|ついにランボルギーニ・ガヤルドLP560-4が納車された|
ついにランボルギーニ・ガヤルドLP560-4の納車に。
ディーラーへ引き取りに行こうと考えていましたが、どうにも(ディーラーへの)交通の便が悪く、車を自宅近辺まで持ってきてもらっています。
本来は引き取り納車が基本だが
ぼくは基本「引き取り納車」としていますが、納車時に車を持ってきてもらうのは日産パオの納車以来。
とはいえ、家の周囲は積車が入れない(正確に言うと入れるがバックで出ねばならない)ので、積車のドライバーさんに配慮し、そしていくらなんでも住宅街の真ん中でガヤルドのエンジンに火を入れてガオガオ言わせながら積車から降ろすのも嫌だなあ、ということで、積車の帰りやすい場所、そして周囲の迷惑にならない場所を近所で検索。
その結果、アウディディーラーの正面(道路向かい。ゼブラがあって、そこでよくアウディ他近隣のディーラーも車の積み下ろしをしている)で納車、という行為に出たわけです。
当然ですがアウディディーラーからは丸見えですし、目の前ののバス停(バス街の人)やカフェからもモロ見えなわけで、けっこうな注目を浴びますが、ぼくが我慢すればすむだけですので、ここは耐えるしかなさそう。
なお、今回車を自宅近辺「持ってきてもらった」ことについては「慣れないスーパーカーを自宅まで運転して帰るのはちょっと怖い」という理由も。
ここから自宅までは数キロしかない距離ですが、やはり操作系や各スイッチの配置になれない部分があって慎重に運転して帰り、なんとかガレージに収めるのに成功。
思ったよりもハンドルが切れず(小回りがきかず)に一発でガレージに格納できなかったり、Eギアの操作に戸惑ったりしましたが、短い距離でもその「特異性」を充分に確認できたと思います。
自分はとんでもないモノを買ってしまった
この短いドライブでガヤルドに感じたものとしては「ボディ剛性が高い」「シートが硬い」「足回りは柔らかいようであるがストロークが短いようで、わだちを横切るときなどは突き上げキツイ」「V10が吼える」「Eギアが扱いにくい」「ブレーキがカックン」など。
とにかく操作系が複雑であるという印象を受けますだ、イタリア人 がよくこんな複雑なものを作ったなあと思う反面、もしかするとドイツほど合理的ではないイタリアだからこそ、うまくまとめられずに、こういった複雑なものが結果として出来てきたのかもしれない、と思ったり。
その他の印象としては、あちこちから、他の車では聞いたことがないようなデバイスの作動音が聞こえる(後で聞いたところではフューエルポンプなど)、異常にエンジンルームが熱くなる、といったところでしょうか。
どこをどう見ても感じても「スーパー」な車であることは間違いなく、「ああ、オレはとんでもないモノを買ってしまった」と いうのがぼくの中での正直な印象です。
正直ひとことでは言い表せない部分がありますが、まずは短い距離でも感じたこと、ガレージに収めて車を観察して思ったこと、を記載します。
ボディは強固そのものだ
ガヤルドのボディ剛性ですが、これは驚くべきものがありますね。
「ボディ剛性が高い」ことは、これまで見たレビューなどで認識していましたが、実際に自分のものとして(他の車で)毎日走るのと同じ道を走ってみると、 現実のものとしてガヤルドのボディ剛性の高さを実感できるわけです。とにかく堅牢としか言いようがなく、「守られている」という感じが強いですね。
なおぼくは、自分の嗜好として「外界と遮断されている」運転感覚を好みます。
つまり遮音性が高いことを比較的優先していて、ロードインフォーメーションも重視するものの、それらはサスペンションの動きによって伝えられるべきだと考えているので、ロードノイズや、ボディが不快にシェイクされることを非常に嫌うのですね。
操作系は意外と重い。どっしりした印象
ガヤルドは操作系が重く、それもまたぼくの好みであります。全体的に「軽い」印象よりは「重厚な」印象を好む傾向がありますが、そういった意味では、数々のハイパフォーマンスカーの試乗を経て購入したガヤルドは、実際に納車された後もぼくの期待通り。
