| やはりダッジ・チャレンジャー・デーモンが公称値どおりの加速を発揮するのは難しそうだ |
さて、ダッジ・チャレンジャー・デーモンとポルシェ911ターボSとのドラッグレースという異色のカードがついに実現。
方やアメリカの「ドラッグレースキング」、方や向かうところ敵なしの加速を誇るジャーマンスポーツです。
両者とも加速を大きな武器とするものの差異は大きく、チャレンジャー・デーモンはフロントにスーパーチャージドV8をマウントして後輪を駆動。
ポルシェ911は水平6気筒ターボをリアに搭載して4輪を駆動します。
ダッジ・チャレンジャー・デーモンは「加速王」
ダッジ・チャレンジャー・デーモンは2017年に発表された限定モデル(3,300台)で、このインパクトによってチャレンジャーは名実ともにアメリカンマッスルの王者へと君臨することに。
やはり「パワーやスピードは非常に重要であり、実用面では無用であっても、セールスには貢献する」ということがわかります。
搭載されるエンジンは6.2リッターV8(スーパーチャージャー)で840馬力を発生(他モデルでは707馬力)。
もちろんエンジンそのものに手が入っていますが、スーパーシャージャーの容量を2.7リッターに拡大しており、ブースト圧も145.psiへとアップ。
さらにはピストン、コンロッドも新調され燃料ポンプは二段階式に変更のうえ、レブリミットも6200回転から6500回転へと引き上げられ、これも馬力向上に貢献しています。
https://www.flickr.com/photos/110074903@N02/50940011343/in/dateposted-public/ダッジ・チャレンジャー・デーモンは「本気すぎる」公道レーサー
なお、吸気については十分なエアを確保するためにエンジンルーム二箇所、フロントフェンダーの合計3ヶ所から行う、とのことで、「トルク・リザーブ・ローンチ」なる、強烈なスタートダッシュを可能にする吸気機構を有することも知られています。
トランスミッションは8速ATで、これはトルコン式となりますが伝達効率を18%向上させており、やはりドラッグレース用にチューニング。
タイヤも「市販車で初めて」ドラッグレース用タイヤ(NITTO製)を装着しますが、当然ながら低温や雨には極端に弱く、購入時には「気温15度以下では標準タイヤにて走行してはならない」という書面にサインさせられる模様。
これらによって0-100キロ加速は驚愕の2.3秒(もちろん市販車最速。ブガッティ・シロンですら2.5秒)、セロヨンのタイムは9.65秒、加速時には実に1.8Gを記録(これも市販車でもっとも高い数字)するという、もはや規格外の「公道走行可能なドラッグレーサー」となっているわけですね。
さらに標準仕様だと「助手席レス」となっており、助手席はなんとオプション扱いという本気なクルマです。
992世代のポルシェ911ターボSは「過去最高の911ターボS」
対するは992世代のポルシェ911ターボですが、こちらは先代比で一気に70馬力も出力を向上せさせて650馬力を発生。
0−100km/h加速は2.7秒を誇り、こういった数値を達成するためには地道な改良を行っていると伝えられ、このあたりはさすがポルシェ(飛び道具に頼らず、クルマのバランスを全体的に向上させる)。
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実際に走ってみたらこうなった
そしてここからは実際にダッジ・チャレンジャー・デーモン、そしてポルシェ911ターボSとを直線加速にて競わせた結果。
結論から言うと「ポルシェ911ターボSの圧勝」となっています。
これにはいくつかの理由があると思われ、まず動画を見るにホイールスピンが激しすぎ、リアタイヤがグリップしていないこと。
リヤパンパーにびっしりタイヤカスが張り付いていることでもわかるとおり、かなりタイヤが(ホイールスピンによって)削れているようですね。
これについては、タイヤの空気圧がちょっと高かった可能性もありそうです。
そして次はガソリンのオクタン価が足りなかった可能性。
850馬力を発生するのは「オクタン価100以上」の場合だとされており、よってフルパワーを発揮できなかったようですね。
よって今回は「いかなる条件下でも」安定したパフォーマンスを発揮するポルシェ911の勝利と相成ったわけですが、ベストコンディションのチャレンジャー・デーモンはどれくらい速いのか、というのは気になるところですね。
ポルシェ911ターボSとダッジ・チャレンジャー・デーモンとの加速競争動画はこちら
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参照: Carwow - YouTube