| 現時点でも、新型テスラ・ロードスターの加速は当初の1.56秒から1.1秒にまで短縮されている |
もしかするとイーロン・マスクCEOは「1秒を切る」ことを目標にしているのかもしれない
テスラは新型「ロードスター」に航空宇宙産業からフィードバックされたスラスターを内蔵する「スペースXパッケージ」を用意すると発表済みですが、これによって0−100km/h加速が前人未到の1.1秒に達すると言われます。
ただしテスラはこれに満足しているわけではなく、「スペースXパッケージを装着しない」通常版であっても優れた加速を実現するため、既存モーターのパワーアップを行うべく、様々なチャレンジを行っているようですね。
「発表後にスペック向上」はEVあるある
なお、新型テスラ・ロードスターは2019年に発表され、その後の発売予定が何度か延期。
ただしこれはEVにはよくあることで、というのも開発途中に様々な新技術が登場したりして、それを取り入れようとするとどうしても開発期間が伸びてしまうのかもしれません。
なかには、そういった「長くなるであろう開発期間」を見越し、実際の発売は3年位先であるにもかかわらず、前倒しで新型EVの発表を行なうメーカーもあるほどですが、とにかくEVは「発表から発売までの期間が長いもの」と考えておいて間違いはなさそうです。
新型テスラ・ロードスターのモーターには「カーボンラップ」
そして今回、テスラは新型モデルSプレッドの納車イベントにてこの「新型モーター」をお披露目したと報じられ、これは「ローターにカーボンファイバーが高張力負荷で巻かれている」特殊な構造を持っている模様。
なお、この新型モーターはモデルSプレッドにも採用されており、この導入によって「モデルSプレッドの性能が当初よりも向上したため」、(当初計画されていた)その上位モデルであるモデルSプレッド+(Plaid+)の発売を見送ったのだとも思われます。
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この新型モーターに採用される「カーボンスリーブ」は、”銅製のローターを圧縮しておかないと、低温時に熱膨張の差で緩んでしまう”ために人力では行えず、全行程を専用の工作機械にて行うそうですが、その(カーボン巻きの)メリットとしては金属(通常は高張力鋼板)で固定されたローターに比べて、はるかに強い電磁場が得られるというもの。
さらには銅製ローターの膨張をカーボンスリーブが防止するため、ローターがより高い回転数に耐えうるともコメントしており、イーロン・マスクCEOいわく「研究段階のものではなく、実用化された中では、間違いなく地球上で最も先進的なモーターだ」。
さらにテスラは、このモーターのトルク、最高回転数をさらに向上させるいくつかのアイデアを持っているとも述べ、新型ロードスターの市販モデルは想像を絶する加速を持つクルマとなるのかもしれません。
なお、イーロン・マスクCEOは、モデルSプレッドの納車を他EVメーカーの新型車発売にぶつけたりと「明らかに他社を意識した」対応を見せているので、新型ロードスターにおいても、ロータス・エヴァイヤやリマック・ネヴェーラを完全に置き去りにするだけの加速を手に入れようとしているのだろう、とも考えられます。
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