| 全車ハイブリッド/ピュアエレクトリック化する前にはガソリンエンジンの”ナローボディ”を最終モデルとして出して欲しい |
さて、ポルシェはつい先日、「第三のボディ形状」を持つ911タルガを発表したところですが、現在ポルシェにおいてスポーツモデル(911、718ボクスター、718ケイマン)の開発を統括するフランク・シュテファン・ヴァリザー氏が意味深な発言を行った模様。
同氏はこれまでにも918スパイダーの開発に携わっており、これまでのアウグスト・アハライトナー氏の後任として現在のポジションに就いた人物です。
ポルシェ911の開発担当はオタク揃い
ちなみにアウグスト・アハライトナー氏は「聖杯の守護者」として911ファンから崇められていて、というのもこれまで3世代に渡る911を開発してきたから。
そして911において残すべきものとは何か、進化させるべきものとは何かを常に考えており、「911ほど相反する要素が同居するクルマもほかにない」と語ったことも。
そこで現在の聖杯の守護者たるフランク・シュテファン・ヴァリザー氏ですが、こちらも負けず劣らずのポルシェオタクで、自身の社会人生活をすべてポルシェで過ごしてきたという生粋のポルシェ人。
「コンパクトは911」は叶わぬ夢?
その彼が言うには「もうちょっと992を小さく作りたい」。
もちろん今の911に全く不満はないとしながらも、小さく軽い911を理想としており、そして同時に彼が言うには「それは叶わぬ夢だが」。
現在、911はターボエンジンを手に入れてどんどんパワーアップしており、しかし「RR」という構造的な問題を内包するためにどうしてもリヤのトレッドが拡大することに(それは初代930ターボを見ればよく分かるが、これによって安定性と安全性を担保している)。
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よって、992世代の911はそれまでの911とは異なって「全車ワイドボディ」を採用していて、全幅はそれまでの1835ミリから1850ミリへと拡大。
その前の997では1810ミリ、その前の996では1770ミリ、さらに前の993では1730ミリ、そのまた前の996ではわずか1660ミリ。
もともとポルシェ創業者自身が自分で会社をつくろうと考えたのは、「小型で効率の良いスポーツカーがどこにもなかったからだ」といく記録が残り、つまりもともとポルシェは「コンパクトであること」を目指して作られたわけですね。
現在もその思想は変わっていないと思われるものの、パワーアップにより、また市場の拡大によって「フールプルーフ」なクルマとする必要もあって車幅が拡大し続けているということになりますが、今後はハイブリッド化によってさらに重く大きくなるのは間違いなく、その意味でもフランク・シュテファン・ヴァリザー氏が「叶わぬ夢」と語ったのは正しいのかも。
ただ、一縷の望みとして、ポルシェ911がハイブリッドもしくはエレクトリックへと移行してしまう前に、「過去へのオマージュ」として、(エンジンをデチューンしてでも)ナローボディを出して欲しいというものも。
ポルシェのことなので、もしかしたら実際に「何かサプライズを用意してるんじゃないか」と思うこともあり、万が一実現すればですが、それは「パワーアップに伴う操縦安定性と安全性の確保」によって車体が大きくなり続けてきた911の歴史と逆行することにはなるものの、最後くらいはそういったコレクター向けのモデルがあってもいいんじゃないかとは考えています。
VIA: GoAuto