| 2018年の発売以降、すでに120台をデリバリー |
メルセデスAMGが「AMG GT4」最新モデルを発表。
これは純然たるレーシングカーであり、プライベーター向けのいわゆるカスタマーカー。
今回の外観における変更点としてはボンネット形状のアップデート、ライティングユニットの改良が主なものだそうですが、とくにこのライトは夜間の視界確保に大きな威力を発揮するとしており、耐久レースでは強い味方となってくれそうですね。
運動性能はそのままに耐久性をアップ
ただしレーシングカーだけあって改良の重点はそのパフォーマンスに置かれ、まずはブレーキシステムが大幅に強化。
カーボン製の冷却用ダクト、大容量ブレーキライン、新型ブレーキディスクを備えて耐フェード性を向上させており、これもやはり耐久レースでは効力を発揮しそう。
そのほか細かいところだとオイルクーラー、リアトラックロッドがAMG GT3から移植されており、これもやはり耐久性の向上に貢献することに。
エンジンはおなじみ4リッターV8ツインターボ、出力は476馬力。
ロードカーのAMG GT Rに比較すると低い数値ですが、これはおそらくリストリクターによって制限されているものと思われます。
トランスミッションは規定によって6速シーケンシャルへと変更されており、0−100km/h加速は4秒以下、最高速は250km/h。
新車価格は邦貨換算にて2600万円ほどに設定され、すでに過去モデルを使用しているチームに対してはクルマを買い換えなくとも済むよう、「アップグレードパッケージ」が提供される、とのこと。
メルセデスAMG GT4は2018年に発売が開始されていますが、すでに120台をデリバリーしており、ポディウムにドライバーを送り込んだのは137回、優勝回数は53回という輝かしい戦績を残しています。
日本にいるとなかなか実感が湧かないものの、欧州ではGT4クラスの人気が非常に高く、「安価にレースができるカテゴリ」として注目を集めていると報じられています。
実際に多数のメーカーがGT4クラス向けのレーシングカーを投入していて、いずれも大きな成功を収めているようですね。
そのほか、GT4クラスにはこんなクルマも参戦中
上述の通り、現在GT4は人気が加熱しているカテゴリですが、その中ではアウディGT4LMSも「最も成功したGT4レーシングカー」のひとつ。
アウディR8 GT4 LMSはロードカーのR8と同じラインで製造されており、アウディにとっても「製造コストが比較的低いレーシングカー」だと言われます。
そしてポルシェ718ケイマンGT4クラブスポーツも非常に人気が高い車両であり、というのも車両価格が2000万円程度と比較的安価で、消耗品の価格も安く抑えられているため。
その(安価な)理由としては、GT4クラス参戦のために「特別な改造を施す」部分が少ないためですが、つまりポルシェにおいては「もともとロードカーとレーシングカーとが非常に近い」ということになりますね。
そしてスープラもGT4クラス用レーシングカーを発表済み。
マクラーレンも「570GT4」にてGT4へと参戦していますが、こちらはカーボンモノコックシャシーを採用しているために「素性」が他の車とは異なり、その戦闘力がかなり高そう。
マクラーレンが「もっとも成功したGT4マシン」のひとつ、570GT4の2020年モデル発表。ほかのGT4マシンよりも高価な2580万円なるも勝利の代償としては高くない?