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テスラの「8月の中国生産と輸出が最高」に。なんだかんだ言って誰もテスラの勢いを止めることができないようだ。誰もが「中国工場は失敗する」と予測していたが

2021/09/09

テスラ・モデルY

| テスラが中国に工場を作ると言ったとき、だれもが否定的でここまでの成功を予想していなかった |

いまのところテスラには決定的な「失敗」はない

さて、テスラが8月の中国製(MIC)モデル3/モデルYについて、販売・輸出を大幅に拡大し、過去最高を記録した、とのこと。

具体的には前年同月比275%増の4万4,264台となっており、中国では抗議活動や様々な逆風にて「販売に苦戦している」と報じられる割にはかなりいい数字だといえそうです。

なお、テスラの上海工場(ギガファクトリー)の稼働率は非常に高く、現在だと1日あたり1,000台のモデルYを精算しているとも報じられ、現時点では好調に推移していると考えていいのかも。

ただし中国国内での販売はやや苦戦

ただし中国国内での販売は苦戦しており、7月は前年割れ、8月は「微増」。

6月までのペースを考慮するとかなり中国での販売に苦戦しているという傾向も見られますが、これはテスラのみが苦しんでいるわけではなく、おそらく中国市場でEV「戦国時代」に突入したためだと思われ、各社が市場を分割している状態なのだと思われます(そのうち淘汰されることになりそうだが、最終的に残るのはテスラかもしれない)。

なお、中国国内で生産を行う自動車メーカーのうち、テスラよりも多くのEVを輸出している自動車メーカーはほかにないといい、テスラは31,379台、そして二番手のSAICは大きく差があって4,074台、3番めのBYDは781台、4番手のAiwaysは103台という数字(中国の自動車メーカーが他の国に輸出しているということには驚かされる)です。

なんだかんだでイーロン・マスクのやったことは他に例を見ない

こういった数字を見るとイーロン・マスク氏の行ったことは偉大だと考えざるを得ず、アメリカを敵視する中国にサクっと工場を作り、そこを輸出拠点としてしまったのはほかのアメリカの自動車メーカーにはできなかったことだと思います。

イーロン・マスク氏はアメリカ国内にも適が多く、各メディアやTwitter上の荒らし行為、そのほか政治家や有名人にもアンチは多く、しかしそれを迎え撃つイーロン・マスク氏の親衛隊とも呼べるべき”軍隊”がいるのも興味深いところ。

そして現在、知識人の間にも「実はイーロン・マスクがやっていることはスゴいんじゃないか」と捉える向きが増えており、カナダの小説家にして芸術家であるダグラス・クープランド氏もその一人。

同氏は最近の論説において「マスクはたった一人で世界の自動車業界に恥をかかせ、電気自動車の展開を7年から10年早めることを余儀なくさせました。しかし、人々は口をそろえて彼を悪く言う。私は、この時代には何か根本的な欠陥があるのではないかと考えてしまう。実際のところ、マスクは膨大なIQを持っています。彼は、どの見地から見ても、測定的、科学的、臨床的、実証的に最も賢い人間です。彼はアメックスのカード番号の平方根を一目で見分けることができます。彼は亜鉛の平方根を教えてくれます。彼は軽度のアスペルガーで、細かいことを気にしたり、新しいことに挑戦するときに自分に言い聞かせたりすることができません。マスクは世界を救おうとしているのではなく、世界をより良くしようとしているだけだなのです。実際に、マスクは、何かを生み出すことが非常に困難な4つの分野で、数十億ドル規模の企業を3つ生み出しました。そしてこれらの企業は、かつて門番と考えられていた人々の助けを借りずに成功しています」。

イーロン・マスクはなんの後ろ盾もなく、まさに自身の能力だけを頼りにインターネットではペイパル、自動車業界ではテスラ、航空宇宙産業ではスペースXを成功させ、さらにはボーリングカンパニーにてハイパーループを実現させようとしていますが、技術的な問題も解決しつつ、政治的な問題も解決しここまで来ており(しかもアメリカだけではなく中国にまで)、これは他の誰にもできない偉業だと考えています。

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参照:The Guardian

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