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インドだとスズキはほぼ独占企業だった!市場シェアは50%を超え、「2台に一台はスズキ」。いったいなぜ?

投稿日:2020/05/15 更新日:

| スズキは自ら運を引き寄せる行動力を持っている |

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さて、東洋経済にて、インドでスズキがとんでもなく売れている、という記事。

インド市場においてスズキが圧倒的な強さを誇るというのは常々報道されるとおりで、かつてはスズキのインドにおける強みを見込み、フォルクスワーゲンがスズキの株式を取得したほどでもあります(現在はスズキが株式を買い戻している。国際仲裁裁判所を巡って争うなど、両者の間では埋めがたい溝があった)。

なお、現在スズキはインド市場においてはトヨタとの提携を行っていて、もちろんこれはトヨタがスズキの持つインドでの強みをアテにしたものであり、それほどまでにスズキは「インドで強い」ということになりますね。

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スズキのインドにおけるシェアは51.2%

そして記事によると、インドにおけるスズキのシェアは51.2%。

2020年4月の国内自動車販売において、ベスト10のうち8台を占めたトヨタの(国内)シェアが31.5%なので、この「50.1%」はもはや独占状態だと考えて良さそう。

ちなみにインドの自動車市場は(中国、アメリカ、日本、ドイツに次ぐ)世界第5位に位置し、2018年にスズキが販売したのは172万9826台だそう。

そしてこの台数はトヨタが日本国内で販売した台数を超えているので、つまり「スズキはインド国内でとんでもなくクルマを売りまくっている」ということになりますね。

話をインド市場に戻すと、2020年2月における「2番手」はヒュンダイで、その販売台数はスズキの13万3702台に比較して30%以下の4万10台にしかすぎないと報じられていますが、とにかくスズキのインドにおけるプレゼンスは絶大ということになりそう。

なぜスズキはインドで支持されたのか

なお、スズキはインドにおいて単独で展開しているわけではなく、当初の現地パートナーはもとインドの国営企業で、これとの合弁によって設立されたのが「マルチ・ウドヨグ」。

そのマルチ・ウウドグが民営化され、スズキが出資比率を引き上げて社名変更を行ったのが現在のインドにおけるスズキの現地法人、「マルチ・スズキ・インディア」となります。

そしてスズキがここまでインドで人気を博した理由ですが、それは「現地の嗜好にあわせたから」だと言われます。

これについては様々なメディアで報じられていて、スズキいわく「インドの嗜好は集約化されていて、商品に反映させやすい」。

たしかにぼくもそのとおりだと考えていますが、たとえばインドの人は「服装や髪型がほぼ同じ」である場合も多いようですね。

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ぼくの考えるインドの人々の特徴として、多くの外国人や外国文化が入ってきたとしてもそのスタイルを変えようとしない(自己を堅持する)というところがあって、これは日本とは大きく異るところです。

さらには食べ物や音楽、映画についても同様であり、そういったインド人の嗜好は「どうやっても崩せない」らしく、たとえば日本にやってきたインド人も「日本に染まることなく、ずっとインド人のまま」。

日本であればその嗜好が流行によって左右され、かつ外来文化によって変化しやすく、そのために人々の思考は同時多発的に多様化しています。

よって、日本だと「トレンドを取り入れた製品を開発し、しかしようやく発売した頃には流行遅れ」ということにもなりかねないわけですが、インドだと「いつまでも安定のインド」となり、メーカーとしては非常に「読みやすい」のかもしれません。

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「じゃあインドで売るにはインドに合わせればいいじゃない」ということになりそうですが、これが意外と難しいと見え、インド人の嗜好を把握できたとしても、「本社の偉い人」にそれが伝わらず、かつブランディングの観点からインドだけを「特別仕様」や「専用デザイン」とすることを嫌がるようで、現地にあわせるというよりは、現地の人を自社にあわせるように求めるという感覚なのかもしれません。

このあたりはアメリカの企業に強く見られる傾向であり、いくつかの米小売が日本に進出しながらも、日本の消費スタイルに合致しない販売方法や商品展開によって結局「売れず」に撤退していることでもよくわかりますね(アメ車が日本や、他の国に合わせた展開をしないのも同様)。

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そして記事に話を戻すと、インドでは全長4メートルを超えると税金が高くなるため、マルチ・スズキ・インディアで販売するクルマは14車種のうち、じつに10車種が全長4メートル以内に抑えられているといい、現地法人のデザインした”エスプレッソ”や、エスクードの全長を短くした”ビターラ・ブレッツァ”といったモデルも。

さらにはこれも現地の嗜好を反映させた「ジムニー5ドア」を生産するとも報じられていますが、こういった感じで「ちょっとだけ仕様を変えただけではなく、構造すら現地の好みに合わせて変更する」スズキのフレキシブルさがインド人に評価されているとも言えそうですね。

なお、ボディカラーについてもレッドやブルー、オレンジといった明るい色が多いようで、これもまた現地の好みを反映したものかもしれません。

スイフトについては、こんな感じでカスタムが可能であり、これもやはりインド人のカスタム魂を刺激する仕掛けだと思われます(道路事情を反映し、日本仕様のスイフトよりも最低地上高が上げられているらしい)。

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スズキ・ジムニー5ドアが12月から販売開始との情報。ただし生産はインドの「マルチ・スズキ」

この記事のもくじ1 | インドでは6月から3ドア版ジムニーが生産される予定 |1.1 もともとインド工場は生産経験が豊富2 ジムニーはまだ「3ドアから5ドアへの変更」が容易?3 日本での「ジムニー5ド ...

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このほかにスズキが「インド市場を制覇し得た」理由としては、単に進出が早かったから、ということも外せないとは思います(中国にて、フォルクスワーゲンが圧倒的に強いのも、やはり一番に市場に進出したからだと言われる)。

国民にクルマを普及させようとしていたインド政府の思惑と、スズキのインド進出のタイミングがマッチし、そこでインド政府のバックアップを様々な面で得られたとも考えられますが、これは単なる「運」として片付けることは出来ず、スズキ創業者の出身地である静岡県西部「遠州」に伝わる精神のひとつ、「やらまいか(やりましょう)」に則り、スズキがまっさきに動いたからこそ「自ら呼び寄せ得ることが出来た」運だと解釈すべきなのかもしれません。

VIA:東洋経済

 

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