| しかもレトロな”モノブロック”ホイールにアナログスピードメーター/タコメーター |
メルセデス・ベンツが突如として自身のフェイスブックページに謎の投稿を行って世間を驚かせていますが、画像を見るにどうやらクラシカルな、そして時速300キロを標榜するGクラスを発表する模様。
なお、ハッシュタグにはメルセデス・ベンツのデザイナーであるゴードン・ワグナー氏の名、デザイナーそして起業家であるヴァージル・アブロー氏の名が確認できます。
ヴァージル・アブロー氏といえば、ルイ・ヴィトンのメンズラインにてクリエイティブディレクターを努めたり、ナイキとのコラボレーション、さらにはイケアとのコラボレーションでも知られる人物。
いわば現在のファッション界の最前線を走る人というワケですが、そのヴァージル・アブロー氏とメルセデス・ベンツとのコラボレーションというのがぼくにとってはかなり衝撃です。
驚くのはそれだけではない
そして画像を見ると、リアに背負っているタイヤのサイドウォールに「MERCEDES-BENZ」「GELANDEWAGEN」という文字が見えること。
このGELANDEWAGEN=ゲレンデヴァーゲンというのはメルセデス・ベンツGクラスが「Gクラス」と呼ばれる前に使用されていた呼称で、もともとのルーツである軍用車に使用されていた呼び名です(Gクラスの”G”はゲレンデヴァーゲンから来ている)。
なお、ゲレンデとは「地形」「土地」「山野」を表し、「ヴァーゲン」とは「車」なので、つまりゲレンデヴァーゲンとは「山野を走る車=オフローダー」ということになりますが、日本だと「ゲレンデ=スキー場」というイメージが強く、なんとなくスポーティーでオシャレな雰囲気があるからか「ゲレンデヴァーゲン」という呼び名が非常に好まれ、よって現在でもGクラスのことを「ゲレンデ」と呼ぶ人も多数(上述の通り、G=ゲレンデヴァーゲンなので間違いではない)。
ただしメルセデス・ベンツはすでに(公式には)ゲレンデヴァーゲンという呼称を用いておらず、しかしこれを今回表に出すということはすなわち「レトロ」ということになり、それを裏付ける要素の一つが「ホイール」。
これはAMGモノブロックスタイリング、AMGモノブロックスタイリングIIにて採用されていた「ディッシュ」タイプのデザインですが、その後AMGモノブロックは「III」へと進化し、この「モノブロックスタイリングIII」から5本スポークに。
よって、このディッシュホイールはすでに絶滅種ということになるものの、これを復活させたというのは当時のAMGファンのぼくにとってはまさに感涙モノ。※今回のティーザー画像で見られるホイールは現代風にアレンジが加えられている
ちなみに「AMG」はもともとロリンザーやブラバスのような「チューナー」であったものの、1999年にメルセデス・ベンツに吸収されており、よって当時のAMGは「メルセデスAMG」ではなく、しかしそういった細かいことはこの際どうでもいい、と考えています。
さらには現在のGクラスに採用されている「液晶メーター」ではなくアナログメーターを採用し、しかしスケールが「300km/h」というのも驚かされる部分です。
なお、タイヤは「スリック」のように見えるので、「ゲレンデ(山野)」なのにオンロードという、ヴァージル・アブローっぽい”異なる要素ミックス”が見られるワケですね。
正直なところ、このモデルが何なのか全くわかりませんが、これまでに無いメルセデス・ベンツ×ヴァージル・アブロー、そしてレトロな”ゲレンデヴァーゲン”となるといやがおうにも期待が高まってしまいます。