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「トラブルが心配でスーパーカーを購入できない」?フェラーリやランボルギーニに6台乗った経験から今までのトラブルを振り返る

フェラーリ

| 結論から言うと、スーパーカーはそんなに簡単に壊れるものではない |

なんといっても過酷なサーキットユース、モータースポーツに耐えうるクルマである

さて、スーパーカーの所有において気になるのが「トラブル」。

スーパーカーはパーツ代金が高額であったり作業工程が複雑であるため、トラブルが発生し「自己負担」となるとその費用が天井知らずになるためですが、一昔前は「100万円くらいポンと払えるようでないとスーパーカーの所有は難しい」と言われたものです。

なお、現代ではスーパーカーの信頼性も向上し、保証制度も充実しているため、めったなことでは自己負担が生じるようなトラブルはないとも認識していますが、保証が切れてしまったりして「自己負担」となってしまった場合、現代のスーパーカーは(かつてのスーパーカーとは)比較にならないほど高度化・複雑化し、かつ昨今のインフレによってパーツ代や人件費も高騰しているため、「100万円」程度では済まないかもしれません。

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スーパーカーの保証内容はこうなっている

上述の通り、現代のスーパーカーでは(新車購入の場合)保証内容が充実していて、たとえばランボルギーニだと以下の通り。

ランボルギーニの「新車保証」

まずランボルギーニの新車保証は以下の通りとなっていて、これらの保証内容は、車両オーナーが最高のパフォーマンスと信頼性を長期間にわたって維持できるよう、ランボルギーニが提供しているものです。

  • 3年間の走行距離無制限保証: 新車には、納車日から3年間、走行距離無制限の保証が付帯。これにより、材料、製造、組み立てにおける欠陥が保証の対象となり、部品の修理や交換、それにかかる工賃は無償に
  • 純正パーツと認定技術者による作業:すべての作業は、ランボルギーニが認定・トレーニングした技術者が、純正スペアパーツのみを使用して行われることが保証される
  • 延長保証プログラム: 3年間の新車保証終了後も延長保証プログラムを利用して保証期間を延長することが可能。これにより、さらに長期間にわたって安心してランボルギーニを所有することができる(ただしこの延長プログラムは有償)
  • ロードアシスタンス: 保証期間中は、ロードアシスタンスサービスも付帯しており、万が一の故障やトラブルの際には24時間365日対応してくれる
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フェラーリの新車保証

そして次はフェラーリの新車保証プログラム。

フェラーリの新車保証は、オーナーが安心してカーライフを長く楽しめるように(そして車両の価値を長期にわたって維持できるように)、非常に手厚い内容となっていて、主な保証内容は以下の通りです。

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  • 3年間のメーカー保証:すべての新車に対し、購入から3年間のメーカー保証が標準で付帯。これは走行距離の制限がないグローバルな保証で、製造上の欠陥による部品の交換や修理、それに伴う工賃がすべて無償に
    • フェラーリのハイブリッドモデルに搭載されるバッテリーには、新車購入時から2年間の保証が付帯され、製造上の欠陥による故障をカバー
  • 7年間無料メンテナンスプログラム:フェラーリには、新車登録から7年間の無償メンテナンスプログラムが付帯していて、これは「フェラーリ・ジェニュイン・メンテナンス・プログラム」と呼ばれ、定期的な点検やメンテナンスにかかる費用を網羅。これにより、車両のコンディションを常に最適な状態に保つことが可能に
  • 延長保証プログラム:3年間の新車保証が終了した後も、フェラーリは様々な延長保証プログラムを用意しており(いずれも有償)これにより、長期間にわたって車両を安心して所有することができる
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  • 延長保証: 3年間のメーカー保証終了後、保証期間をさらに12ヶ月または24ヶ月延長可能
  • ニューパワー: 新車登録後14年目までの車両を対象とした延長保証プログラムで、エンジンやトランスミッションなどの主要な部品をカバー
  • PHEV向け延長保証: SF90や296GTBなどのプラグインハイブリッド車(PHEV)向けに、バッテリーを含む保証を最長16年まで延長できる特別なプログラムも用意されている
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これらの保証は、フェラーリが認定した正規ディーラーの熟練した技術者によって純正部品のみを使用して作業が行われることが保証されているほか、多くの保証プログラムは車両のオーナーが変わっても引き継ぐことができるため、将来的な資産価値の維持にも貢献するというのが特筆すべき点。

