
| 2025年10月 輸入車市場の最新動向と注目のトピック |
前年同月比では「110.8%」と好調に推移
2025年10月の外国メーカー車新規登録台数が発表され、その合計は17,525台となって前年同月(15,811台)と比べて110.8%となったことが明らかに。
市場全体としては好調に推移していることがわかりますが、例によって「勝ち組」「負け組」がはっきりしており、ざっと先月の状況を見てみましょう。
1. ドイツ御三家の熾烈なトップ争い
長年の輸入車市場を牽引してきた「ドイツ御三家」(メルセデス・ベンツ、BMW、VW)は、引き続き上位を占めています。
- メルセデス・ベンツ:トップの座を維持していますが、前年同月比では93.6%とわずかに減少。累計台数でも前年を下回っており、戦略的なモデル投入が今後の鍵になりそうです。
- BMW:こちらも当月台数は前年比82.4%と減少していますが、1月からの累計台数では104.1%と前年超えを達成。特定の車種の人気や供給体制の安定がうかがえます。
- VW(フォルクスワーゲン):前年同月比178.0%という驚異的な伸びを記録し、3位に急浮上。これは、新型車や人気モデルの供給体制が整った結果だと推測され(とくに人気を集めるニューモデルは発売されていない)、なんだかんだいいつつも「根強い人気」を持つことがわかりますね。
2025年10月 外国メーカー車 新規登録台数ランキング TOP30
| 順位 | ブランド名 | 当月台数 (a) | 前年同月台数 (b) | 前年同月比 (a/b %) | 1月からの累計台数 (c) |
| 1 | Mercedes-Benz(メルセデス・ベンツ) | 3,338 | 3,568 | 93.6 | 41,683 |
| 2 | BMW | 2,389 | 2,899 | 82.4 | 29,181 |
| 3 | VW (フォルクスワーゲン) | 2,100 | 1,180 | 178.0 | 26,253 |
| 4 | Audi(アウディ) | 1,843 | 1,005 | 183.4 | 19,347 |
| 5 | BMW MINI | 1,498 | 1,970 | 76.0 | 15,908 |
| 6 | Volvo(ボルボ) | 923 | 792 | 116.5 | 9,474 |
| 7 | Porsche(ポルシェ) | 829 | 670 | 123.7 | 8,622 |
| 8 | Jeep(ジープ) | 642 | 784 | 81.9 | 7,101 |
| 9 | Land Rover(ランドローバー) | 312 | 438 | 71.2 | 6,956 |
| 10 | Peugeot(プジョー) | 492 | 407 | 120.9 | 5,578 |
| 11 | Fiat(フィアット) | 313 | 301 | 104.0 | 3,241 |
| 12 | BYD | 317 | 146 | 217.1 | 3,216 |
| 13 | Renault(ルノー) | 250 | 281 | 89.0 | 2,580 |
| 14 | Citroen(シトロエン) | 261 | 196 | 133.2 | 2,317 |
| 15 | Ferrari(フェラーリ) | 150 | 124 | 121.0 | 1,262 |
| 16 | Alfa Romeo(アルファロメオ) | 149 | 43 | 346.5 | 1,238 |
| 17 | Hyundai (ヒョンデ) | 123 | 32 | 384.4 | 842 |
| 18 | Lamborghini(ランボルギーニ) | 78 | 81 | 96.3 | 812 |
| 19 | ABARTH(アバルト) | 26 | 128 | 20.3 | 651 |
| 20 | Maserati(マセラティ) | 50 | 43 | 116.3 | 628 |
| 21 | Cadillac(キャデラック) | 19 | 21 | 90.5 | 441 |
| 22 | Aston Martin(アストンマーティン) | 35 | 53 | 66.0 | 379 |
