち、それ以外にもふんだんにカーボンコンポジットを使用したり、ととにかく「お金がかかった」という印象は受けます。

マクラーレンは総販売台数だとフェラーリ、ランボルギーニ、アストンマーティンにこそ劣りますが、「ほとんど同じ構造、同じエンジンの車」を販売している台数として考えると(フェラーリだと812と488、ランボルギーニだとアヴェンタドールとウラカン、というように共通性のない車を製造。しかしマクラーレンは540C〜720Sまで共通性が高い)他ライバルに比べ「スケールメリット」が出ているとも思われ、そこが価格設定にもメリットとして現れているのかもしれませんね。

いずれにせよ、「この価格でこの車が買えるのか」という衝撃を受ける新型車であることはまちがいなく、一気にスーパースポーツのベンチマーク的存在になるだろうな、というのは容易に想像がつくニューカマーだと思います。

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