ちなみにぼくはオープンカーも好みますが、サイドウオールが高く、「囲まれている」感覚の強いものに惹かれます。その意味もガヤルドは適度な「囲まれ感」をもち、非常に良い印象を抱いています。
ガヤルドはどっしりとした重厚な操作性を持ちながらも、滑るように軽く動く(車線変更時や加速において)といった印象も同時に感じており、なんとも不思議なフィーリングを持つ車ですね。
ガヤルドは発表以来気になっていた車ではありますが、つい最近まではまさかそれを自分のものにしようなどとは考えたことが無く、自分が注文したことが現実ではないように思える。そんな感覚も。
実際に運転した印象では、「560馬力」「ミドシップV10」、そしてそのルックスから想像するよりもはるかに「普通」であると感じます。
スタートがぎくしゃくするとか、ちょっと踏むとどこかへ飛んでいってしまうとか、乗り心地がゴツゴツするとか、異常にうるさいとか、リヤヘビーだとか、スーパーカーに一般的に抱かれるような印象はほぼありません。
ガヤルドはきわめて普通で、ポルシェ911(997)の方がよほど特殊な車なんじゃないか、と思えるほど普通。
出力こそ強大な560馬力ですが、ガヤルド560-4は4WDであり、駆動配分がフロント30/リヤ70なので、前後の馬力配分は168/392馬力になります。
となると、フロントはR56ミニクーパーSと同じくらい、リヤは997カレラSと同じくらいの馬力を担当している、ということになりますね。さらに言及すればフロントは一輪あたり84馬力、リヤは一輪あたり196馬力。
そう考えると一輪あたりもしくは車軸あたりの馬力もそれほど強大なものではないように感じる(コントロールしやすい)のが不思議でもあります。
高回転時の変速ショックはバットで殴られたような衝撃がある
(評論家による)試乗レポートでも触れられていないことですが、ぼくがガヤルドLP560-4試乗の際に気になったのが、高回転時において、クラッチが繋がったときに発生する車体の「揺れ」。
じつは、MY2005のガヤルドeギア登場時にも試乗したことがあって、そのときにはクラッチが繋がったときの車体の「軋み」がすごく気になったことを覚えています(これはおそらく、とんでもなく協力な圧着力を持つクラッチが装備されていることが理由と思われる)。
LP560-4に話を戻すと、クラッチを繋いだときに、MY2005のような車体の「軋み」は感じないものの、シャフトの回転方向に車体が持ってゆかれるほどの「慣性」を感じるのですね。
これはある一定回転数以上で、しかもATモードとノーマルモード時における変速の話であり、これをコルサモードで走ると、クラッチの繋がる時間が短いことがその理由なのか、上に述べたショックは軽減されます。早い話がコルサモードの方が快適という結論なのですが、これが半クラッチの時間に起因するものであれば、「慣性」ではなく別の問題とも考えられ流のかもしれません。
しかしながら動力を伝達する以上は避けられない話(シャフトドライブのバイクのように)でもあり、また車体の軋みを感じることなく車体そのものが揺さぶられる、ということは車体やマウント部の強度が向上したことでもあるので歓迎すべき点でもありますね。ちなみにガヤルドの構造を調べてみると、ぼくが感じた「車体を持ってゆかれる方向」とシャフトの回転方向は一致しています。
なおガヤルドの透視図を見ると、エンジンとトランスミッション、デフがボディ底面とほぼ同じ、低い位置に置かれていることがわかります。ギリギリまで低重心を追求したための配置ですが、アンダーフロアをヒットすると致命傷になる、ということを同時に意味します。
フロントデフは車軸に近いのでヒットする可能性は低そうですが、プロペラシャフトはトンネルに守られているとはいえ、立体駐車場ではヒットする可能性も。
そして、バックするときにはリアデフに注意する必要がありそうです。