| 23 | Rolls Royce(ロールス・ロイス) | 51 | 32 | 159.4 | 379 |
| 24 | Bentley(ベントレー) | 39 | 43 | 90.7 | 369 |
| 25 | BMW Alpina(アルピナ) | 53 | 18 | 294.4 | 365 |
| 26 | DS | 23 | 31 | 74.2 | 327 |
| 27 | Chevrolet(シボレー) | 19 | 40 | 47.5 | 275 |
| 28 | McLaren(マクラーレン) | 26 | 28 | 92.9 | 230 |
| 29 | Jaguar(ジャガー) | 3 | 30 | 10.0 | 192 |
| 30 | Lotus(ロータス) | 11 | 45 | 24.4 | 161 |
2. EVシフトの波に乗る新興ブランドの台頭
その他の傾向としては、「日本市場への新規参入や再参入ブランドの勢いが目立つ」こと。
特に、EV(電気自動車)分野での存在感が高まっています。
- BYD:前年同月比217.1%、累計でも170.3%と絶好調。EVモデルのラインナップ拡大と価格競争力が着実に日本のEV市場で支持を集めている証拠と言えそうで、しかも軽規格の「Racco」を発表したことにより、軽自動車市場においてもいる奥を発揮しそうですね。
- Hyundai(ヒョンデ):当月は前年比384.4%という圧倒的な伸びを見せ、累計でも162.5%と急成長。EVを中心に据えた戦略が環境意識の高い消費者や新しいもの好きの層に響いていると考えられます(おそらくはコンパクトEV、インスターが大きく販売伸長に貢献)。
3. 欧州ブランドの復調とプレミアムブランドの安定性
- Audi、Volvo、Porsche:それぞれ前年比で183.4%、116.5%、123.7%と大幅増を記録しており、車種ごとの魅力が市場に浸透していることがわかります。
- Alfa Romeo:当月346.5%という驚異的な伸びは、新型SUV(ジュニア)など戦略的な新モデルが市場に受け入れられた可能性を示唆していますが、あらためて新車投入の重要性が再確認される結果に。
- Ferrari、Lamborghini:これらプレミアム・スーパーカーブランドも概ね前年比100%超を達成しており、富裕層向けの市場は引き続き安定していることがわかります。
一方でミニ、ベントレー、アストンマーティン、マクラーレン、ロータスといったブランドの人気は芳しく無く、唯一英国ブランドで気を吐いているのがロールス・ロイス(159.4%)。
現在世界中にてロールス・ロイスは飛ぶ鳥を落とす勢いではありますが、あらためて「それだけ買う人がいるんだ・・・」と驚かされますね。
あわせて読みたい、関連投稿
-
-
【試乗:マセラティ グランカブリオ】まさかマセラティがこんなに素晴らしい車を作るとは・・・。しかもこんな車はイタリア人にしか作れない
| これだけ素晴らしいクルマであるにもかかわらず人気が出ないのは「もったいない」 | 前ステランティスCEOが指摘した通り「プロモーション」さえ適切であればもっと売れるはずである さて、マセラティのイ ...
続きを見る
-
-
元ステランティスCEO、「自動車メーカーは中国に飲み込まれ、生き残るのはトヨタとヒョンデ、BYDと吉利、あとはせいぜい2社くらい」
| カルロス・タバレス元CEOが欧州自動車業界の未来をめぐり“辛口予測” | あまりに悲観的ではあるが、「そうなってしまう」可能性も否定はできない かつてステランティス(Stellantis)を率いた ...
続きを見る
-
-
ヒョンデの「ロボット犬」、SPOTが案内する”カスタマー エクスペリエンス センター大阪”ツアーへ。このSPOTの動物らしさというか人間っぽさには驚きである【動画】
| 過去には何度か動画ではその動きを見ていたものの、実物は「動画以上」である | ロボットにここまで「人間臭い」動きができるとは さて、ヒョンデが今年5月に新しく開設した拠点、「カスタマー エクスペリ ...
続きを見る
参照:日本自動車輸入組合















