| 「年2−3%しか進化しない」リチウムイオンバッテリーでは役に立たない |
ポルシェの開発部門を率いるミヒャエル・スタイナー博士がCar Magazineに語ったところによると、「(718後継となる)次期ケイマン、ボクスターのエレクトリック化は見送りになるかも知れない」とのこと。
なお、ポルシェは987世代から現在まで続けてフルエレクトリック版のボクスター/ケイマンをテストしていて、次期ボクスター/ケイマンについてもエレクトリック化されることになるという説が濃厚であり、昨年12月には何らかの結論が出される、と報じられたことも。
問題はバッテリー重量
ポルシェが次期ボクスター/ケイマンのエレクトリック化を見送るという理由については「リチウムイオンバッテリーの重量」。
つまりは性能に比較してバッテリーが重すぎるということで、ポルシェの求める性能を発揮するだけのバッテリーを積むと、重量が嵩みすぎてスポーツカーとしては機能しない、ということに。
ポルシェによれば現在のバッテリー密度が向上する速度は「年2−3%」だそうで、この速度だと数年経ったとしてもポルシェの求めるレベルには程遠く、ポルシェとしては「なんらかの根本的なブレイクスルーが必要」。
かつてポルシェは同様のコメントを発したことがあり、このときには「ブレイクスルー=ソリッドステートバッテリーの登場にはあと4−5年ほどかかる」と述べ、よって2025年まで次期ハイパーカーの発売はない、とも。
ポルシェ「918スパイダー後継は2025年までは発売できないだろう」。バッテリー技術がポルシェの求めるレベルに達するのに5年はかかる模様
さらにはフェラーリも同様のコメントを発していて、やはりピュアエレクトリックカーの発売は早くとも2025年以降になりそう。
フェラーリ「いずれはピュアエレクトリックモデルを発表する。だが、それは2025年以降になる」。やはり現在のバッテリー技術はスポーツカーにとっては「不足」?
そしてポルシェは「現在のバッテリーレベルだと、それを積むとスポーツカーとは言えないシロモノになる」とも語り、よってタイカンに次ぐEV第二弾は「マカン」になるとも述べています。
つまりボクスター、ケイマンのエレクトリックモデルは「先送りされた」と考えてよく、今後どうなるかがいったん白紙になったということなのかもしれません。
なお、次世代バッテリー=ソリッドステートバッテリーについては現在多くの自動車メーカーが実用化に取り組んでいて、ポルシェはじめBMW、アウディ、トヨタもその急先鋒。
そのほかウィリアムズやリマックもかなり実用化に近いポジションにいるとも報じられていますね。
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VIA: Car Magazine