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ポルシェ・タイカンの予約が欧州のみで3万件突破!生産能力を考えると、今予約しても納車までは2年以上待つことになりそうだ

2019/12/18

| テスラ・サイバートラックには及ばないものの、唯一テスラに一矢報いたクルマとなりそうだ |

ポルシェが「欧州地域のみで」タイカンの予約が3万件を突破した、と発表。
タイカンは、欧州だと2500ユーロ、日本だと30万円を支払うと予約することが可能ですが、この予約ペースはポルシェ自身も「予想を超えている」と語っており、それもそのはずで「タイカンの生産は年間2万台」と当初見積もっていたため。
ただし現状の動向を反映し、ポルシェは少し前に「タイカンの生産計画を引き上げ、年間4万台とする」というアナウンスも行っています。

それでも「増産」したとして欧州のみで3万台、そしてこれにプラスされる北米の予約受注分を短期間で消化することは難しく、今からタイカンを注文したとしても、納車されるのは(早くても)2年後くらいになるかもしれませんね。

ポルシェ・タイカンのターゲットは「ミレニアル層」

タイカンは「テスラ・モデルS」を仮想ライバルとして捉えているようですが、想定するユーザー層はテスラとは大きく異なっていて、それは「ミレニアル層」。
ミレニアル層とは、2000年代(2000-2009年)に成人する世代として一般に認識されており、アメリカのシンクタンクによると1981年~1996年生まれの人々だと定義。

この世代はいわゆるデジタルネイティブという言葉にも置き換えることができ、ポルシェがタイカンの客層をそこに合わせるのは「やっぱクルマはガソリンエンジンじゃないとな・・・」という人々を(タイカンでは)切り捨てるということや、クルマの操作系そのものが「デジタル」になっていることが関係していそう。

そのためかアメリカ等いくつかの地域だと「スター・ウォーズ」とのタイアップといった、これまでとは全く異なるプロモーションを展開していて(今やスター・ウォーズの主要顧客層は、第一作目を見た人々ではなく、新たに入ってきた若年層)、日本においてもバーチャルモデルのimmaとのコラボレーションによるキャンペーンを展開していますね。

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ただ、現在のところ(北米では)タイカンを予約している人々の多くは「テスラからの乗り換え」だとも報じられ、「クルマに魅力を感じない」ミレニアル層を取り込むのは簡単ではなさそうですね。

タイカンは日本でも好調な滑り出し

タイカンはつい先日、日本でも正式に発表され、国内数カ所で内覧会も行われたばかり(都内では一般向けの展示も)。
現時点では受注台数を公表していないものの、予約者の70-80%はポルシェにとって新規客だとされ、ポルシェ・ジャパンは新しい顧客を獲得することに成功した、と言えそうです。

なお、実際にタイカンを自分の目で見て、触れてみると、EVにありがちな退屈さはそこになく、スポーツカーのような躍動感を感じさせます。

そして多くのEVに対しては「運転してみたい」という感情すら湧かなかったり、運転してみたいという理由も「ちょっとどんなモンか興味があって」という、あたらしいガジェットにでも触れるような好奇心からのものであったりしますが、タイカンに関しては、「このクルマのステアリングホイールを握り、意のままに走らせてみたい」という、パワフルなガソリンエンジンを搭載するスポーツカーを目の前にしたときと同じような感情の昂りを禁じえないわけですね。

現在欧米では「ジャガーI-PACE」「メルセデス・ベンツEQC」「アウディe-tron」といった新しいEVが発売されているものの、好調なのはタイカンのみ(報道を見る限り)。
その結果からしても、ぼくだけではなく、ほかの多くの人にとっても、他社のEVには魂を揺さぶられる「何か」が感じられない(そして、ポルシェ・タイカンにはそれがある)のかもしれません。

ただ、テスラ・サイバートラックは発表から数日で「予約25万件」に達しており、ポルシェ・タイカンの「3万台(欧州のみですが)」に比較して桁違いの人気を誇ることもわかり、「さすがはどの自動車メーカーからもベンチマークされるだけのことはある」といったところですね。

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