| トヨタ・センチュリーはいい選択。なおカスタム費用含めて8000万円とのウワサ |
首相官邸(皇位継承式典事務局)が「祝賀御列の儀における天皇皇后両陛下のお車について」というプレスリリースを発行し、パレードにて使用するクルマを「トヨタ・センチュリー」に決定し、月内に納車される予定である、と公表。
なお、車両やボディ形式については式典委員会が決定したといい、さまざまな議論があったのかもしれません(特にオープンカーとすることについては、安全性が問われたとは思う)。
今回公開された画像については「式典バージョン」ではないようで、儀式の際には「皇」ナンバーの取り付け、ボンネット先端に天皇旗が装着される、とのこと。
平成時代に使用されたのはロールスロイス・コーニッシュⅢ
なお、平成に使用された車両は「ロールス・ロイス・コーニッシュⅢ」。
全長5,270ミリ、全幅1,860ミリ、とアナウンスされていますが、今回の「天皇センチュリー」は全長5,340ミリ(ノーマルより5ミリ長い)、全幅1,930ミリという、コーニッシュⅢよりも大きなサイズを持っています。
今回、皇位継承式典事務局から発表された式典用センチュリーの概要は下記の通り。
非公式ですが、予算は8000万円と言われているようです。
・トヨタ自動車(株)において製造販売している「センチュリー」をベース車として、オープン・カーに改造。 ・儀式に相応しい重厚感のある外観を有し、平成度に用いた車両を上回る全長・全幅を確保。 ・天皇皇后両陛下のお姿を沿道等から見えやすくするため、御料車を参考に後部座席について座面の位置、背もたれ角度の調整を実施。 ・性能:衝突回避、自動ブレーキシステムなどを有し、後部座席にサイドエアバッグを装備。 ・環境性能:平成32年度燃費基準+20%達成、環境物品等の調達(グリーン購入)に関して内閣府本府が定める方針(平成30年度)に適合。 |
トヨタ・センチュリーはこんなクルマ
トヨタ・センチュリーは2018年に現行モデルへとフルモデルチェンジしており、基本的に「後ろに乗る」つまりショーファードリブンカーとして開発されたクルマ。
対象は企業の重役や政治家といったVIPだとされ、そのために安全性や快適性に対してはとくに注意が払われています。
加えて、高齢の人が乗降しやすいように後席のフロアを低く設定するなど日本的な配慮がなされるほか、随所に日本の伝統技術、ならびに芸術を感じさせる仕上げを採用。
たとばグリル奥には「七宝文様」が用いられ、これは同じ大きさの円を1/4づつ重ねて描き、無限に広がる円=「円満や財産、子孫繁栄」を表現した、といった具合です。※センチュリーに込められた「こだわり」はとても語りきれるものではない
ちなみにボディカラーは「神威(ブラック)」「摩周(ダークブルー)」「飛鳥(ダークレッド)」「精華(グレーメタリック)」という和名が用いられていることも特徴で、シート表皮は「高級車=レザー」という概念にとらわれず、滑りにくく肌触りの良いモケットとしているのも特徴。
価格は1950万円からに設定され、トヨタ自動車社長、豊田章男氏も自身のクルマとして愛用していることでも知られます(ただしワンオフのGR仕様)。
天皇家の人々の愛車は?
なお、明仁(あきひと)前天皇の愛車はホンダ・インテグラ(DA5?)であるのは有名ですが(現在も所有していつかどうか不明)、徳仁(なるひと)天皇の愛車は不明。
秋篠宮文仁親王の愛車はフォルクスワーゲン・ビートルだと随分前に報じられましたが、こちらも現在所有しているかどうかは不明です。
なお、パレード用のクルマというと、ローマ教皇の乗る「パパモビル」を思い出しますが、こちらは狙撃に備え、ほとんどの場合、キャノピーが装備されているようです(フルカバーバージョンもある)。
VIA:皇位継承式典事務局