
Image:Porsche
| ドイツの自動車メーカーの「設立記念」はいつも波乱含みである |
この記事の要点(30秒チェック)
- 歴史的記念日: 1886年1月29日の「ガソリン自動車誕生」から140年。ポルシェがライバルへ異例の感謝を投稿
- シュトゥットガルトの絆: 同じ街に本拠を置く両社。伝説の名車「E 500」を共同開発した過去にも言及
- BMWの「一言」: 「車を発明してくれてありがとう。おかげで僕たちは『駆けぬける歓び』を発明できた」と絶妙な挑発
ライバルの垣根を超えた。ポルシェが綴った感動のメッセージ
2026年1月29日、ポルシェは公式Instagram、そしてFacebookページへとメルセデス・ベンツの過去の名車たちを写した11枚のスライドを投稿。
そこには、普段の激しい競争からは想像もつかない、敬意に満ちた言葉が並んでいます。
「親愛なるメルセデス・ベンツへ。私たちは情熱だけでなく、先駆者たちが築いたビジョン、そして故郷(シュトゥットガルト)を共有しています。モータースポーツへの愛も、偉大なレースで勝つ喜びも、そして挫折も、同じ友人も共有しています。
そして何より、伝説の『E 500』さえも共有しました。車はただ身体を運ぶだけでなく、心を動かすものであるという信念を共有しています。自動車の140年に、そしてこれからも続く多くの共有の瞬間に、乾杯。」
これに対し、メルセデス・ベンツも「ポルシェよ、温かい言葉をありがとう!これからも独自のやり方で、最高を目指して共に革新を続けよう」と粋な返信を送り、SNS上は温かい空気に包まれていたわけですが・・・。
空気を一変させたBMWの「愛ある皮肉」
この平和なムードに、バイエルンからの刺客「BMW」が参戦しており、彼らが自身のSNSに投稿したメッセージは、まさに「BMWらしさ」全開です。
「カール・ベンツが自動車を発明してくれたおかげで、私たちは『駆けぬける歓び(Driving Pleasure)』を発明することができました。誕生日おめでとう!」
「車というハードウェア」を作ったメルセデスに対し、「それを操る楽しさ」を究めたのは自分たちだ、という強烈な自負を込めたこの一言(2枚目の画像に要注目)。
これこそが、100年以上続くドイツメーカー同士の健全で熱いライバル関係の象徴と言えそうですね。
参考までに、BMWとメルセデス・ベンツ、AMGと「M」は過去にこういったやり取りや皮肉の応酬を行っていて(ときどきアウディも参戦する)、かつてメルセデス・ベンツの名物「ヒゲ」社長が定年退職した際、BMWはその社長のそっくりさんを動画に登場させて「ベンツを辞めたから、これでやっと好きなクルマに乗れるわ・・・」と言いつつも自身のガレージからBMWを引っ張り出す様子をYouTubeへと公開したことも。
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知っておきたい。メルセデス・ベンツとポルシェの深い関係
「なぜポルシェがメルセデスをお祝いするの?」と不思議に思うかもしれませんが、実は、この2社には切っても切れない深い歴史があります。
伝説の共同開発車:メルセデス・ベンツ E 500 (W124)
1990年代、経営難に陥っていたポルシェを救ったのは実はメルセデスからの依頼であり、当時、メルセデス・ベンツの生産ラインには収まらなかった幅広の「500 E(後のE 500)」の組み立てをポルシェが請け負ったという過去があるわけですね。
Image:Porsche(YouTube)
| 項目 | メルセデス・ベンツ 500 E / E 500 |
| 開発・製造 | メルセデスが設計し、ポルシェが再設計・組み立てを担当 |
| 生産場所 | ポルシェのツッフェンハウゼン工場(手作業) |
| 別名 | 「ポルシェが作ったメルセデス」「羊の皮を被った狼」 |
| 生産台数 | 約 10,479台 (1991-1995) |
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業界全体が「メルセデスの誕生日」を祝福
今回の140周年には、ドイツ勢だけでなく、アウディ、キャデラック、ボルボ、さらには中国の新興EVメーカーであるシャオミ(Xiaomi)やNio、XPengなどもSNSを通じて祝福の意を表しており、現在の自動車業界は「お祝いムード」となっています。
新しい知識:なぜ「1月29日」なのか?
1886年のこの日、カール・ベンツが「ガス発動機車(Motorwagen)」の特許を申請し、これが世界初のガソリン自動車の公式な誕生とされています。
つまり、メルセデス・ベンツの歴史は「自動車そのものの歴史」というわけですね。
Image:Mercedes-Benz
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H2:結論:最強のライバルこそが、最高の友である
ポルシェの感動的な賛辞と、BMWの小気味よい挑発。
このやり取りから見えるのは、お互いの実力を認め合い、競い合うことで自動車文化を140年間発展させてきたトップブランドたちの誇りです(自信がなければ相手に賛辞を贈れない)。
たとえ電動化や自動運転の時代になっても、この「熱い関係」が続く限り、ぼくらはこれからもワクワクするようなクルマに出会い続けることができるはずだと信じています。
Image:Mercedes-Benz
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