| やはり今でも高級サルーンは「魅力ある市場」 |
メルセデス・ベンツが、2013年に当有上した現行世代のSクラスについて、累計生産50万台を達成した、と公表。
ちょっと前にマツダ・ロードスター、ポルシェ911が「発売開始以来」で100万台を達成したと報道されていますが、メルセデス・ベンツSクラスがわずか6年でその半分の台数を売ったというのはまさに驚きです。
高額なサルーンがそんなに売れるとは思えないものの「実はけっこう大きな市場が存在した」ということになり、どうりで各自動車メーカーともこのセグメントに参入したがるわけですね。
まさかこのセグメントがこんなに売れていたとは
なお、ポルシェも「パナメーラ」にてこのセグメントへと入ってきていますが、2018年の販売台数は38,443台。
これが6年分だと単純計算で22万台くらいということになり、つまりシェアとしてはメルセデス・ベンツSクラスの半分くらいなのかも。
言い換えるとメルセデス・ベンツSクラスやBMW 7シリーズ、アウディA8などがパナメーラにシェアを奪われているということにもなりそうですね。
ちなみに欧州や北米において、このセグメントのセダンは「テスラ・モデルSの一人勝ち」だと言われますが、となるとモデルSはメルセデス・ベンツSクラスよりもずっと売れているということになり、そう考えると「恐るべしテスラ」(テスラがEVを作るにあたり、コンパクトカーではなくこのクラスを選んだのは英断だったと言えるが、同時にギャンブルでもあったと思う)。
テスラのおかげでメルセデス、アウディ、BMWのセダンが売れず。平均でそれらは10%中古価格が下がり、3シリーズは20%、Bクラスは30%下落
それはともかくとして、メルセデス・ベンツSクラスの歴史はその前身である1951年のタイプ220(W187)にはじまり、明確にSクラスと名乗ったのは1972年のW116世代から。
その後順調にモデルチェンジを重ねて現行W222世代はじつに6代目となりますが、W222の最大のマーケットは「中国」で、なんと1/3が最大マーケットである中国に販売され、その次は北米、次はドイツ。
ちなみにSクラスは中国では生産されていないので、中国では「輸入車扱い」となり、おそらく現地での価格は本国や日本の「倍」くらいだと思われるものの、それでもこの台数が売れるというのは驚きですね。
そろそろSクラスはフルモデルチェンジを迎える時期となり、ここ最近ではプロトタイプが目撃されることもしばしば。
さらにはピュアエレクトリックバージョン「EQS」が登場することになりますが、これはやはりテスラ・モデルSへのカウンターということになりそうですね(一方でガソリンエンジンモデルのSクラスはベントレーやロールスロイスに対抗する必要があり、王者メルセデス・ベンツもけっこう大変)。
偽装の薄い新型メルセデス・ベンツSクラス試作車が目撃!そのプロポーションや細部は意外と変わっていて、ほかのベンツとは異なるデザインを持つようだ