| ただし全体的に見ると悪くはない |
km77による、トヨタGRスープラのムーステスト結果が動画にて公開。
「ムーステスト」は別名エルクテストとも呼ばれるもので、「ムース」=ヘラジカが道路に飛び出してきた際に回避ができるかどうか、という基準を図るもの。
主に欧州においてこういった(ヘラジカが飛び出してくる)状況が発生するようですが、「避けるだけ」では対向車にぶつかったり、山岳路だと崖の下に落ちたり、山肌にぶつかってしまうので、「避けた後にもとの車線に戻る」ことができるかどうかというのがムーステストの本質となります。※いわゆるダブルレーンチェンジ
ムーステストはこうやって行う
そして下の画像が一般に行われるムーステストの環境。
目前にムースが出現したと仮定して、自分の車線から反対車線に移動し、また自分の車線に戻ることを想定したパイロン配置を行い、その間を走り抜けるというものですね。
実際にGRスープラでムーステストを走ったらこうなった
そしてこちらが実際にGRスープラでムーステストを走った状態。
動画では複数回のチャレンジを記録しており、こちらは77km/hでのテスト。
いくつかパイロンに触れたり倒したりといった様子も見られますが、車体が非常に安定していてコントローラブルといった印象を受けます。
こちらは79km/h。
パイロンに突っ込んでしまい、つまり「ヘラジカを避けきれずにヒット」した状態だとも考えられます。
時速80km/hもやはり失敗。
テスターによれば、GRスープラに搭載されている「可変ステアリングレシオ」が他の車とは異なる感覚をテスターに与え、このフィーリングに慣れないとパイロンの回避は難しいとも述べています。
ただ、GRスープラのオーナーであれば、日常的にクルマの挙動に親しみ、その動きも把握していると考えられるため、緊急事態にもうまく対処できるのかもしれません。
そして動画ではスラロームテストも実施。
この様子を見ると、文字通り「スイスイ」と走っており、「アクセルを踏んでステアリングホイールを切るだけで」、つまり特殊なスキルを要せずに走り抜けることができているように見え、若干パイロンとの接触は(ムーステストで)あったものの、全般的に見て「挙動が安定しており、扱いやすく事故を起こしにくいクルマ」だと考えることができそうです。
ほかにはこんなクルマのエルクテスト結果が公開されている
そしてkm77ではその他多数のクルマにてエルクテストを実施。
こちらはマツダ・ロードスターですが、75km/hでギリギリクリア、それ以上だと車体の姿勢が大きく乱れ、ある程度のスキルが無いと制御が難しいんじゃないかという印象です。
同じ速度域、同じFRレイアウトであってもGRスープラとまったく異なる動きを示しているのが面白いですね。
こちらはフォルクスワーゲン・ゴルフの最新モデル、ゴルフ8。
欧州車なので難なくクリアできると思われたものの、69km/hまではクリア、しかし75km/hだと最初の回避の時点でもうアウト。
こちらはメルセデス・ベンツGLB(4WDモデル)。
重量が重く重心が高いクルマであるにもかかわらず、75km/hをクリアしています。
なお、それ以上の速度域では失敗に終わるものの、かなりコントローラブル、といった印象も。
メルセデス・ベンツは「安全性」に高いプライオリティを置く自動車メーカーで、こういったところを見ると「信頼できる」という印象ですね。※Aクラス発売時には、エルクテストに失敗して発売が延期されたことがあり、よってエルクテストには特段の注意を払っているのかも
こちらはトヨタC-HR。
驚いたことに75km/hをクリアし、80km/hでも「クリアできそうな」ポテンシャルを見せています。
こちらはマツダCX-30。
76km/hまではパイロンに触れながらもクリアでき、しかし78km/hではもう制御不能。
逆に「高い速度域でもクリアできた」のはテスラ・モデル3。
とんでもない安定性、操縦性を見せており、文字通り「スポーツカー以上」のドライバビリティを見せています。
こちらはメルセデスAMG GT Rですが、79km/hでは余裕、しかし80km/hを超えたあたりから挙動が怪しくなり、85km/hでは制御不能に。
AMG GT Rは「超」がつくハイパフォーマンスモデルではあるものの、意外や他の車同様に高い速度域では制御が難しく、どのようなクルマであっても「スピード出しすぎ」は禁物で、性能を過信してはならないということですね。
ポルシェ911(992)では時速80キロまではテールをスライドさせながらクリア、しかし81km/hでは制御不能に。
これを見ると、まだメルセデスAMG GT Rのほうが安定していて、その上を行くのがテスラ・モデル3ということになりそうです。
こちらはテスト結果が酷評されたトヨタRAV4。
71km/hではなんとかクリアするものの、その動きは危なっかしく、乗っている人は生きている心地がしないかも。
72km/hになると完全に制御を失っており、事故に繋がりそうだという印象も受けることになります。
参照: km77.com