フェラーリの受注がコロナ前の水準にまで回復！10月は30％増、おそらくはローマとSF90ストラダーレの注文が多い？

｜　危機的状況にこそ力を発揮するのが「強いブランド」である証　｜

さて、フェラーリの受注が「コロナ前の水準にまで回復した」との報道。

フェラーリはつい先日、2020年第三四半期までの業績を発表していますが、数字を見ると（当然ながら）前年比で落としてはいるものの、コロナ禍を考慮すると十分すぎるとも言える結果です。

とくに日本においてはむしろ成長に転じているということも明らかになっていて、改めてフェラーリの高いブランド力を思い知らされる事態となっていたわけですね。

2020年10月の受注は大幅増

そして報道によると、2020年10月の受注は第1四半期に比較すると「30％増」。

その内訳は明かされていないものの、SF90ストラダーレ、ローマが大きく貢献しているのは間違いなさそう。

なお、フェラーリはローマに対し、ほかのフェラーリとは異なる「クラシカルで優雅な」スタイルを与えており、加えて快適な乗り心地をもって「サルーンやSUVに乗っている顧客の目を向けさせる」としていますが、これが実際に奏功したということなのかもしれません。

ちなみにカリフォルニア発売時、その受注の70％は「非フェラーリオーナー」からであったと言われており、ローマも同様もしくはそれ以上の新規顧客を呼び込むことに成功したのだと容易に想像できます。

日本市場においても、フェラーリは「非フェラーリオーナーに対し、ローマを体験することができる機会を設けてゆく」としており、今後さらに受注が増えるのも間違いなさそうですね。

ただし利益を引き上げたのはハイエンドモデル

しかしながらローマはまだ一般向けに納車が始まっておらず、よって直近の利益改善に貢献したのはV12エンジンを搭載したハイエンドモデルだとされ、これはすでに報じられたとおり。

とくにモンツァSP1/SP2といった高価格モデルが大きく利益に寄与しているということもフェラーリから語られていますが、今後は812GTSも利益率改善に貢献することになりそうです（改善しなくとも、フェラーリの利益率は業界トップクラスではあるが）。

加えて、発表を控えているSF90ストラダーレ・スパイダーも（オープンモデルは高価なので）売上高と利益を大きく押し上げるのは間違いなく、フェラーリの未来は当面「明るい」と考えていいのかもしれません。

今年の業績は予想の上限

そしてフェラーリによると、好調な受注にもかかわらず、今年の業績は「予想の上限」。

つまり予想を超えることはないということですが、これはフェラーリが予め「年間生産台数を決めて部品を発注している」ということに起因し、需要が増えたからといってすぐに増産を行えるわけでははないため（サプライヤーが急に増産分のパーツを用意できるわけではない）。

加えてフェラーリは「いたずらに増産するとブランド価値が下がる」ということを常に念頭に置いているので、この観点からもすぐに生産台数を増加させることはないのかもしれません。

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参照：Bloomberg