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メルセデス・ベンツが通信技術に関する特許争いでノキアに敗訴し、ノキアが「ベンツの新車販売を停止させる権利を得た」との報道

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| こんなことになるまでメルセデス・ベンツは相手と闘っていたとは |

ドイツにて争われた訴訟にて、メルセデス・ベンツが「敗訴し」、ドイツ国内のみではあるもののメルセデス・ベンツの販売が禁止される可能性があるとの報道。

ちょっと驚きではありますが、これは「メルセデス・ベンツが、ノキアが特許を保有する無線通信技術について、許可を受けずに使用している」という判断が下されたもので、現在メルセデス・ベンツの新車にはすべてこの技術が採用されているため、ノキアが望めば「メルセデス・ベンツの新車販売をすべからくストップさせることができる」ようですね。※追記:実際の事態は遥かに複雑であり、ノキアが技術を供与したのは「メルセデス・ベンツに対して」であって、メルセデス・ベンツの車両に搭載される通信システムを構築した”サプライヤー”であるコンチネンタルに対してではなく、しかしコンチネンタルがこの技術を使用した(メルセデス・ベンツが又貸しした?)ことが問題となっているようです。情報ありがとうございました

実際にノキアが販売を差し止めるとは考えにくい

ただ、ノキアが実際に販売差し止めを行うには別途申し立てを行う必要があるなどそれなりに労力とコストが掛かり、その割に「お金が入ってこない」ということに(損害賠償を別途請求すれば事情は異なりますが)。

加えてメルセデス・ベンツも「販売できなくなる」事態は避けたいと思われ、ノキアに「特許使用料」を支払って車両販売を継続するということが双方にとってもっとも良い解決策だとは思われます。

なお、近年の自動車においてはエレクトロニクスが占める割合が年々増加しており、これが自動車を高くしている原因のひとつ。

昔は「車体とエンジン含むドライブトレーンと足回り」を作ればよかったものの、その後はABSやトラクションコントロール、そしてエアバッグ、さらには自動運転や運転支援、コネクティビティといった具合にどんどんクルマが複雑化してしまい、現在では(2000年代はじめには20%だった)電子制御が車両の80%にまで及んだという統計もあり、文字通り現代のクルマは「走る家電」化している、ということに。

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いまやエレクトロニクスの自社開発はリスクが高い

こういった状況になると自動車メーカーにとって負担となるのがその開発費。

今までは縁のなかったエレクトロニクスを手掛けるとなると専門の会社を買収したり人材を育成したりとなにかとコストが掛かり、かつその出来栄えについても疑問符がつきまとうわけですね。

かつ、今回の訴訟のように「相手の持っていた特許」に抵触してしまうというリスクがあり(今回のノキアとメルセデス・ベンツとの訴訟の経緯は不明ですが)、これは”知らなかった”では済まされない事態にまで発展します。

よって、いくつかの自動車メーカーが考えるのが「専門のサプライヤーに開発を委託する」「特許保有元から技術を買う」というもので、これによって「一見コストが掛かるように思えるものの」より早く、より確実で安全な技術を手に入れることができる、ということになります。

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ちなみに現在、自動車メーカー各社が力を入れているのがインフォテイメントシステムではありますが、メルセデス・ベンツで言えば「ヘイ、メルセデス」でおなじみのMBUX。

これについては自社開発だと報じられるものの、一方では他社の開発したアップルカープレイやアンドロイドオートといったシステムで(一部を)代用するメーカーもあり、今後は「アレクサ」を使用する自動車メーカーも増えてくるものと思われます(アレクサは車両の機能の一部を制御できる)。

これら既存プラットフォームを使用するメリットとしては「他社もこれを使用する限り、他社に遅れることはない」「自社で多大なコストを割いて一からシステムを開発しなくてもいい」「特許抵触を気にしなくてもいい」というもので、デメリットとしては「相手にお金を支払わねばならない」「他社より先んじることができない」。

この「お金」「他社に先んじる」を重視するがあまり自社開発を行うケースもあり、しかし今回のように本末転倒になってしまう場合も(実際に車両にてインフォテイメントシステムを使用する側としては、インターフェースを統一してくれたほうがありがたく、自社単独開発はやめてほしいとも思う)。

そう考えると、ここは「(ノキアのような)専門の会社に任せたほうがいい」ということになるわけですが、ノキアはこの特許技術によって、年間1800億円ほどの収入があるといい、これは「今後自動車のコネクティビティが浸透するにつれ」どんどん増えてゆく、ということになりそうです。※最近ノキアの携帯電話を見なくなり、時代に乗り遅れたのかと考えていたが、全く逆で時代の先を行き過ぎていたようだ

参照:Bloomberg, Reuters

 

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