フェラーリのクラシックカーは非常に高い価値を誇り、信じられないような高額にて取引されることも珍しくはありませんが、かつてフェラーリ創業者、エンツォ・フェラーリは「次のクラシックフェラーリは、今あなたが手にした新車である」とコメントしたことも。

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一見すると(7年無償メンテナンスのように)「やりすぎ(ぼくらオーナーから見ると、フェラーリが損をしているとしてか思えない)」のように見える手厚いプログラムもまた、フェラーリの価値を後世に残し、高い資産価値を形成できるようにという配慮のあらわれで、これは「フェラーリの、将来に対する投資」という考え方が反映された一面なのかもしれません。

実際のところ、これまでに製造されたフェラーリのうち、「9割が」現存し路上の走行が可能だと言われるので、フェラーリの車両につき、適切なメンテナンスを行えば、ぼくらの寿命を遥かに超えて存在し続けることができると考えて良さそうです。

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これまでに乗ってきたスーパーカーの「トラブル」はどうだったのか

そこでここからは、ぼくが自分で所有してきたスーパーカーで経験した「実際のトラブル」。

ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4(所有期間:2009年-2014年)

  • Eギアのエラー:ランボルギーニ・ガヤルドには「Eギア」という、いまではほぼ絶滅してしまったロボットクラッチが搭載されているのですが、これが「1度だけ」エラーを出してしまい変速不能に。路肩に車を止めてエンジンを切り、5分くらいした後に再始動するとエラー表示が消え、もとどおり変速が可能となっています(当時の輸入車は、なんらかのエラーが出た場合、とりあえずエンジンを切って少し放置すれば回復すると言われていた)。
    なお、ディーラーで見てもらったところ、エラーの履歴はあるものの再発せず、機械的な故障ではなく「センサー異常」だろうということになり、そのままにしていた事案です(再発なし)
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  • ウォッシャー液タンクキャップのヒンジ折れ:フロントトランクを開けると向かって左にウォッシャー液タンクがあり、そのキャップのヒンジ(U字に折り曲がっている部分)が経年劣化によって折れています。3年が経過していたので新車保証適用外でしたが、200円以下で(ランボルギーニ正規ディーラーから)パーツを購入し交換して対応終了。
    おそらくはフォルクスワーゲングループ共通のパーツだったのだと思われ、こういった消耗品(あるいはそれに近い)が安価で手に入るのは「巨大コングロマリット傘下にある」メリットだと思います。
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  • VICS受信不良:日本仕様のガヤルドは、豊橋のPDIセンターに入庫した後、そこでケンウッド製のカーナビ一体型オーディオが装着されるのですが、この際にVICS受信用アンテナも装着され、しかしこれは「ウインドウ貼り付け」や「車外」ではなく「ダッシュボード裏面(グローブボックスアッセンブリーの上)」に取り付けられており、この位置だとダッシュボードを電波が貫通しないため「VICS受信不可」。よって自分でこの受信部分を引っ張り出し、フロントウインドウ上側に移設しています。
  • フロントホイールのブレ:一定以上の速度で走ると「ブレ」が生じてそれがステアリングホイールに伝わり、しかしまた一定以上の速度になるとそれが「収まる」というもの。ホイールバランス、アライメントの調整、取付時のチャッキングによってある程度は収まったものの完治せず、しかし鍛造ホイールに交換したところこの症状がピタリと収まっています。
    よってぼくはこれ以降、高額であっても「鍛造ホイール」を装着するようにしています。
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【まとめ】ランボルギーニ・ガヤルドLP560-4の維持費(2年目、点検や保険、メンテナンス)

本投稿は別ブログ「no more ready-made」にアップしていたものですが、情報集約を目的に本ブログへと記事を移動させ、その際に内容を調整したものです(基本的には”当時”のままの時系列的表現で ...

