買うより維持が大変そう
マクラーレンF1を維持するにはこれくらい費用がかかる、という動画が公開に。
かつてマクラーレンF1を所有(中古にて1億5000万円くらいで購入)していた元オーナー、ブルース・ウェイナーさんがその詳細を語ったもので、その驚きの価格が話題に。※購入価格を考えると、発売から間もない時期に購入したものと思われる
マクラーレンF1は自動車史上に燦然と輝く不朽の名作
マクラーレンF1は1993-1998年の間に生産された車で、「センターシート」「ゴードン・マレー設計」「エンジンルーム内側は放熱性のためだけに金を使用(豪華にしたかったわけではなく機能を重視しただけ)」「工具も軽量性を重視してチタン製」「価格1億円(それでも赤字)」などなど、数々の伝説を持つ車。
エンジンは6リッターV12/636馬力を採用し、車体重量は1140キロと軽量で、非公式ながら時速391キロを記録するなど、現代の基準で考えても「最高レベルの車」。
当時からすると30年以上は進んでいた車であり、自動車史的に見てもこれ以上「妥協なく」作られた市販車は(今後も含め)存在しないと断言できる車です。
↓こちらは別の個体で、アメリカ納車第一号とされるもの
そのためか、比較的最近の世代の車としては異例の高額で取引されており、その価格は15億円オーバー。
クラシックフェラーリやクラシックジャガー/アストンマーティン並の価格ですが、それらと並ぶだけの価値がある、と一般に認められていることになりますね。
しかしそのコストはケタ違いを通り越していた
そのコストの一部としては下記の通り。
・燃料関係のパーツ交換は5年に一回、費用は1200万円
・全く乗らなくても点検など最低で年間600万円は必要
・定期点検には本社からスタッフがやってきて2日かかった
・タイヤ交換は570万円
・クラッチ交換は2-3年に一回必要
なおタイヤ交換については、「単にタイヤを入れ替えるだけ」ではなく、「マクラーレンの定める手法にて」サーキットを借りてプロのドライバーを雇って入れ替えたタイヤにて走行し、そのタイヤに合ったサスペンションの再セッティングを行う必要がある、とのこと。
維持費が高いことで知られるブガッティ・ヴェイロンのコストは「プライベートジェットよりも高い」とされますが、マクラーレンF1もそれに負けることはなさそう。
こういったエキゾチックカーやクラシックカーは購入するよりも「維持するほうが難しい」と言われ、それはお金はもちろんですが、愛情がないと(手間がかかるため)維持できないからなのでしょうね。
その意味では「限定フェラーリ」購入条件の中に(国によって異なりますが)「クラシックフェラーリ所有」というものがあるのは、そのオーナーの”フェラーリ愛”を試すことが目的であるのかもしれません。
ちなみにブルース氏は「マクラーレンF1に比べるとフェラーリやランボルギーニなんぞ乗用車」と言っていますが、まさにそのとおりだと頷く内容ではありますね。
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それでは動画を見てみよう
こちらがその動画、How Crazy Expensive Is It to Maintain a McLaren F1?」。
「クレイジー」を通り越している費用を語っています。