| 次にメルセデス・ベンツが狙う市場は「セダン型SUV」? |
さて、直近では新型Cクラスや新型SL、EQ Sのプロトタイプが目撃されているメルセデス・ベンツですが、今回は「全く意味不明な」ニューモデルが目撃された模様。
このプロトタイプは見たところメルセデスAMG C63をベースとしているように見えるものの、単に車高が上げられているだけではなく、車体そのものが持つ上下方向の「厚み」もAMG C63とは全く異なるようです。
なぜかホイールはアストンマーティン
そしてこのプロトタイプで注目すべきは、アストンマーティン初のSUVである「DBX」と同じホイールを装着している、ということ。
参考までに、現在のアストンマーティンCEOは前メルセデスAMGのCEOであったトビアス・メアース氏。
そしてつい先日、メルセデス・ベンツは「アストンマーティンの株式を20%まで買い進む」とコメントしており、両者の結びつきの強さをアピールしたところです。
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メルセデス・ベンツはアストンマーティンとの関係性を強める
これによる直接の変化は今のところ具現化されていませんが、おそらくはアストンマーティンが「せっかく自社にて60年ぶりに開発した新型エンジン」が採用前にボツになる可能性があり、これがメルセデス・ベンツ製の直6エンジンに置き換えられる、ともウワサされています。
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そしてこういった経緯を鑑みるに、おそらくメルセデスAMGとアストンマーティンとは今後車体を共有するという可能性もありそうで(メルセデスAMG GTとアストンマーティンDB12が兄弟になるかもしれない・・・)、今回目撃されたプロトタイプはその第一歩なのかも。
メルセデス・ベンツは「背の高いセダン」を発売するつもりだ
なお、メルセデス・ベンツは先ごろ発表した今後の計画において「EQS SUVとEQE SUV」という、おそらくは背の高いセダンを発売する可能性についても言及。
現時点ではもちろんこれらが「背の高いセダン」であるという確証はないものの、現在SUV市場は過密であり、しかし「常になにか新しいものを求めている」という昨今の自動車市場を鑑みるに、メルセデス・ベンツが「他社にない、新しいボディ形状」を率先して投入し、その市場での第一人者になろうとしている可能性はかなり大きい、とも考えています。
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実際のところメルセデス・ベンツは「アルティメット・ラグジュアリー・コンセプト」という「背の高いセダン」を発表しており、これの発売についても意欲を見せていて、今回のプロトタイプが「背の高い新型セダン」という線は十分にありそう。
そして、クーペSUVをGLC、GLEに設定しているのと同様に、この「背の高いセダン」をCクラスやEクラス、Sクラスに設定しないとも限りません。
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なお、SUVとセダンの融合については、先日報道された「次期クラウンはセダンをやめてSUV類型車になる」という内容からも見てとることができ、個々に活路を見出しているのはメルセデス・ベンツのみではない、ということですね。
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なぜメルセデス・ベンツはセダンにこだわる?
そこで気になるのが、メルセデス・ベンツやトヨタがなぜ「SUV」ではなく「SUV風セダン」に着目するのか、ということ。
セダンはすでに絶滅危惧種であり、撤退するメーカーも多数だと報じられています。
ただし売れないと言われるセダンであっても「売れている」国があり、それは中国。
中国の自動車市場における51%がセダンだと言う統計があり、つまり世界ナンバーワン自動車市場である中国は「セダン大好き」ということになりますね。
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なぜ中国市場ではセダンが好まれるのか?
この理由としてはいくつか上げられるものの、まずワゴン、ミニバンは商用車というイメージがあること。
つはりワンボックスや2ボックスでは「人と荷物」が同じ空間に乗ることになり、メンツを重んじる中国人はこれに我慢ができないと言われています。
そしてやはり国家主席や高級官僚がセダンを愛用していることからも、自分の地位を高く見せ、商売であくせくしなくていいというセルフプロデュースのためにセダンが「必須」と認識されているわけですね。※中国では「皇帝が使用していた」ということでヴァシュロン・コンスタンタンの人気が非常に高く、デザイン的にも同ブランドっぽい薄型+レザーストラップの腕時計が好まれるとされている。それくらい国家トップの影響力は強いようだ
なお、中国で2番めに人気のあるボディ形状は「SUV」であり、メルセデス・ベンツ、そしてトヨタは「中国市場でここから伸ばしてゆくには、人気ナンバー1と2の”セダンとSUV”とを合体させればいいじゃない」と考えたのだろう、とぼくは推測しているわけですね。
参考までに、中国で好まれる自動車デザインとは、「フロントグリルが大きく、リアがクーペ風」だとも言われており、フロントグリルについては各社がこぞって巨大化させていることからも「やっぱりそうなのか」ということがわかります。
そしてホンダはじめ各車が投入する「中国専売車」がやはり「フロントがイカツく、リアがクーペ風」な理由にも納得です。
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