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レクサスLC "F"が開発中止になったとの報道。「人を切らない」のがトヨタの信条であり、従業員のためにLC Fは尊い犠牲になってくれたようだ

| コロナウイルスの影響にて「開発中止」「開発凍結」となるクルマが多数出てきそう |

さて、レクサスはLCのハイパフォーマンスバージョン、「LC F」を発売すると言われていましたが、今回はそのLC Fについて「開発中止が決定」との報道。

このLC Fは2年ほど前からニュルブルクリンクにてプロトタイプが目撃されていて、「レクサスからの、日産GT-RやホンダNSXに対する回答」となるはずだったワケですね。

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お膳立ては整っていたはずだが

そしてレクサスはニュルブルクリンク24時間耐久レースに出場するための(LCベースの)レーシングカー用に新型V8ツインターボを搭載し、このエンジンをLC Fに搭載するという計画を持っていたと見られ、バックグラウンドではLC F発売に向けて着々と準備が進められていたとも考えられます。

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ちなみにトヨタはルマン24時間レース用に開発された「TS050ハイブリッド」を持つものの、基本的には「市販車ベース」にてモータースポーツ活動を行っています。

その理由について、トヨタは「勝利だけを求めるならば、量産レーシングカーで走ったほうがずっといい」と前置きをしながらも、しかし量産レーシングカーではなく市販車ベースのレーシングカーで戦うのは「ベース車両の良い部分、改善しなければいけない部分を把握し、極限状態でも安心して走ることができるクルマにしていくなかで、いいクルマとはどのようなクルマであるのかを体得することが目的」だからとも述べています。

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これがひいては「ヤリスGR」のようにモータースポーツ参戦用のホモロゲーションモデルの開発や投入、もっと突き詰めると、それを可能にするための「ベースとなるヤリスの基本性能の引き上げ、後々の競技参戦を見据えた構造の採用」につながってくるのだと思われますが、ここ最近のトヨタは「モータースポーツと市販車との緊密な連携」を作り上げていたと考えられ、レクサス「CL F」も同様にモータースポーツからのフィードバックを受けるはずだったのかもしれません。

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ちなみにレーシングカーとしてのレクサスLCに採用される新技術としては、件の新開発V8ツインターボエンジンにはじまり「軽量高剛性ボデー構造、新開発空力アイテム、ドライバー支援アイテム」「軽量高剛性サスペンション、軽量化ホイール、高応答アブソーバー」「運動制御(車両安定制御システム、トラクション・コントロール、アンチロック・ブレーキシステム)」ということが明らかにされていて、LC Fはこれらの延長線上にある技術を採用し、さらにはトランスアクスル化によって前後重量配分を改善した”スーパースポーツ”となる予定であったのだろう、と考えています。

開発中止はやはりコロナの影響

そしてこの「レクサスLC F開発中止」については、コロナウイルスの影響によって”それどころじゃなくなった”からだと報じられており、つまりは選択と集中の「選択」からLC Fが漏れてしまったということに。

一方で、新開発のV8ツインターボエンジンはLC Fに限らず他モデルにも採用されることで「生き残る」とも言われていますが、これは中国での販売戦略(4リッター以上の排気量を持つクルマには高額な税金が課されて売りにくくなる)、そして環境規制(当然ながら小排気量ターボのほうがCO2排出量が少ない)を考えると納得がゆく部分ですね。※もちろん、この新型V8ツインターボは当初から様々なモデルに搭載することを想定していたと思われる

現在、多くの自動車メーカーがコロナウイルスの影響に苦しんでおり、「従業員を解雇せねばならない」という苦境に立たされていますが、トヨタ自動車は「人を切らない」のが信条でもあり、その代わりにLC Fが尊い犠牲になったのだ、ということなのかもしれません。

参照:Carsensor

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