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ランボルギーニ・ウラカンLP610-4(所有期間:2015年-2019年)

  • 内装のガタツキ:これは「トラブル」というものではありませんが、ドアインナーパネルがガタついて運転中に気になって仕方がないという事案。「そんなことを気にするクルマではない」と言われそうですが、内装がガタガタいうと、クルマの剛性そのものが低いようにも感じられ、安心感や高揚感を損なうとも考えています。
    こちらは社外オーディオ装着時、ショップさんに依頼してガタツキを解消してもらっています。
  • ホイールキャリアのサビ:ホイールセンターキャップとホイールとの隙間から大量のサビが(外側に)溢れ出てきたことから発覚したのですが、ホイールを外してみると、ホイールキャリア(ハブ)内側に水が溜まり、それがサビを引き起こした上、走行によってホイールが回転すると遠心力によってサビを含んだ水が外に出てくることが原因です。
    これは構造上「いかんともしがたく」、そしてパーツを交換したとしても同じことが起きるために「洗浄と清掃を行い、グリスを表面に塗って」対応を終了させています(正規ディーラーによる無償の対応)。※表層が錆びているだけなので強度的には問題がないようだ
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ランボルギーニ・ウラカンEVO RWD(所有期間:2020年-2023年)

このウラカンEVO RWDについては一切のトラブルが起きておらず、しかし他のランボルギーニの例を見ても「致命的」なものはなく、ランボルギーニは全体的に非常に優秀なスーパーカーであるということがわかりますね。

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ランボルギーニ・ウラカンEVO RWD売却。ボクがガレージから「Lamborghini」のサインをすべて外した日
ランボルギーニ・ウラカンEVO RWD売却。ボクがガレージから「Lamborghini」のサインをすべて外した日

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フェラーリ ポルトフィーノ(所有期間:2023年-2024年)

  • リトラクタブルハードトップの不具合:ポルトフィーノは「電動にて開閉する」リトラクタブルハードトップを持っていますが、ルーフを閉じる際に1度のみこれが動作不良を起こし、「ちゃんと最後まで動作が完了しない」という事象を経験しています(メーター内に警告が出ることでそうとわかる)。

ただ、これは「ポルトフィーノあるある」なので、焦らずにもう一度ルーフを開き、そこからまたルーフを閉じることで問題なく動作が完了し、それ以降も問題なく動いています。

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  • タイヤプレッシャーモニターの警告:これはエラーともトラブルとも判断できないもので、ぼくのポルトフィーノは「真夏に」納車され、そして「真冬に」なって「タイヤ空気圧が低下している」という警告が頻発することに。
    しばらく走行すると警告が消える場合があるものの、「消えない」こともしばしばあり、よって実際に空気圧を計測するとたしかに空気圧が低下しているわけですね。ただ、継続的に空気圧が下がるわけではないので「パンク」ではなく、様々な状況を鑑みるに「夏の納車時に膨張した空気をタイヤ内に注入し、気温の低下によってそれが収縮することで空気圧が低下したのであろう」と判断し、窒素を4輪に注入して空気圧センサーをいったん再キャリブレーションすることによって「再発なし」となっています。
今日のフェラーリ・ポルトフィーノ。窒素ガスを充填し空気圧低下の警告灯も消灯。どうやらシャルルの法則に従い外気温の変動によって空気圧が下がっていたようだ
今日のフェラーリ・ポルトフィーノ。窒素ガスを充填し空気圧低下の警告灯も消灯。どうやらシャルルの法則に従い外気温の変動によって空気圧が下がっていたようだ

| ボクにとっては初めての経験であるが、今回のエラー表示についてはおそらく「外気温の変化」に起因すると見て間違いはないだろう | なにごとも推測と検証が大切である さて、フェラーリ・ポルトフィーノに窒 ...

