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ブガッティ・ヴェイロンの計画は、VW会長が来日して列車で移動中に書いたメモから始まっていた!そのメモが公開に

2020/04/18

| 往々にして天才は「思いつき」を実現する |

Bugatti-memo

早いものでブガッティ・ヴェイロンが発売されてから15周年。
発表自体は2000年に行われ、その後「量産車初の1,000馬力オーバー、時速400キロオーバー」という看板を引っさげて2005年に発売が開始されています。

購入資格を厳しく制限し、その制限内容は社会的地位や職業にまで及んだために購入できる人は文字通り「一握り」となり、予定販売台数の400台を販売するのに10年を要することに。

ただ、これは売れなかったというわけではなく、買う資格を持つ人々が少なかったということになり、その証拠に「新車でヴェイロンを購入することが許されない」人々が中古車を買い求めたため、中古車の方が新車よりも高いという状況が当初から継続しています。

ブガッティはその価値を継続して上げている

さらにヴェイロンの価値を上げたのは後継モデルのシロンで、ヴェイロンの新車価格が1億7000万円程度であったのに対し、シロンはその倍近い3億2000万円程度で販売開始。

これにヴェイロンの中古相場が引っ張れることになり、これによってブガッティの過去モデルまで価格が上がることになって、1991年発売のEB110の価格は2011年の相場比で7.3倍に上昇している、とも報じられています。

ブガッティの中古相場が急上昇!ヴェイロン、EB110の値上がりが激しくEB110は7.3倍に。その理由、そしてブガッティの戦略的思考を考える

そして今回、ブガッティは「ヴェイロンを振り返る」コンテンツをリリースし、そこで当時のフォルクスワーゲン会長であったフェルディント・ピエヒ氏が日本を訪れた際に列車の中で、封筒へと書きなぐったW18エンジンのスケッチを公表。

画像を見ると文字どおり「封筒」なのがユーモラスですが、サルバドール・ダリは「カフェにて、テーブルにあったナプキンにチュッパチャップスのパッケージのスケッチをその場で思いついて描き、それが商品になった」とされるので、往往にして天才というのは”こんな感じ”なのかもしれません。

フェルディナント・ピエヒ氏がこのラフを描いたのは1997年の出来事だそうですが、この段階ではフォルクスワーゲンの「VR6」エンジンを3基連結した6.25リッター自然吸気エンジンをイメージ。

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出力は555馬力、そして「究極のスムーズさ」を持つという想定から高級セダンそして高級クーペに使用することを考えていたようですね。

なお、フェルディナント・ピエヒ氏はポルシェ一族の一人であり、メルセデス・ベンツやアウディにて功績を重ねた人物。

ポルシェでも数々のレーシングカーの設計に携わっていますが、なんといってもアウディにて「クワトロ」を開発したことが大きく、これがアウディの礎を作ったと言っても過言ではないほどです。

そして1993年にフォルクスワーゲン会長に就任したのちはブガッティの商標権取得、ランボルギーニやベントレーの買収といった「大排気量エンジンを持つ会社(ブランド)」を積極的に傘下へと納めています(ロールスロイスにも手を出したが、これはBMWに持って行かれる)。※とにかく大排気量、ハイパワーが好きだったようだ

ポルシェ創業者一族、フェルディナント・ピエヒ氏が亡くなる。アウディ・クワトロ、ブガッティ・シロンなどグループの「顔」をつくり続けた豪傑

その後はブガッティブランドにてEB118(1998)、セダンボディを持つEB218(1999)、同年にはW18/3シロンも発表。

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なお、このW18/3シロンはディアブロVTのシャシーを使用し、スケッチのとおりVR6を3期繋げたW型18気筒エンジンを搭載(それが車名のW18/3)し、予定通り555馬力を発生したというシロモノです。

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こんなコンセプトカーもあった。ディアブロのシャシーを使用したブガッティW18/3シロン

その後もEB18/4ヴェイロンを1999年の東京モーターショーにて発表しており、これがその後の「ヴェイロン」市販モデルに繋がることに。※2000年のパリ・サロンにて、スペックなど市販モデルのヴェイロンについての詳細が発表されている

こういった成り行きを見るに、ブガッティ(というかフェルディナント・ピエヒ氏)は当初からブガッティにサルーンを設定する予定を持っていて、となるとブガッティからたびたびセダンの話が出るのもこれまた納得。

このほかブガッティは様々な「ボツネタ」を公開していますが、数々の試作車の上に現在のブガッティが成り立っていることもわかります。

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