| まだまだ続く、ポルシェの偽装問題 |
ポルシェがイギリス市場において「ケイマンR」の排ガス規制を欺いたとされ、現在問題に。
報道によると、ポルシェは排ガス検査において、本来1速を使用するところを「2速」を使用したことでより低い数値を記録させた、とのこと。
なお、日本ではあまり排ガス事件は問題にならないものの、こういった「偽装」は英国はじめ欧州では大きな問題になるようですね。
なぜ欧州ではそんなにCO2排出量にこだわる?
というのも、これは税金と絡むのが理由で、英国含む欧州では排ガスの値に応じた税金をオーナーが支払う必要があり、「税金を低く抑えたければ」排ガス値が低い車をオーナーは選ぶことに。
しかしながら、この数字が実際の排ガス値よりも「低い」のであれば国としては税収が不当に減っているということになり、オーナーにとっては「せっかく税金を抑えられるクルマを選んだのに、追加で課税」される可能性も出てきます。
そのためイギリスにおける各自動車メーカーのページでは「環境性能」が記載されており、ユーザーはモデルを選んだのちに「排ガス」を選ぶことに。
下の画像はアウディA1ですが、まずA1を選んだのちにエンジン、そしてそのエンジンを積むグレードを見てゆくわけですね(そして支払う税金や仕様とのバランスを決定。お金に余裕があれば、税金が高くともハイパワーなエンジン、豪華仕様を選ぶ)。
相当に特殊な方法だと言えますが、こういった選択方法を取る限りでは「マニュアル・トランスミッション」「ディーゼル」が多くなるのは当然の帰結だと考えられ、「欧州の人は運転が好きだからMTを選ぶ」のではなく、「環境(税金)に配慮しているからMTを選ぶ」のかもしれません。
ちなみにポルシェの公表したケイマンRの環境性能(CO2排出)は221g/kmですが、実際のところは228g/kmだとされています。
数字上はわずかな違いですが、ポルシェの主張では両立が「K」、しかし実際は「L」になるとされており、毎年支払う税金は年間で225ポンド(約3万円)の違いに。
これは小さな額ではなく、しかも「購入時の話と違う」となればオーナーが怒ることも十分に予想され、場合によっては集団訴訟の可能性もありそう。
こういった「お金が絡む」という理由で「メーカーの虚偽の記載」が問題視されるのが欧州ですが、日本だと問題となるのは「メーカーの姿勢」という、また違った角度での取り上げられ方がなされそうですね。