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フェラーリ ローマ(所有期間:2024年-2025年)

  • フロントフードのロック問題:これもトラブルとは断じることができないのですが、近年のフェラーリのフロントフードは(クリック感がないので)フードを閉じた時、「閉まったのか閉まっていないのか」わからないことも。
    そしてこのローマにおいても同様で、いったんフードを閉じ、メーター内に警告が出ていないことで「ちゃんと閉じている」ことを確認して走り出したものの、走行中にフードが開いてしまうという事態に遭遇しています。
    これ以降は「今まで以上に」しっかりフードを押さえることで「再発なし」に。
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フェラーリ296GTB
ここはちょっと改善して欲しいな・・・。フェラーリ296GTBの「フロントフードのラッチ」

| 不具合や低品質というわけではないが | ただ「閉じる際に精神的な平安が訪れない  さて、納車されてはや数ヶ月が経過したフェラーリ296GTBですが、実際に乗ってみて不満というかストレスに感じるのが ...

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フェラーリ296GTB(所有期間:2025年-)

  • 自動ロック/アンロック機能の不具合:296GTBには「キーを持って車両に近づくと自動でアンロックされ、クルマから離れると自動でロックされる」というありがたい機能が備わっています。
    これは設定によってアクティベートできるのですが、なぜか「自動でアンロックされない」ことがあり、その理由は現時点では不明です。感覚的には「90%くらいの確率でアンロックされない」「しかしロックはほぼ100%問題なく動作」しているという印象で、現在様子を見ているという状況。
    参考までに、ローマにも同じ機能が備わっていますが、ローマの場合は「いかなる状況であってもロックとアンロックが完全に動作していた」と記憶しているので、しばし様子を見つつ、動作する状況、もしくはしない状況を整理してみたいと思います。
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フェラーリは「燃える」のか

こうやって見ると、フェラーリもまたランボルギーニ同様に「致命的なトラブルが非常に少ない」クルマであることがわかりますが、ネット上ではよく「燃える」という問題も報告され、「フェラーリ=燃える」という認識があるのもまた事実(実際、よく「燃えないのか」とよく聞かれる)。

ただ、「燃える」のにはいくつかの理由があり、代表的な例は「経年劣化によって燃料やオイルラインが劣化し、そこから燃料やオイルが漏れて発火に至る」。

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フェラーリ、ランボルギーニなどスーパーカーはなぜ燃える?その理由を考えてみよう

| フェラーリやランボルギーニが燃えるという報道は後を絶たない | たしかにスーパーカーがよく炎上するのは「事実」である なんだかんだで結構多い、スーパーカーの炎上。特にフェラーリやランボルギーニは「 ...

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しかしフェラーリは(ランボルギーニも)そうならないように劣化する可能性があるパーツに対し一定期間ごとの交換を推奨しており、これに従えばこの問題は回避できるものと思われます。

そのほか、オイル交換の際などに「ほんのちょっと」オイルをエンジン上にこぼしてしまい、それが発火の原因となる例もあるようですが、これは「一般的なクルマだとまず発火の要因とはならない」もの。

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それでもフェラーリやランボルギーニでは、想像を絶するほどエンジンが熱くなることがあり(ただしちゃんとそれを想定した熱管理がなされているので、エンジンの発熱自体は問題はない)、普通のクルマでは発火に至らないような例でも「容易に発火する」ことがあるため、素人による整備、フェラーリに慣れていないショップでの整備や改造・カスタムは「ご法度」だと考えています。

スーパーカーは「極限」を実現するため、高い精度で設計・製造された乗り物である

なお、これらスーパーカーはレースでも使用され、耐久レースを完走し好成績を収めていることからも「高い信頼性と耐久性を持つ」ことは明らかです。

むしろ、普通のクルマが走行すれば一発で壊れるような環境であっても安定的な性能を発揮できるように設計・製造されたのがスーパーカーであり、走行性能といった基本的な部分における信頼性が非常に高いのは間違いのないところ。

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そして「妥協なき設計」がなされているということは、そこになんらかの「想定外の要因(想定外のパーツの使用、不適切な整備など)」が加わることで容易にバランスが崩れることをも意味しており、そのバランスが狂ってしまうと「壊れる」そして「発火」に至る可能性があるわけですね(色々な意味においてマージンが少ないのだと思われる)。

よって、スーパーカーを乗るに際しては、何よりも適切なメンテナンスを行うことが重要で、それこそが「突然の出費」を押さえる最良の方法なのかもしれません。

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